琵琶湖の湖底から
(2006/12)

←Before          スクラップブックバックナンバー          Next→

■「環境マップ」利用広がる 琵琶湖の水質や生物を一目で 06/12/01 京都新聞電子版
 市民が調査した琵琶湖や河川の水質結果をパソコンの地図上で紹介する滋賀県琵琶湖・環境科学研究センター(大津市)の「びわこ環境マップ」の利用が、県内の環境団体に広がりつつある。各水域の水質や透明度、生き物が一目で分かるのが特徴で、7月下旬の運用開始から21団体が独自の調査結果を公開している。
 マップでは、各団体が実施した調査地点が地図に示され、地点ごとの水温や透明度、水質汚濁の指標となるCOD(化学的酸素要求量)などのほか、調査地点で確認した生物が閲覧できる。
 市民が手掛けた調査結果の有効活用を目指し、同センターが開発した。身近な川などで調査を続ける21団体がインターネットを通じ、これまでに約860カ所の結果を入力している。
 過去10年間の結果を公開しているNPO法人「びわこ豊穣の里」(守山市)の長尾是史事務局長は「成果を公表できることでやりがいが強まり、他地域の情報を参考にすることもできる」と話している。
 マップは同センターのホームページで閲覧できる。東善広主任研究員は「水環境の関心が高まるとともに、団体間の交流のきっかけになれば」と期待している。

■諏訪湖の遊漁料が引き上げ 06/12/01 長野日報ネット版
 県内水面漁場管理委員会(会長、沖野外輝夫早大人間科学部特任教授)は11月30日、長野市内で開き、諏訪湖、諏訪東部など7漁協から県側に申請のあった遊魚料改正を含む規則変更を申請通り了承した。諏訪湖の遊漁料改定は1991年以来。日釣り券が現行の630円から1000円、年券3150円から4500円に引き上げ、これ以外の年券も6300円から9000円とする。
 変更理由について、外来魚の増加やコイヘルペス病などで漁獲量が減少しているのに加えて、組合経営環境の悪化、ワカサギなどの魚類減少に伴う放流費の増大を挙げた。
 諏訪東部漁協はアユ以外の年券を現行5千円から6千円に改正される。
 委員側からは、諏訪湖漁協の遊漁料改正について「禁漁期間を設けたことで漁獲量にどれだけ影響しているかまだはっきりしない。釣りを楽しむ期間が少なくなる上に、料金を引き上げるのはいかがなものか」などの意見もあった。
 これに対し、委員で諏訪湖漁協の中沢章組合長は「引き続きワカサギが減少した原因を調査して行く」とし、産卵量の確保に理解を求めた。委員会側から出された意見については、ワカサギにかかわる連絡会議に反映させる方法も検討したいとの考えも示した。
 委員会が了承した料金改正を含む規則変更は、村井仁知事の認可を経て施行される。県園芸特産課水産係によると、諏訪湖は来年4月、諏訪東部は来年2月からの料金改正を予定している。

■年末年始の高速道路渋滞、ピークは1月2〜3日と予測 06/12/02 asahi.com
 東日本、中日本、西日本の高速道路3社と日本道路交通情報センターは、年末年始の渋滞予測を発表した。ピークは来年1月2〜3日で、帰省客のUターンなどによる混雑が見込まれるという。
 ピーク時の長さが20キロ以上の渋滞は全国で延べ35カ所を予測。東名高速の大和トンネルや沼津インター、名神高速の彦根トンネル、中央道の高井戸出口、東名阪道の四日市インターなどの周辺では、特に上り線の2〜4日を中心に25キロ以上の激しい渋滞を見込む。
 詳細は各社のホームページで見ることができる。

■外来魚を徹底駆除 岐阜・山県市 伊自良湖で捕獲 06/12/02 Chunichi Web Press
 長良川の支流、伊自良川の上流にある伊自良湖(岐阜県山県市)で2日、繁殖が問題化していた外来魚の一斉駆除が行われた。昨年秋に魚食性が高いコクチバスが伊自良川で見つかり、長良川水系全体でアユなどの在来種へ悪影響を与えることが懸念されていた。研究者らは「完全に外来種の駆除を終え、ひとまず長良川などへの流出の心配はなくなった」としている。
 駆除は山県市が研究者らの協力を得て実施。10月下旬から14年ぶりに湖水を抜き始め、この日は湖底の旧河道に集まった魚を約100人の参加者が網で引き上げた。研究者の指導で在来種と外来種に選別、在来種は伊自良川上流に放流された。
 引き上げられた外来種はオオクチバス約250匹、コクチバス23匹、ブルーギル約4万匹、オオクチバスの稚魚約350匹で、コクチバスの稚魚は確認されなかった。全体の8割を在来種のコイやヘラブナ、ワカサギなどが占めた。
 三重大大学院生物資源学研究科助手の淀太我さんは「数は想定内。しかし在来種の稚魚や4年前に放流したモロコが確認できず、外来種によって侵食された可能性が高い」と分析する。
 コクチバスは北米原産のブラックバスの一種。昨年6月施行の外来生物法で特定外来生物に指定され、放流が禁止されている。長良川漁協外来魚担当の魚類研究家、新村安雄さんは「長良川は水質が良く、上流でも繁殖できるコクチバスが湖から流出した場合、生息が可能。来年3月の水入れ後、再び生息が確認されれば犯罪行為を明らかにしやすい。今後も地元住民の協力で、警戒を強めたい」とした。

