Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

05/06/07

滋賀県のシンポジウムで
加藤誠司プロがんばる

 上の写真はFB's代表の福原毅さんとバスフィッシングジャーナリストの谷剛さん。6月5日の滋賀県のシンポジウムとその翌日の取材にかこつけて、なぜか2日も早く琵琶湖へやって来てバスフィッシングを楽しんでました。そしてシンポジウム当日、カメラの準備等怠りない谷さんを横目に、福原さんは「僕はパスするわ」と小さな声で言い残して、愛車の老体ベンツを駆って北湖周遊の旅へ……。

 その気持ち、よくわかります。過去の滋賀県のシンポジウムの内容を考えれば、憎しみの塊としか思えないカルト的妄信、相手の言うことなんか聞こうともしない一方的主張、嘘と建前の展覧会みたいなものでしたからね。今までそんなものを散々聞かされてきた福原さんじゃなくても、わざわざ関東から琵琶湖まで来て、そんなの聞きたくありませんよね。

 ところがです。今回のシンポジウムは違いました。一部にはあいかわらずの誤解、曲解にもとづく発言があったものの、バスアングラーや水上バイクの利用者とよく話し合わないといけないという意味の提案がパネラーの琵琶湖レジャー利用適正化審議会長やびわ湖自然環境ネットワーク代表からあったのは、滋賀県がセッティングしたシンポジウムとしては画期的です。これこそ、大勢の琵琶湖のバスアングラーがいろんな活動をしてきた最大の成果ですね。まあ、ここまでくるのに、リリース禁止条例案が表沙汰になってから3年もかかったかという気もしますが……。

 この違いは何か。シンポジウムの条件設定に限って言うと、今までのシンポジウムの出席者から今回のシンポジウムの出席者を引き算すれば、だいたいの答が出ると思います。つまり、引き算の答として出てきた人達が話をややこしくしてたわけですね。カルト的妄信、一方的主張、嘘と建前の展覧会は、もっぱらこの人達が担ってたことになります。それが誰と誰か、いちいち名前をあげる必要はないでしょう。わからない人は、過去にはそんな人もいたんだなとご理解いただければ十分です。ここでわざわざ名前をあげて、新たな恨みを純粋吟醸したって不毛の限りですから。

 シンポジウムの第1部、まず冒頭で滋賀県知事のありがた〜いあいさつ。有名な「ご理解いただいて」というのを生で聞いたときは、ちょっと感動しました。思わず「でたーっ!!」と叫びそうになるのをがまんするのがたいへんでした。てんちょは遅刻したから、これ聞けなかったのは残念だねえ。と言うか、大収穫があったのは遅刻したおかげとも言えなくはないから、それはそれでよかったのかも……。

 続いて、伊藤修三長崎大学名誉教授による「生物多様性の不思議さ、面白さ−その保全の重要性」というタイトルの全体基調講演。こういう話が好きなB.B.C.服部は、たいへん面白く聞くことができました。特に、長崎県男女群島の希少植物の話が出てきたところなんか、思わず立ち上がっちゃいそうになったぐらいです。そう言えば、今から20年ぐらい前に男女群島へイシダイ釣りに行ってたときに、明らかに釣りとは違う風体の人が瀬渡し船に乗ってて、何しに来たのかと聞いても答えてもらえず、船長に聞いたら「花採りに来てるらしいけん」とか「ええ声で鳴くメジロが捕れるばってん」とか教えてくれたのを思い出しました。その頃は希少種とか生物多様性なんて新語を知るよしもなく、そんな人もいるんだなぐらいに考えてたんですけど、そういうことだったんですね。

 だけどねえ。男女群島から70kmも離れてる五島列島南端の福江島が見えるんだそうです。対馬からは韓国が見えるんだそうです。そりゃ、たまには見えることもあるでしょうけど、30回近く男女へ行ってるB.B.C.服部は見たことないぞ!! 知らない人相手だからといって、そんなこと言い切っちゃうかなあ。こういう研究者のおめでたさというのは危ないなと思いました。

 後半の第2部は、二つの部会に分かれてます。一つは「生き物からみた共生について考える」がテーマで、こっちの方は聴講してないから、どういう発表があって何が話し合われたのかわかりません。あるいは、もしかしたら、こっちの方が話的には際どかったかも……。

