■11月の琵琶湖バッシング

本格的に寒さを感じるシーズン
注意しないといけないのは
気温が下がることよりも風の影響だ


 バスフィッシングをやっていて、本当の寒さを感じるのは、例年なら11月に入ってからのことだ。琵琶湖ではこのころから、北湖を吹き抜ける北風と、南湖を吹き抜ける南風がどちらも強くなる。

 北湖の北風は晴天の日の昼前後から吹くことが多い。このときは湖上一面に白波が立って、大型バスボートでも走るのに苦労するぐらいの大波になることがしばしばだ。この北寄りの風は9月後半ごろから吹くようになるが、11月に入って西高東低の気圧配置が発達し、北西の風と重なったときなどにすごく強くなる。その点で、11月に入ってからの北風には、特に北湖でボートに乗って釣りをしているアングラーは注意が必要だ。

 南湖の南風は、気温がうんと下がったときに強くなる。この風が吹く理由は、水温よりも気温の方が低くなり、湖上で上昇気流が発生するときに、北湖に吹き込む風が南湖を通り抜けるからだ。そのため、天気予報では北寄りの風のはずなのに、琵琶湖へ行ってみたら南湖は南からの強風だった、というようなことがめずらしくない。この風が吹く日は、10月後半ごろに目立ち始め、11月から12月の前半にかけてどんどん多くなる。吹き方も寒くなるに従って、次第に強くなるという特徴がある。

 水温の下がり方は、琵琶湖のように大きな湖の場合は気温が下がるのよりもかなり遅れて、気温に引きずられるように下がる。この下がり方には特徴があって、ただ寒いだけなら琵琶湖のような大きな水の塊は、それほど強い影響は受けない。

 それよりも風の影響の方が大きく、強い風が何日か続いた後で測ってみると、ストンと何度も下がっていることが多い。風が吹かずに寒いだけなら、ジリジリと下がるだけだし、逆に暖かい無風の日はわずかに上昇していることもあるぐらいだ。

 このように、秋の後半とも言える11月の琵琶湖のバスフィッシングは、水温が下がることの影響よりも、風による影響を強く意識しないといけない。11月のバスは全体を通して見ればだんだんとスローになっていのだが、平均したペースでスローになっていくのではない。3歩後退2歩前進といった感じでスローになっていく。ところが、その中にまだまだ元気なバスがいて、それも無視できないというのが、この時期の難しいところだ。

 釣れる場所も次第に限られるようになり、11月末ごろになるとブレークがらみやストラクチャーの釣りが強くなる。昨年の11月の名鉄沖のゲームを例にあげると、中旬ごろまではウィードがらみのアウトサイドエッジ一帯で釣れていたのが、広範になるに従って導水管の周辺に集中するようになり、月末ごろには導水管を意識した釣りでないとグッドサイズは釣れなくなった。

 96年のシーズン、秋の後半からの好ポイントである名鉄沖は10月後半になっても好調とはほど遠く、はたして導水管で95年と同じようにバスがよく釣れるようになるかどうかはわからない状態だった。それよりも注目を集めていたのは岸寄りのマリーナまわりで、10月中旬ごろから数は少ないながらもグッドサイズが出るようになっている。

 ほかに目立ってボートが多かったのは琵琶湖大橋の水深4〜5mエリアで、東詰め寄り、西詰め寄りとも橋脚の際をジグヘッドリグやメタルジグなどで狙って、9月以降11月から12月になっても釣れ続いている。。

 雄琴港などに代表される港内での釣りが、はっきりと好シーズンに入るのも11月ごろの特徴的な傾向だ。95年秋は水位がマイナス70cmを下回り、港の釣りは水質が悪化したためよくなかった。そういう例外を除けば、普通は11月中には各港ともシーズンに入る。

 北湖の浜に立ち込んでのゲームは、11月になるとそろそろ中小型が姿を消して、ビッグバスオンリーのマニアックなシーズン突入となる。

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