■バス駆除、昨年の2割 4回で300キロ 伊豆沼内沼 06/12/03 河北新報社Kolnet
 人工産卵床を使った先駆的なブラックバス駆除が行われている伊豆沼・内沼(宮城県栗原、登米市)で1日、伊豆沼漁協が定置網によるバス駆除を行った。11月初旬から4回に分けて実施する駆除活動の最終日で、この日は108キロを捕獲。1カ月間の駆除量は計303キロだった。
 午前7時すぎから組合員らが船を出し、沼に仕掛けた93カ所の網から、何カ所かを選んで引き上げた。2年以上育った大型バスはほとんどなく、大部分が今年生まれた10センチ未満のバスだった。
 駆除は県と地元2市の助成を受け、2001年から毎冬実施している。今年の駆除量は昨年の2割程度と極端に減っており、遠藤吉雄組合長は「バスが好んで集まる、ハスの枯れた茎や根が例年以上に沼に残っており、網に掛からなかったのかもしれない。(これまでの)駆除の効果も考えられる」と話している。

■近畿の水がめ琵琶湖を守れ 大津市河川愛護団体連が20周年大会 06/12/03 Chunichi Web Press滋賀
【湖南】大津市の河川保護を推進する「市河川愛護団体連合会」は3日、創立20周年記念大会を同市浜大津4の明日都浜大津で開いた。
 同会は1986年、市内の団体間で情報交換を促進しようと設立。自治会を中心とする19団体に約2万6000人が加盟している。
 大会には各団体から約60人が参加した。中原真二会長が「琵琶湖は近畿一円の水がめという意識をもって清掃活動に臨んでほしい」とあいさつ。2つの団体がごみ拾いや除草など活動内容を発表した。
 続いて、草津市の琵琶湖岸でコハクチョウの保護観察活動をする環境ボランティア吉岡美佐子さん(59)=草津市木川町=が講演。「釣り具やたばこのポイ捨てが鳥にとっては命取りになる。ハクチョウが飛来する琵琶湖を大切にしてほしい」と訴えた。(勝山友紀)

■バス駆除、昨年の2割 4回で300キロ 伊豆沼内沼小魚安心 木の魚礁でブラックバス排除 仙台・梅田川 06/12/04 河北新報社Kolnet
 ブラックバスが入り込めない小魚用の木製魚礁が、宮城野区の梅田川・新田大橋付近に完成した。魚のすみやすさを考えた環境共生型魚礁の設置は宮城県では初めてで、全国的にも珍しい。仙台市のNPO「河川整備研究会」(笹正樹代表)と県の協働事業で、成功すれば小魚の繁殖場所として普及が期待される。
 間伐材や流木を組み合わせた魚礁は、テラス状で長さ12メートル、幅3メートル。壁に1―2センチのすき間があり、小魚だけが通り抜けられる。
 ブラックバスは湖や沼だけでなく、河川でも急増。笹代表によると、梅田川にはかつてハヤやオイカワ、カジカなど約50種の在来種がいたが、バスやブルーギルに駆逐され減る一方だという。「バスに追われても魚礁に逃げ込める。木の表面に藻が付いて餌の供給源にもなり、小魚が安心してすめる」と説明する。
 基礎部分の一部を除きほとんどが手作り。耐久性を考慮し、浸水する部分には鉄くぎや金属製ボルトは使用していない。テラス上部には、近くに自生していたクレソンを移植。根が水中に伸びれば、小魚の餌となる。
 従来、護岸に設置されたコンクリート製の魚礁は枠だけの構造。「魚は草や木がないと生きられない。身を隠す場所もないため、全く寄りついていない」と笹代表は指摘する。
 研究会は昨年、コンクリートブロックと木を組み合わせ、小魚がすめる魚礁を開発し、特許を取得した。だが、ブロックの製造コストがネックになっていた。
 魚に優しい魚礁の設置が、本年度の県のNPO推進事業に選ばれたことから、コンクリートを使わず、木で作ることを考案。「間伐材を使ったので値段が安く済んだ。木製だと、どんな川でも地形に合わせて設置できる」と笹代表は胸を張る。
 上部には開閉式の窓を付け、小魚の生息状況を観察できるようにした。今後、研究会が効果を検証していく。
 県仙台土木事務所の平間光雄土木部技術副参事は「自然に優しい護岸整備として取り組んだ。この仕組みが成功すれば、ほかの河川や湖沼にも広く応用することができる」と注目している。

