■4月の琵琶湖バッシング

水温、水位ともに高めの年は
明確なパターンが一気にやってくる
ビッグチャンスとどん底が紙一重


 今年は冬から春への季節変化が早め々々に進行し、九州、四国の各地では例年より10日前後も早く、3月中旬にサクラが開花し始めた。近畿地方でも3月末ごろには開花が始まりそうだという。琵琶湖の水温も3月後半になってはっきりと上昇し始めたし、水位は冬から引き続き高めを保っている。水の中にいるバスたちも、早めの季節変化を間違いなく感じ取っているはずだ。

 このような年のバスフィッシングパターンは、どのような傾向を示すか。これは、同じような条件だった年を思い返してみれば参考になるだろう。

 水位が高めで、水温の上昇も早かった年というのは、ここ数年の内では94年に似たような傾向が見られた。このときは、シャローのアシ原まわりなどで起こるプリスポーニングからスポーニングに至るパターン変化が比較的明確に、しかも短期間の内に現れた。赤野井湾のシャローのスピナーベイト、名鉄沖のミドルレンジのジグヘッドリグなどに代表される、まるで絵に描いたような釣り方で狙い通りにバスがヒットしてくるということが、短期間に一気に起こったのだ。

 それと同時にこの年は、スポーニングベッドが極めて多く観察できた。このことは、それぐらい一気にバスの産卵が行われたということと、そのタイミングが例年よりかなり早めだったので、バスアングラーがベッドを荒らしてしまうということが、いつもより少なかったからだろう。

 94年と今年の違いは、3月中のバスの釣れ方だ。94年の3月は、今年よりもはるかによく釣れた。その原因が何か、バスの数が減ったからなのか、あまりにもフィッシングプレッシャーが高いからなのか、というようなことは、さらに多くのデータを集めてからでないと何とも言えない。ただし、こういうことは言えると思う。

 バスフィッシングのパターン変化がはっきりと、しかも一気に起こるということは、場所と釣り方の正解を見付けたアングラーに撮ってはビッグチャンスになる。その理由は、一度パターンがはまれば、その場所に、その釣り方でキャッチできるバスがたくさんいるはずだからだ。

 これとは逆に、パターンを絞り込めないとどういうことになるか。たとえほとんど正解に近いところまで迫っていたとしても、わずかに場所や釣り方がずれているばかりに、アタリもなければバスの気配もないということになる。つまり、まぐれ当たりは期待できないということだ。

 同じプリスポーニングシーズンでも、3月にくらべて4月の琵琶湖では、はるかにイージーな釣り方でバスがキャッチできるようになる。例えば、赤野井湾内のアシ原のすぐ前から少し沖にかけてのシャローで、スピナーベイトで釣れるようになる。また、ウィードエリアでライトジグヘッドリグなどを使っているときに、それまでは本当にスローなアクションにしかバイトしてこなかったのが、比較的早めのアクションにもバイトしてくるようになる。さらにポイントによっては、シャロークランクベイトやミノーなども使えるようになる。

 狙うべきスポットとしては、時期的にもうスポーニングが目の前であることを意識するべきだ。つまり、バスがスポーニングでアシ原へ入るような場所なら、そのすぐ近くのウィードエリアとかストラクチャー、ブレークラインのショルダー部などをきっちりとチェックする必要がある。

 今シーズン面白そうなポイントとしては、南湖の烏丸半島をあげておこう。ここは96年秋に琵琶湖博物館が完成して、周囲のほとんど全域が歩いて回れるようになっていて、特に岸釣りアングラーにお勧めだ。まず4月の早い時期には、半島北側の赤野井湾の最奥部にあるハス畑に大量のバスが入り込んで、スピナーベイトなどにヒットしてくる。その後次第にポイントを移動しながら、1カ月以上に渡っていろんなルアーで釣れ続く。赤野井湾では、この時期に岸から多くのビッグフィッシュがキャッチされるので、くれぐれも油断は禁物だ。

琵琶湖のバスフィッシング
超データベース
単行本好評発売中1900円

好評の単行本「琵琶湖のバスフィッシング」の第2弾です。この本は全国の書店、タックルショップで販売されているほか、インターネットのオンライン通販ショップSORAIRO HOURのホームページで買うこともできます。第1弾「琵琶湖のバスフィッシング」も好評発売中です

琵琶湖のバスフィッシングデータベースへ戻る