 もう一つが、加藤誠司プロがパネラーとして出席した「レジャーからみた共生について考える」というテーマの部会です。冒頭に琵琶湖レジャー利用適正化審議会長が発表した内容で面白かったのは、琵琶湖ルールのうちリリース禁止に関しては、琵琶湖岸で釣りをしてる人へのアンケートで知ってる人が95%以上、駆除に協力してる人が55%以上という結果だったのに対し、2ストローク船外機規制は知ってる人も守ってる人もはるかに少ないということです。特に4ストロークエンジンへの転換は遅々として進んでません。このままいったら、期限いっぱいまで使い切ったところで、まだまだ動く船外機が廃棄物になるか、他の水域へ公害ごと持って出て、琵琶湖の環境問題をほかへ転化して終わりってことになりかねない状況です。リリース禁止の告知に関しては、滋賀県や一般メディア以上に釣りメディアやバスアングラー自身がよくがんばったと言えるんじゃないでしょうか。

 パネルディスカッションでは、研究者、環境保護運動家とも水上バイクに対してはけっこう辛辣な発言があったのにくらべて、バスアングラーに対する発言にはずいぶん気を使っていただいてる感じがしました。発言内容にも言葉の端々にも、そのことが感じられます。リリース禁止条例が施行された前後にくらべたら、琵琶湖のバスアングラーの立場はずいぶんかわってるようです。これも琵琶湖のバスアングラーのいろんな活動の成果なんでしょうけど、加藤プロが話の相手だからということが大きいかもしれません。つまり、いろんなことを言い続けてきた中のたとえ少しでも信じてもらえるようになった、その流れの中で加藤プロの行動ぶりや人柄が信頼するに足る人物という評価に結び付いてるということですね。これから先、バスアングラーが信頼するに足る人達だと思ってもらうためには、加藤プロから学ぶべきことが多いんじゃないかと思います。

 加藤プロの発言を紹介しておきます。まず最初に「個人的にはリリース禁止はやめてほしい」と明言しつつ、「話し合いの場は必要」と冷静に話を進めるあたりは、ある種の老獪ささえ感じさせます。駆除に協力してる人が55%以上とのアンケート結果については、「驚いてます」と正直な評価。このとき会場全体に笑いがもれたのは、多くの人達が同じことを感じたからでしょうね。「在来魚を増やすという条例の本来の目的からして、リリース禁止に罰則を導入するのは逆効果。釣り人が来なくなったときに何が起こるか予測できない」と指摘したときには、それに続いて誰からも発言がなく、会場が数秒に渡ってシーンとなりました。マナーについては、「バスアングラーの環境保全意識は一般の人達以上に高まってる」とし、「湖底に残存する釣り具の対策は進んでる。滋賀県の根掛かりマップに滋賀釣り協として協力する準備を進めてる」と協力体制を強調。これらの発言に対して、先に書いた通り、特に反対意見はありませんでした。

 加藤プロ、やりますねえ。さらに加えてB.B.C.服部的には、びわ湖自然環境ネットワーク代表の「琵琶湖の底に何万トンもの釣り具が残存してる」という発言を受けて、「琵琶湖が釣り具で埋まってしまっては困るから、バスアングラーも対策に協力する」ぐらい言ってほしかったですね。まあ、そういう言葉の端々を捉えて一々攻撃してたのでは建設的な話になりませんから、放置するのも手ですけど、ここはジョークで切り返してほしかったなあ……。というようなことは置いといて、加藤プロの発言は現時点ではまずパーフェクトだったと思いますよ、あの場では。バスアングラーと釣り業界は、加藤プロのような得難いタレントを得たことを天に感謝しないといけませんね。それと同時に、加藤プロが少しでも動きやすいように強力な支援を続けていかないといけません。

 今回のシンポジウムは、まともな話し合いが行われたという点で、滋賀県としては画期的なものだったと思います。ならば、これで話がスムーズに進むかと言うと、また別ですけどね。最後はまたまた高度の政治的判断とか何とかで大どんでん返しなんてことにならないように、油断せず監視と働きかけを続けないといけません。リリース禁止に罰則導入、2サイクル船外機規制のさらなる強化を狙ってる人達がいるのも事実ですからね。そういう結果にしないだけでなく、小田一朗さんのレポートにもあったように、琵琶湖の環境を今よりもよくしていく、そのためにバスアングラーはこれから何をどうしていくか、そのことを考えるためのよいきっかけになるシンポジウムでした。

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