■小魚安心、木の住居、ブラックバス排除 仙台・梅田川 06/12/05 河北新報社Kolnet
 ブラックバスが入り込めない小魚用の木製魚礁が、宮城野区の梅田川・新田大橋付近に完成した。魚のすみやすさを考えた環境共生型魚礁の設置は宮城県では初めてで、全国的にも珍しい。仙台市のNPO「河川整備研究会」(笹正樹代表)と県の協働事業で、成功すれば小魚の繁殖場所として普及が期待される。
 間伐材や流木を組み合わせた魚礁は、テラス状で長さ12メートル、幅3メートル。壁に1―2センチのすき間があり、小魚だけが通り抜けられる。
 ブラックバスは湖や沼だけでなく、河川でも急増。笹代表によると、梅田川にはかつてハヤやオイカワ、カジカなど約50種の在来種がいたが、バスやブルーギルに駆逐され減る一方だという。「バスに追われても魚礁に逃げ込める。木の表面に藻が付いて餌の供給源にもなり、小魚が安心してすめる」と説明する。
 基礎部分の一部を除きほとんどが手作り。耐久性を考慮し、浸水する部分には鉄くぎや金属製ボルトは使用していない。テラス上部には、近くに自生していたクレソンを移植。根が水中に伸びれば、小魚の餌となる。
 従来、護岸に設置されたコンクリート製の魚礁は枠だけの構造。「魚は草や木がないと生きられない。身を隠す場所もないため、全く寄りついていない」と笹代表は指摘する。
 研究会は昨年、コンクリートブロックと木を組み合わせ、小魚がすめる魚礁を開発し、特許を取得した。だが、ブロックの製造コストがネックになっていた。
 魚に優しい魚礁の設置が、本年度の県のNPO推進事業に選ばれたことから、コンクリートを使わず、木で作ることを考案。「間伐材を使ったので値段が安く済んだ。木製だと、どんな川でも地形に合わせて設置できる」と笹代表は胸を張る。
 上部には開閉式の窓を付け、小魚の生息状況を観察できるようにした。今後、研究会が効果を検証していく。
 県仙台土木事務所の平間光雄土木部技術副参事は「自然に優しい護岸整備として取り組んだ。この仕組みが成功すれば、ほかの河川や湖沼にも広く応用することができる」と注目している。

■琵琶湖のシジミから農薬 06/12/06 asahi.com滋賀
【米原・高島の沖 県、漁の自粛要請】
 県は5日、米原市と高島市沖の琵琶湖の2カ所で採取したシジミから、国の基準値を超える残留農薬が検出されたと発表した。食べても健康に影響しない数値だが、県はこの2カ所でシジミ漁を自粛するよう漁業者に要請した。
 農薬は除草剤のチオベンカルブ。農薬の残留基準を厳しくした国の「ポジティブリスト制度」が5月に施行され、11月に島根県・宍道湖のシジミから同じ農薬が検出されたことから、県が調査した。5カ所でシジミを採取して調べたところ、米原市磯沖と高島市大溝沖の2カ所で、同制度の貝類の基準値0・01ppmを超える0・02ppmが検出された。他の地点や同時に調べたアユ、ニゴロブナは基準値以下か検出されなかったという。
 県は、この2カ所でシジミ漁の自粛を要請。今後も定期的にモニタリングを実施するほか、来シーズンからチオベンカルブを使わないよう農業団体とも協議する。
 チオベンカルブは土につきやすく水に溶けない性質で、県は「土と一緒にシジミが取り込んだのだろう」としている。検出量は、みそ汁で食べても1日の許容摂取量の1千分の1以下といい、県は魚介類の基準値が米などの農作物に比べて厳しい数値になっているとして、国に基準値の見直しを要請していく。

■残留農薬:セタシジミから、2水域で基準値の2倍 県、漁の自粛要請 06/12/06 Mainichi Interactive滋賀
 県は5日、琵琶湖固有種のセタシジミから基準値の2倍の残留農薬「チオベンカルブ」を検出したと発表した。人体への影響はない微量だが、県は、基準値を超えた2水域でのシジミ漁の自粛を漁業者に要請。今後、定期的にモニタリング(監視)を行う。
 チオベンカルブは畑や水田で使う除草剤。残留農薬基準の設定がない農薬が一定量を超えて残留する食品の流通を禁じる「ポジティブリスト制度」が5月に施行され、魚貝類の一律基準値が0・01ppmと定められた。県はセタシジミの主な漁場5カ所で検査。米原市沖と高島市沖の水域で0・02ppmを検知した。湖北町沖では検出されず、沖島南と瀬田川では0・01ppm。アユとニゴロブナも各2カ所で調べたが検出されなかった。
 県は、今回のシジミ入りのみそ汁1杯分に含まれる量が1日の許容摂取量の1000分の1以下で健康への影響はないとしており、一律基準値でない魚貝類の基準値設定を国に要請する意向。チオベンカルブを来年の使用時期には使わないことで全農県本部と合意する見通しだという。【服部正法】

■セタシジミ漁、一部自粛にとまどい 米原と高島沖・残留農薬検出で 06/12/08 京都新聞電子版
 滋賀県米原市と高島市沖の琵琶湖で残留農薬が検出されたため、セタシジミ漁が1日から、県の自粛要請を受け、この漁場で見送られている。厚生労働省が魚介類の残留農薬の基準を一律に厳しくした影響だが、この基準はコメの場合に比べ20倍厳しい。これから最盛期を迎えるだけに、漁業者は「県からは健康に影響はないと聞いているのに」と戸惑っている。
 県は11月中旬、琵琶湖の5カ所で調査し、高島市大溝沖と米原市磯沖のセタシジミから除草剤のチオベンカルブ0・02ppmを検出した。今月1日から両水域でのセタシジミ漁の自粛を求めた。
 厚労省は今年5月、農産物75種別の残留農薬基準を設け、コメは0・2ppm、麦が0・1ppmなどとした。しかし、魚介類は「農薬の使用を想定していない」として、一律に0・01ppmと定めた。
 滋賀県立大環境科学部の須戸幹講師(環境化学)は「今回検出されたセタシジミの残留農薬量は、生涯食べても問題がないとされる厚労省の基準量の1000分の1にすぎない」と指摘している。
 大津市今堅田2丁目の漁師大道晴一さん(66)は2つの水域での漁を自粛してから、近江八幡市沖で操業している。「自粛が長期化すれば、漁獲量も減る。シジミに問題はないのに。目の前にたくさんシジミがいるのに漁ができず、もどかしい」と話している。

