Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

05/11/07

琵琶湖レジャー利用適正化条例
見なおしの行方
その2

 滋賀県フィッシングボート協同組合などが続けていた琵琶湖2ストローク船外機規制の先延ばしを求める署名集めが終了しました。集まった署名はネットが1593人、自筆署名は集計中ですが1000人近くに達しています。すでにネット署名の入力フォームは削除されて、ページの内容は協力お礼と報告、目的の説明などにかわっています。

 2スト船外機規制先延ばしの趣旨については10月31日のB.B.C.ホット情報で説明しました。もう一度おさらいすると、琵琶湖で現在使用中の非環境対策型2ストロークエンジンは、ここままいくと08年4月から使えなくなります。まだまだ現役で使える船外機が、あと2年半足らずで使えなくなってしまうわけです。それがどれぐらい無茶なことかは、これまでに何回も説明してきました。

 この件に関連して、県が8月14日に琵琶湖岸の16カ所でプレジャーボートの使用者179人を対象にアンケート調査したという記事を京都新聞が掲載しました。その結果は、買いかえると答えた人が25.6%、他の場所に行くが23.4%、旧型エンジンの利用をやめるのは困難が12.2%、その他と無回答が合わせて27.9%。この結果について県琵琶湖レジャー利用対策室は「抜本的な打開策はなく、期限までにエンジンの転換は非常に難しい状況。態度を決めかねている人も多く、より積極的に転換を呼びかけていきたい」と話しているそうです。

 県はリリース禁止についてもアンケート調査を行っていて、6月に琵琶湖博物館で開催されたシンポジウムでは、湖岸で釣りをしてる人のうち55%が駆除に協力してるという報告をしています。ところが前記2ストローク船外機のアンケートと同じ8月14日の調査では、アンケート対象の68人のうち38%がリリースしていると答え、そのことが京都新聞の記事になりました。このアンケートの回答で、回収ボックスに入れるが30%、放置するが14%、持ち帰るが7%、ノーリリースありがとう券と交換するが3%。これらをすべて駆除に協力してるものとすると、合計54%になって、6月のシンポジウムのときの報告と大差ありません。

 つまり、アンケート結果はほぼ似たり寄ったりであるにもかかわらず、条例の成果を強調したいときは55%の人が駆除に協力してると言い、条例の問題点を強調したいときは38%の人がリリースしてると言う、滋賀県はそういうことをやってるわけです。ならば2スト船外機のアンケートだって、買いかえる人と他の場所へ行く人を合計して49%が現時点で規制に協力すると答えてるわけですから、そのことを強調した上で、さらに一層周知徹底すれば期限通りの規制は可能だと、そのように強弁することだって可能ですよね。

 これは何も、規制を正当化するための助言をしてるのではありません。滋賀県のやってることは、これぐらいいい加減だと言いたいわけです。明確な根拠もデータもなく、影響を被る人達の意見も聞かず、現状調査なんかまったくしないまま、きわめて政治的にゴリ押しして決まってしまった条例ですから、なんとかうまく運用していこうと思ったら、いろんなところに無理やほころびがでてくるのは仕方ありません。お役所の悪戦苦闘ぶりが、やってることすべてによく表れてます。

 2スト規制については、滋賀県が琵琶湖レジャー利用適正化審議会に出してきた文書で、先延ばしも含めて検討することが提案されました。一方、リリース禁止については、何をどうしたいのかよくわかりません。この件に関して、どうやら県は手を焼いてる、できれば何もしたくない、そんな感じです。2スト規制の先延ばしみたいに明快な調整方法がないんでしょうね。なにしろリリース禁止でバスアングラーが奪われたのは思想、信条、表現の自由ですから、それと自然環境や漁業被害を突き合わせて比較調整することなんて不可能です。第一、それを一番やりたくないのは滋賀県ですからね。揉めごとを過去に戻って再燃させたくない、できれば今のままそっとしておきたいというのが県の正直な心情なんじゃないでしょうか。

 審議委員の加藤誠司プロが文書の中で問題だと指摘するのは、駆除の推進を提案してる点です。駆除したい人が駆除するのは勝手だし、百歩譲ってレジャー条例で防除への協力を仰ぐまでは許すとしても、駆除の推進を図るとは何事か。放流や移動、売買の禁止はすでに特定外来生物被害防止法でカバーずみなのに、その上レジャー規制で何をすることがあるのか。駆除の推進は別次元の県の施策の問題だから、別のところでやればそれでいいじゃないかというわけですね。

 レジャー条例で外来魚駆除の推進を図る。いかにも自称環境先進県のゴマスリ役人の考えそうなことです。そうなれば、琵琶湖のレジャーを規制するための条例の予算が、ノーリリースありがとう券などから一歩進んで、さらに大々的に駆除に使われることになるかもしれません。条例違反のリリースを未然に防ぐためにいろんな予算を使ってたのが、その先の一線を踏み越えて、積極的に外来魚を殺すために使われるようになる可能性があるわけですね。そんなアホな!!と言いたくなりますが、過去の例を見ても滋賀県なら大いにあり得ることです。

 ほかにもいろいろ問題はありますが、2スト規制の記事が何回も新聞に載る割に、リリース禁止については話題にさえなりません。見なおしが迫ってるのに話題にならないのは、現状のままで問題はないと、世間一般の評価はそういうことになってるからかもしれません。つまり、誰かがよくおっしゃる「非常にうまくいってる」ことになってるわけですね。だったらへたに刺激しないでこのままやり過ごす方がいいのか。そんなこと言ってる隙を突いて、とんでもない答申案が出てきたり、あるいはすんなり通った答申をどこかのバカな大臣みたいに誰かが突然ひっくり返して大どんでん返しとか、そんなことも絶対ないとは言えません。県議会の議決まで、ことの成り行きをしっかり見続ける必要があります。いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どうしたかをちゃんと見ておけば、へたなことされたらされたで反撃の方法はありますからね。

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