Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

05/10/31

琵琶湖レジャー利用適正化条例
見なおしの行方
その1

 滋賀県の琵琶湖レジャー利用適正化条例による2ストローク船外機使用禁止の見なおしについて、バイタルスピリットの菱田敬一さんに話を聞いてみました。

 滋賀県は03年4月に施行された琵琶湖レジャー利用適正化条例で、プレジャーボートの2ストローク船外機を新規登録艇については06年4月以降使用禁止、既存艇についても08年4月以降の使用を禁止しました。それに対し滋賀県フィッシングボート協同組合などは、猶予期間があまりにも短過ぎて、まだまだ使える船外機の大量廃棄につながるばかりでなく、中古艇の売却価格低下で買いかえが進まなくなり環境対策型エンジンへの転換をかえって遅らせる結果になるとして、猶予期間の延長を求める署名運動を展開。滋賀県小型船協会も同様の要望を県に提出しています。

 条例の今後の運用と見なおしについて議論を続けてきた琵琶湖レジャー利用適正化審議会は、10月28日に開かれた会合でいよいよ具体的な詰めに入ったもようです。滋賀県は答申案作成に向けてのたたき台とも言うべき文書を審議会に提出しました。実際には28日の審議会の直前に各委員の所へ文書が送られてきたそうです。審議委員の1人である菱田さんの手元に届いたのは、審議会の前日だったとのこと。たった一晩で分厚い文書の内容を理解して、自分の意見をまとめておかないといけない委員の皆さんはたいへんです。

 その中の2ストローク規制の部分については、京都新聞が28日の朝刊で報道してます。記事では「繰り延べする方針を審議会に示した」となっていますが、実際にはそこまで明言はしていません。条例の規定をそのまま実施するといろんな問題が出てきそうなので、繰り延べすることも含めて検討を要するという程度のことが書かれているだけです。県は繰り延べする方針だなんてことはどこにも書いてないし、どれぐらい先延ばしするのが適当かなんて提案もありません。京都新聞の記事は、文書の内容と県や各審議委員から出てくる情報を勘案した結果、ほぼ繰り延べの方針なんじゃないかと、その程度に受け取っておくのが適当でしょうね。

 もちろん審議会がどっちへ進むかはわかりませんし、そこで何をどう決めたところで、最終的に条例や施行規則の改正案を議会に提出するのは環境保護を何よりの至上命題としておられる知事であり、議決するのはリリース禁止を全会一致で決めた環境先進県の議会ですから、何が起こるかわかりません。そのことは、特定外来生物被害防止法でバスが指定種に選ばれたプロセスを例にあげるまでもなく、皆さんよくご存じのはずです。日本の国の民主主義はその程度のものですから、ゆめゆめ油断はなりません。

 滋賀県フィッシングボート協同組合や滋賀県小型船協会の主張は次の通りです。

 滋賀県で登録されてるプレジャーボートのうち環境対策型船外機が搭載されてるのは現時点で20%ほどでしかなく、環境対策型船外機への転換は遅々として進んでいません。その現状からして、使用禁止を現在の規定のまま強行すれば、大量廃棄が発生するのはまず間違いないでしょう。滋賀県は琵琶湖の景観云々などと当たり障りのない点だけを指摘していますが、湖岸や湖中への投棄による環境破壊も起こるだろうし、ボートをまるごと捨てたり、係留したまま放棄する、沈めるなんてことも起こりかねません。こんなのを始末しないといけない滋賀県はたいへんです。

 既存艇が琵琶湖以外へ移動するのは、環境負荷を他の水域へ押し付けるだけです。だったら船外機を載せかえればそれでいいのかというと、古い船外機を廃棄するにも、新しい船外機を作るのにも、載せかえるにも環境負荷は発生します。ユーザーはそのための費用を何らかの生産活動をして稼ぐわけですから、そこでも環境負荷が発生します。今載ってる船外機をそのまま使い続ければ、これらの負荷は発生しません。つまり、琵琶湖の環境さえ守れたらそれでいいのかという問題は依然として残るわけです。

 新規登録艇については、いまさら非環境対策型船外機を搭載したボートを登録するケースはほとんどありません。ということは、既存の2ストローク船外機の使用を規制しないままほっといても、寿命がくれば消えていくということです。ところが、既存の船外機が現在の規定通り08年4月から使えなくなると、たたでさえ安くなってる中古艇価格がさらに下がるのは目に見えてますから、環境対策型船外機を搭載した新艇への買いかえは今以上に進まなくなります。買いかえのできないユーザーにとっては、琵琶湖へボートを出すのをあきらめるか、条例を無視してそのまま乗り続けるかの二者択一です。

 滋賀県が審議会に提出した文書はこうした点に含みを持たせていて、新規登録艇については現在の規定のまま06年4月から使用禁止、既存艇については先延ばしする方針を強く匂わせています。これには一つ条件があって、環境対策型船外機への転換期限などを定めたマリーナが保管するボートに限って期限を延長することを考えてるんだそうです。つまり、他県や自家保管の持ち込み艇は対象外ですから、持ち込みのカートッパーや水上バイクなどについては08年4月からの使用禁止はかわりません。それがどれぐらい守られるかは滋賀県の努力と、バスフィッシングのボートの関しては釣り団体やメディア、関係業者の協力に負うところが多いはずです。そういうときにまたしてもバスアングラーの意見を無視したらどんな結末になるか、賢明な県側の各位には今さら説明するまでもないと思います。

 中古艇の売れ行きは、昨年同時期にくらべてガタ落ちと言うか、ほとんど動かない状態まで落ち込んでしまってるそうです。1年前なら、値段が大幅に下がった中古艇を買って、最低でも使用禁止まで3シーズン以上使えたのが、今買ったら2シーズンそこそこしか使えないからでしょうね。来年春までに買おうかどうしようか考えながら、条例見なおしの結果待ちをしてるバスアングラーが多いんじゃないでしょうか。零細ボート業者にとっては、この冬をどう乗り切るかが大きな問題です。かと言って、先送りをあてにしてうかつにボートを売ったり買ったりマリーナに預けたりするわけにもいきません。今まで官僚や政治家を信用して何回も痛い目にあわされてきましたからね。ここががまんのしどころですから、用心に越したことはありませんよ。

 滋賀県が審議会に出した文書には、バスのリリース禁止についても記載があります。詳しくは、もう1人の審議委員である加藤誠司滋賀県釣り団体協議会会長に話を聞いてからご報告させていただきたいと思いますので、もうしばらくお待ちください。

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