■「希少魚守ろう」50年ぶり池干し 大崎・鹿島台のNPO 06/12/09 河北新報社Kolnet
 宮城県大崎市鹿島台のNPO法人「シナイモツゴ郷(さと)の会」(安住祥理事長)は9日、鹿島台のため池で、希少性の高い魚類がすむための池干しを行った。池の中で数が減っているゼニタナゴの生息数を確認するのが主な目的。
 会員や住民ら約60人が参加。ゴムボートで池に捕獲用の網を張り、全員で引き寄せた。シナイモツゴやフナなどは見つかったものの、ゼニタナゴは確認されなかった。池干しの後、魚を戻した。
 池干しは約50年ぶり。約3年前に100匹以上のゼニタナゴが確認されたが、昨年9月の調査で、減少していることが分かった。今回の池干しで、外来魚のブラックバスは確認されなかったことから、郷の会副理事長の高橋清孝さん(55)は「底にたまった泥が環境を悪化させたのが、減少の一因ではないか」とみる。郷の会は今後、数年おきに定期的に池干しを実施。環境改善を図るとともに、養殖したゼニタナゴを放流して元の環境を取り戻すという。

■シナイモツゴ:大崎のため池で激減−−NPOが生息調査 06/12/10 Mainichi Interactive宮城
 大崎市鹿島台のNPO「シナイモツゴ郷の会」は9日、シナイモツゴを再発見(93年)した鹿島台広長のため池で、魚類の生息調査を行った。シナイモツゴはわずか27匹。同じく希少種のゼニタナゴは1匹も確認できなかった。食害魚のブラックバスは見当たらず、密放流はなかったが、なぜ2魚種が激減したのか別の謎が浮上した。
 2魚種とも2年前までの調査ではそれぞれ100匹前後確認できたが、その後急減した。同池は半世紀、池干しされずヘドロがたい積。コイ科の魚がかかる細菌性の病気が散見された。環境要因が激減にかかわっている可能性がある。池は市の天然記念物。同会の高橋清孝副理事長(54)は「原因究明と池環境の改善を図りながら、別の池で増やした魚を移したい」と話す。【小原博人】

■不明男性、遺体で発見 近江八幡沖の漁船漂流 06/12/12 京都新聞電子版
 滋賀県近江八幡市牧町沖の琵琶湖で漁船が漂流していた事故で、行方不明になっていた野洲市木部、近江八幡漁協組合員高定雄さん(68)は12日午前7時20分ごろ、現場から北約100メートルの湖底で、遺体で見つかった。近江八幡署は高さんが誤って転落し、水死したとみている。

■2010年度まで琵琶湖の水質浄化へ 滋賀県が水質保全計画案 06/12/12 京都新聞電子版
 滋賀県は12日までに、本年度から2010年度までの5年間で琵琶湖の水質浄化に取り組む第5期琵琶湖水質保全計画案をまとめた。守山市の赤野井湾流域で集中的に市街地排水や農業排水の対策を講じるなど、琵琶湖のCOD(化学的酸素要求量)、全窒素、全リンの削減を目指す。
 計画案によると、CODは北湖、南湖において最も汚染が進んでいる基準点の75%値が目標で、北湖は現在の1リットル中3・0ミリグラムから同2・9ミリグラムに減らし、南湖は現在の同4・2ミリグラムを維持する。
 全窒素は北湖平均で1リットル中0・30ミリグラム(現行は1リットル中0・32ミリグラム)、南湖で同0・33ミリグラム(同0・36ミリグラム)に削減する。全リンは北湖で環境基準を達成しているが、南湖で現在の平均1リットル中0・018ミリグラムを保つ。
 主な対策としては、下水道の普及率を85・6%(現80・4%)に引き上げるほか、赤野井湾流域で琵琶湖に流出する排水の汚濁物の除去に取り組む。難分解性有機物の実態把握に向けた調査にも本格的に乗り出す。
 今後、環境省の同意を得て本年度内の計画決定を目指す。

■事件・事故:漁船から転落か、琵琶湖で男性死亡 06/12/13 Mainichi Interactive滋賀
 11日午後4時50分ごろ、近江八幡市長命寺沖の琵琶湖で、「漁船のエンジンがかかったままで人がいない」と110番通報があった。近江八幡署などが捜索し、12日朝に湖底から男性の水死体を発見。漁船所有者の野洲市木部、高定雄さん(68)と確認された。同署は漁の途中で誤って転落したとみている。

■海汚す“エビ”疑似餌、2年で130個も 笠岡・白石島沖 回収続ける金子さん「やりきれない」 金子さんが白石島沖で回収したエビの疑似餌 06/12/14 山陽新聞WEB NEWS
 笠岡市笠岡の金子敏彦さん(48)は、笠岡諸島の白石島沖で、海底の岩場に釣り客が引っ掛けたエビ形の疑似餌の回収を進めている。始めて2年ほどで130個を数え、釣り客の残した“ごみ”の多さに頭を痛めている。
 エビの疑似餌はイカ釣り用で、長さは9〜15センチ。複数の針が放射状に広がっているため海底によく引っ掛かる。赤やオレンジ、金銀など派手な色使いが目立ち、体の節まで再現した精巧な物もあり、釣具店で1個1000円前後で販売されている。
 白石島の実家前でイカ釣りをしていた金子さんも針を掛け、外そうと水中に潜ってみるとあちこちで発見。「その数に驚いた。実家前だけでも掃除を」と思い立った。
 回収する範囲は沖合約10メートル、深さ1〜5メートルの岩場で長さは1キロほど。春から秋にかけて月2、3回潜り、多い時には1度に30個も回収したという。レジャーボートなどによるイカ釣りは周辺の島々でも盛んで、金子さんは「相当な数が眠っているはず。今後も増え続けることを思うと、やりきれない」とこぼす。

