■3月の琵琶湖バッシング

水位、水温ともに高かった冬が終わって
その後にやってくる春は
早く始まってパターンも明確


 97年始めの琵琶湖の水温は、1年で一番低くなる2月に入っても6度を下回ることが少なく、水温が下がりやすい岸近い場所や湾内などを除いた平均的な値は7度近で上下している。これは96年の同シーズン、北湖の影響を強く受ける琵琶湖大橋周辺でも6度を切って5度近くまで下がることが多く、南湖の一部ではたびたび4度近くまで下がっていたのとくらべると大きな違いだ。

 水位も97年は1月以降、大きく下がることなくプラス4〜8cmの間で上下している。例年なら水位は1月上旬に冬場の最低水位となり、マイナス数10cmまで下がる。その後、1月中旬ごろから雨や雪が多くなって水位が上がり始め春のスポーニングシーズンを迎えるというのが通常のパターンなのだが、96年の秋の終わりごろから97年始めにかけての水位の変動はこのパターンから大きくずれている。

 真冬になっても水位が平年よりもかなり高く、水温もやや高めということで、97年始めの琵琶湖のバスフィッシングのパターンはピンボケ状態になっていたようだ。水温が低くて水位が下がれば、バスはいかにも越冬場所というディープのストラクチャーなどに多くが集まる。ところがこのときばかりはそうではなかったようで、どちらかといえばミドルのウィードエリアやストラクチャーまわりにもたくさんのバスがいた。

 このような年は、春のプリスポーニングシーズンの訪れが早く、パターン的にもはっきりと現れることが多い。その一例は、琵琶湖に多いアシ原の沖のウィードエリアでスピナーベイトやジグヘッドリグにヒットしてくることだ。また、マリーナの沖のウィードまわりで、ロングビルサスペンドミノーを止めているときに体当たりしてくるという釣れ方もこれにあてはまる。

 このようなパターンは、3月に入ってバスがスポーニングを意識し始めると、大型ほどごく早い時期にアシ原などのスポーニングエリアへと近付くことから起こる。ただし、釣れ方としては同じ場所で長く続くというパターンではなく、極端な場合は本当のチャンスは1カ所で1週間から10日。それがあちこちのポイントで次々と起こり、一度終わった場所でふたたび起こるという釣れ方になる。

 95年末から96年始めにかけては真冬の水温が異常なほど下がり、春になってもその影響を強く引きずっていたため、このようなパターンがはっきりとは現れなかった。バスの活性は低く、ヒットがあっても非常に散発的な釣れ方に過ぎなかった。たいていは、例年ならロングビルサスペンドミノーやスピナーベイトなどで釣れるのと同じポイントで、ライトジグヘッドリグを長時間止め続けたりしないとヒットしてこなかったのだ。

 このような結果となったのは、冬から春にかけての水温が低過ぎたためと考えられる。ただし、それと同時にフィッシングプレッシャーがあまりにも高すぎたためでもある。もし同じような傾向が毎シーズン続くようなら、琵琶湖のバスフィッシングのパターンを考えるときに、フィッシングプレッシャーの影響ということを本来のパターンよりも重視しないといけないかもしれない。

 96年の3月は膳所舟だまりやなぎさ漁港などで上旬まで小型の数釣りが続いた。3月3日に開かれた湖南チャプタートーナメントの上位は井筒マリーナ、ヤンマーマリーナ、木浜沖などから出ている。また、ジュニアの部の優勝は琵琶湖ロッジの杭まわりで3尾で2550gの見事なスコアだった。これらはいずれもバスがスポーニングへ向かう最初の動きをとらえたものだ。

 このシーズンに多いビッグフィッシュは、3月14日に小野沖の一文字で京都市中京区の奥野泰史さんがライトジグヘッドリグで61cmをキャッチしている。また、リブレのガイドでも吉積健司プロらが3月中旬以降、50cmオーバーをたて続けにキャッチするようになっている。

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