■「外来種」を設定/希少動物保護条例案 06/12/15 沖縄タイムスネット版
 県は十四日、県内の貴重な野生動植物を守る「県希少野生動植物保護条例(仮称)」案をまとめ、県自然環境保全審議会(会長・土屋誠琉大教授)に諮問した。
 条例案は、希少種にとって有害な外来種を自然界に放すことなどを禁じる「外来種指定」を設定したほか、生息保護区での開発行為の制限や、罰則規定などを盛り込んだ。
 県は二〇〇七年一月に同会から答申を受け、二月定例会に提案、〇八年四月の施行を目指す。同条例は全国二十三都道県で制定済み。
 条例案は、動植物の保護に関する法律で対象外となっている県内の希少種の保護が目的。特に保護が必要な種を「指定希少野生動植物種」と位置付け、(1)種の保護(2)生息・生育地の保護(3)外来種対策―について、具体策を提示した。
 希少種の捕獲・採取等を原則禁止とし、「生息地等保護区」を設定して開発行為を制限。また「指定希少野生動植物保護員」を委嘱し、継続的な巡視活動を行っていく。違反者には「最高一年以下の懲役または五十万円以下の罰金」などの罰則も盛り込んだ。
 在来種に有害な指定外来種を放すことを禁じ、飼育や栽培、販売時には届け出や説明を義務付けるなどの規制も設けた。
 県自然保護課によると、全国で同条例に「外来種の指定」を盛り込んだのは滋賀県だけ。県は今後、審議会を経て具体的な指定種を決定する。
 現在、県内の野生動植物の保護策があるのは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」による十九種と「特定外来生物による生態系にかかる被害の防止に関する法律」の十一種。

■「びわこ」ナンバーでPRへ 県、規制緩和の機会に注目 06/12/15 Chunichi Web Press滋賀
【広域】環境問題に取り組む姿勢のPRや観光振興を目的に、県が自動車の「滋賀」ナンバーを「びわこ」に変える計画を検討していることが14日、分かった。
 県議会一般質問で、公明党の梅村正県議の質問を受け、近藤月彦・政策調整部長は「国の規制緩和など動向を注視し、チャンスに備えたい」と述べた。
 ナンバープレートは原則、運輸支局の所在地名を表示している。国は2004年、市町村の申し出を受けた都道府県が地域名を申請する「ご当地ナンバー」制度の導入を決定。05年5月まで、各地域から申請を受け付けていた。
 「びわこ」での申請を計画した県は、導入が可能か国に打診。04年12月に「原則は漢字2文字の地域名なので認められない」との返答を受け、断念していた。
 県企画調整課では「まずは各市町や県民の意向を確認し、気運が高まれば国へ実現を働きかけたい」としている。(吉岡雅幸)

■「やっかい者」生物を考える 琵琶湖博物館で研究発表会 06/12/16 京都新聞電子版
 水草や外来魚など琵琶湖の「やっかい者」とされる生物について考える研究発表会が16日、滋賀県草津市下物町の県立琵琶湖博物館で開かれた。参加した市民約70人は、生物と人のかかわりや、やっかい者とされるゆえんなどについて理解を深めていた。
 同館の学芸員が、南湖で急速に増えた水草や外来魚問題の歴史、湖や森に与えるカワウの影響についてそれぞれ研究成果を発表。続いて、滋賀大環境総合研究センター教授の中村正久さんが「やっかい者との付き合い方」について話し、「やっかい者は、『誰にとって』だけでなく、『いつ』『どこで』やっかい者なのかを考える必要がある」として、対処方法として容認か根絶だけなく、どこまで受忍できるかがポイントになると説明した。

■現場から記者リポート:近江八幡・八幡堀浮き桟橋問題 ドブ川、今や重要景観 06/12/16 Mainichi Interactive滋賀
◇再生に前市長ら長年奔走
◇口開けば「違法」と県−−自らの“怠慢”は知らんぷり
 近江八幡市の八幡堀に架かる橋を巡って、「河川法(不法占用)に違反しているので撤去せよ」という県と「可動式の浮き桟橋で不法占用に当たらず撤去の必要なし」とする市が真っ向から対立している。県が指摘する不法占有はこの橋にとどまらず、県が計画した水位調整堰(せき)や水郷巡りの和船の係留地、農漁業の船の扱いにも言及しており、ホットな争いになっている。八幡堀から西の湖一帯は国の重要文化的景観の第1号に選定された地域。景観論争も絡むこの問題の争点と背景を検証した。【斎藤和夫】
◇風情ある眺め
 県が撤去を求めている橋は、95年8月、同市が市立かわらミュージアム開館前に利用者の便宜を図るため和船2隻の上に板を渡して設けた幅約2メートル、長さ約7メートルの木橋。10年余りの間、県から違法という指摘もなく、国や県の関係者らが景観の視察に来ると、「この橋からの眺めが最も風情がある」と利用してきた。昨年、秋篠宮さまの視察の際にも、この橋の上で市長が説明し、同行した県の幹部も半ば“公認”状態だった。
 なぜ今ごろ、問題が起きたのか。今年7月、県の「プレジャーボートの係留保管の適正化に関する条例」の施行にあたり、県に建設許可の届け出がないこの橋を見つけたのが発端。不法占有を取り締まる立場の市が、違法行為をしているのは遺憾だという。併せて八幡堀の中川橋下の水位調整堰や観光ボート、農漁業用の和船、観光和船の扱いも問題だと指摘した。
◇県も“適法”確認
 市はいったん撤去の方針を決めた。ところが、資料を調査したところ、当時の県八日市土木事務所と事前協議をし、橋を「河川占用とはみなさない」ことで一致していた文書(95年4月19日付)が見つかり、撤去の方針を撤回、保存に転じた。
 県は届け出だけでなく「橋は洪水時などにおける安全性にも問題がある」と、あくまで違法性を主張。市は「もともと水位などなく、上流でポンプアップして水を確保しているのに笑止千万。歴史的にも過去100年、洪水の危機に見舞われたことなどない」と反発する。テレビなどで全国的な話題にもなり、市の広報12月号では特集を組んで存続を表明した。
 八幡堀の下流、中川橋下の水位調整堰については「県が94年に策定した清流ルネッサンス21で県が事業主体となり堰を設けることになっていた。ところが堰は設けられず、市が98年と02年にかけ仮設した。もとを正せば県の怠慢ではないか」と指摘。和船の扱いについても「違法性は承知しているが、無策で放置してきたのではない。60隻余りの停泊所を設ける計画もあったのが、うやむやになっているだけ」と反発する。
 これに対し県河港課では、橋については「市が主張するように可動式の浮き桟橋であるかどうかは構造を詳しく調査する必要があるが、手続き的には許可なく設置しているもので現段階では違法というしかない。今後、市と協議を進めたい」とあくまで違法性を主張。堰については事業計画そのものが頓挫しているため、次第に声を上げなくなっている。
◇国も「問題ない」
 一時、ドブ川となっていた八幡堀を当時、青年会議所のリーダーとして復活に奔走、市長となってからは景観行政に取り組んできた川端五兵衛・前市長は怒り心頭に。任期満了直前に上京し、国土交通省河川局長と面会。橋に関しては「八幡堀(川)は1級河川で知事権限だが、可動式の浮き桟橋で安全性が確保されていれば問題はないはず」との見解を得て、存続を決意。堰の扱いについては「外せというならいつでも撤去する。だが外したら八幡堀は水がなくなり、重要文化的景観は返上しなければならない」と意地を見せた。
 プレジャーボート適正化条例が引き金となり、河川法違反の指摘が始まったが、不思議なことに八幡堀の大半は条例の規制対象外。“ひょうたんから駒”かも知れぬが、これまでの経過を無視して和船なども撤去を求める県の姿勢は、第三者として解せない。県と真っ向から対決姿勢を見せた川端氏は12日、任期満了で市長を退任した。後始末は行政経験豊かな冨士谷英正新市長に引き継がれるが、市民、観光客らも納得の行く街づくりを踏まえた決着を期待したい。

■「世話します」カミツキガメ引き取られる…愛媛 伯方・松山南署 06/12/16 Yomiuri On Line関西発
国許可得た今治の男性
 愛媛県今治市と松山市で6〜9月に相次いで捕獲され、伯方署と松山南署で保護されてきた特定外来生物のカミツキガメ計3匹が16日、環境省の許可を受けた今治市内の会社員男性(40)に引き取られることになった。処分の可能性もあっただけに、世話を続けてきた両署員らは、引き取り先の決定に胸をなで下ろしている。個人に対するカミツキガメの飼育許可は全国初という。
 カミツキガメは北米原産で肉食。気性が荒く、発達したアゴは人間の指をかみ切る力があるとされる。今治市・伯方島で6月16日と7月26日にいずれも体長55センチ、松山市南高井町で9月8日に体長30センチの計3匹が捕獲された。
 伯方署では、渡部成二副署長、村上豊会計課長ら3人が、昼は屋外や庁舎の日陰、夜はボイラー室に移して世話を続けた。最初は与えたエビを食べずに困ったが、鶏肉やちくわなどを好むことが分かるなど試行錯誤を繰り返した。
 世話をする一方で飼い主探しが続けられ、すでに3匹を飼育中で、昨年6月の特定外来生物被害防止法施行を受け、環境省に飼育許可を申請していた愛好家の男性と伯方署員が知り合った。男性が飼育を申し出てくれ、今月6日に国の許可が下り、正式に引き取りが決まった。
 伯方署のカミツキガメは署員になつくこともなく、人前でえさを食べないなど、どう猛なまま。しかし、渡部副署長は、世話をするうちに愛着が生まれたといい、「きちんとした人が飼育してくれること

■関・寺前池で排水口の網外される 外来魚駆除作業の住民ら落胆 06/12/18 Chunichi Web Press岐阜
【中濃】 地元住民らがブラックバスなど外来種の魚の駆除に取り組む関市大杉の農業用ため池「寺前池」で、駆除作業をしようとした16日朝、魚が逃げないように排水口に設置してあった網が外されているのが見つかった。悪質な嫌がらせとみられ、地元住民らは「自分の趣味だけを優先し、生態系を無視した自分勝手な行動」と憤った。
 同池にはかつてメダカやカワムツなどが豊富にいたが、10年ほど前から釣りの愛好家がブラックバスなどを放流。在来種の魚はほぼ絶滅状態となっている。
 池の改修工事に併せ、関市と地元自治会は、長良川支流の津保川への外来魚の流出を防ごうと駆除を計画。排水口に、高さ60センチ、幅1メートルの網を設置して池の水を抜くなど、1週間前から準備を進めてきた。
 これまでほかのため池でも同様の方法で外来魚を駆除したことはあったが、網を外されたのは初めて。池の水とともに川に流れ込んだ魚は数万匹に上るとみられる。
 16日は、地元住民や市民グループ「岐阜・美濃生態系研究会」、岐阜大の学生ら約30人が池のほか周辺の農業用水や下流の川にも範囲を広げて駆除作業に追われた。30センチ以上のブラックバス227匹や、ブルーギル7万7000匹などを捕まえたが、このうち池の外で捕まえたのはブルーギルを中心に1万匹程度にとどまった。
 地元自治会の粟倉元臣・副会長(60)は「地元が一生懸命、元の生態系を取り戻そうと努力している中で心ない行動」と肩を落とした。
 ブラックバスとブルーギルは、昨年6月に施行された外来種被害防止法で、日本固有の生態系に被害を与える「特定外来生物」に指定され、輸入や飼育、運搬などが禁止されている。(太田朗子)

■赤潮:琵琶湖の富栄養化、発生に関与か ケイ素奪い、瀬戸内海に影響 06/12/18 Mainichi Interactive滋賀
◇有害な渦べん毛藻増え生態系変える
◇原島・国立環境研室長ら、仮説裏付けへ検証−−琵琶湖・淀川・瀬戸内海で
 70年代をピークとしていた瀬戸内海の赤潮発生に、当時の琵琶湖の富栄養化も関与していた可能性が、国立環境研究所(茨城県つくば市)の原島省・海洋環境研究室長らの研究で浮かび上がった。海の生態系で重要な役割を果たすケイ素が、琵琶湖の淡水性けい藻に相当量吸収されるため、河川を通って大阪湾に流入するケイ素の量が減少。その結果、瀬戸内海でけい藻の代わりに有害な渦べん毛藻類による赤潮が発生しやすくなったとみられる。【服部正法】
 ケイ素は自然風化により、陸から河川を通って海に流入。一定量のケイ素、リン、窒素を必要とするけい藻には欠かせない物質になっている。ダム建設などで流れが滞る水域が出来たり、窒素やリンが増える富栄養化が進むと、淡水性のけい藻が増加して、溶存態ケイ素を吸収して沈んで堆積(たいせき)。海に到達するケイ素が減ることで、海ではけい藻とは別の藻類が増え、生態系が変わるという「シリカ(ケイ酸)欠損仮説」が近年世界的に注目されている。原島室長らは琵琶湖−淀川−瀬戸内海のエリアで、仮説が裏付けられるか検証した。
 その結果、琵琶湖に流入する河川では1リットルにつき200マイクロモル程度だったケイ素は流出時には約40マイクロモルにまで減少することが判明。けい藻に吸収されて流入ケイ素の8割程度が湖内で蓄積されることが推測された。淀川から海に流れ込むケイ素は大阪湾でけい藻の増殖に使われ、さらにケイ素の濃度が低くなった播磨灘などの瀬戸内海では、窒素やリンを必要とするがケイ素は要らない渦べん毛藻類が増殖することが考えられるとした。瀬戸内海では70年代には年間300回近く赤潮が発生し、養殖漁業などへの甚大な被害が問題化した。90年代以降は年間100回程度の発生。
 原島室長らの研究はスウェーデン王立科学アカデミーの環境科学専門誌に掲載。ダム増加と富栄養化が結びつき、海洋生態系に影響を与える可能性についてのアジアからの例示として注目されているという。

■オオクチバスの人工産卵床、一定効果 大津 外来魚駆除で検討会 06/12/18 京都新聞電子版
 琵琶湖の外来魚の効果的な駆除方法の開発に向けた環境省の「琵琶湖オオクチバス等防除モデル事業検討会」が18日、大津市内であり、近畿地方環境事務所(大阪市)が湖北町の野田沼で実施した外来魚の調査結果について報告した。
 産卵状況調査では、今年5月から8月にかけて、産卵を誘発させて駆除するため約80カ所に人工産卵床を設置した。その結果、オオクチバスが6月中旬に2個、ブルーギルが7月中旬と8月初旬に5個の産卵床をつくったことが確認できた。
 一方、自然の産卵床は、ブルーギルが6月初旬と7月初旬につくった計41個が見つかった。オオクチバスの産卵床は確認できなかった。
 県立琵琶湖博物館の中井克樹主任学芸員は「自然に湖底に産卵しなかったオオクチバスの産卵を誘発させ、駆除できた点では、人工産卵床の一定の効果を示したのではないか」と話していた。

■外来魚:駆除へ検討会、漁獲調査など中間報告−−大津 06/12/19 Mainichi Interactive滋賀
 外来魚駆除の現状について話し合い、将来的な駆除マニュアル作成を目標にする「琵琶湖オオクチバス等防除モデル事業調査検討会」の第2回会合が18日、大津市松本1の県農業教育情報センターで開かれた。
 事務局である環境省近畿地方環境事務所が、4月の第1回会合以降に進められた漁獲統計調査や地元漁師へのヒアリングなどの成果を中間報告。▽昨年の外来魚駆除量の8割以上が琵琶湖南湖だった▽外来魚の漁獲は湖南では初夏に、湖北では秋〜冬に偏る▽内湖の野田沼ではブラックバスの成魚は確認されているが、仔(し)稚魚が少なくほとんど繁殖していない状態−−などが明らかになった。
 参加した委員からは「湖北の漁師は獲物が豊富にあり、外来魚を捕まえるのは冬場が中心だということを考慮すべきだ」「仔稚魚を見逃している可能性がある。夜間にも調査を行うべきだ」など、次々に意見が寄せられた。
 また、水温の下がる冬場に魚が群れとなる「い集」については、▽比較的深い場所にブルーギルが、浅い場所にブラックバスが集まりやすい▽ブラックバスはワカサギを追って水深20メートルの地点に多くいた−−などの聞き取り結果が発表された。い集場所では効率的な駆除が期待できるだけに、「水温や地形など、い集場所の傾向を可能な限り集められないか」など、今後の調査への提案もあった。【高橋隆輔】

■イサザ急増、北湖で4倍に 琵琶湖・環境科研センター調査 06/12/19 京都新聞電子版
 琵琶湖の湖底に生息する固有種の淡水魚イサザ(ハゼ科)が急増していることが、今夏に滋賀県琵琶湖・環境科学研究センター(大津市)が実施した調査で分かった。昨年12月の調査の約4倍に当たる個体数が北湖の湖底で確認された。センターは春先の水温低下による好影響の可能性があるとみている。
 イサザは体長約7、8センチ。春に湖岸の岩場で産卵し、表層部の水温が上がる夏ごろから深い場所に移って生息する。
 センターが8月23日から4日間、水深約60−100メートルの湖底4カ所で、自律型潜水ロボット「淡探(たんたん)」を使って30秒間隔で撮影したところ、1平方メートル当たり4・5匹のイサザを確認した。
 2002年度から年に3回撮影しているが、過去4年間はイサザが湖底に定着する8−12月の調査で、1平方メートル当たり1−1・5匹しか確認されていなかった。
 センターによると、イサザの漁獲量は年変動が大きく、冬の水温が低い年に漁獲量が増加する傾向にある。今年1−4月の水深95メートル付近の水温は6−7度で、例年より1度近く低かった。同センターの熊谷道夫琵琶湖研究部門長は「冬の水温低下は湖底の酸素濃度の回復にも効く。生物の生息環境に好影響を与えたとみられる」と話している。

■生息・生育環境の保全や再生 滋賀 野生動植物との共生へ計画案 06/12/19 京都新聞電子版
 滋賀県は19日、今年3月に制定した「ふるさと滋賀の野生動植物との共生に関する条例」に基づく初の基本計画案をまとめ、専門家らでつくる委員会に示した。本年度から2010年度までの5年間の計画で、野生動植物の保全に向けた施策の方針を打ち出している。
 計画案では、野生生物の生息・生育環境の保全や再生▽希少種の保護▽外来種による生態系被害の抑制▽野生鳥獣による農林水産業被害の防止−の4本柱を掲げた。
 野生生物の生息・生育にとって重要な地域は、積極的に保護区に指定するほか、琵琶湖岸や魚類の産卵場として必要な田園などの環境保全も盛り込んだ。
 また、指定希少種や指定外来種を県独自で選定し、希少種の捕獲や採取を禁じ、地域特有の生態系に影響を与える外来種の飼育にも制限を設ける。ニホンザルやカワウなどの指定有害鳥獣については、各管理計画に基づいて対策を進める。
 県は今後、県民の意見を求めた上で本年度内に計画を決定する。

■琵琶湖など水質汚濁解明へ 07年度予算原案 06/12/20 京都新聞電子版
 環境省は2007年度から、琵琶湖などの水質汚濁のメカニズムの解明調査に乗り出す。国内の主要な湖沼を対象に効果的な保全対策へと結びつけるのが狙い。20日内示の07年度予算財務省原案に事業費5000万円が盛り込まれた。
 同省や滋賀県によると、琵琶湖など国内の主要な湖では水草の異常繁茂や外来魚の増加、湖底の泥質化で生態系や漁業への影響が出ている。下水道整備によって流入する水は浄化されてきたが、水質の汚濁度を示す指標のCOD(化学的酸素要求量)は増加傾向にあり、改善には至っていない。中央環境審議会は答申で総合的な汚濁メカニズムの解明の必要性を指摘していた。
 調査は今後、琵琶湖のほか霞ケ浦(茨城県)や諏訪湖(長野県)など湖沼法に指定されている国内10の湖から複数を選び、4年間かけて進める。各県の研究機関が取り組んできた湖の研究成果も活用しながら、水質汚濁や生態系のメカニズムを学術的に調査し、新たな保全策を探る。
 県琵琶湖環境政策室は「湖で何が起こっているのか解明できれば、保全に向けた突破口になる」と期待している。

■交通渋滞予想:2、3日に名神で最大30キロ−−年末年始・県警発表 06/12/20 Mainichi Interactive滋賀
 ◇凍結・積雪、スリップ事故にも注意
 県警交通規制課は、年末年始の渋滞予想を発表した。1月2、3日に名神高速道路で最大30キロの渋滞が続くなど、初詣でに訪れる車両の大規模な混雑が見込まれる。
 例年、凍結・積雪道路でのスリップ事故が多発する。同課は特に、目に見えない凍結(ブラックアイスバーン)への注意を呼びかけ、「気温の低い日は速度を緩め、前方をしっかり見て運転してほしい」と話している。
 天候や事故の発生によって交通状況は変わるので、出発の際は「日本道路交通情報センター・大津センター」(077・522・1141)やラジオ放送などで最新の情報の確認を。【蒔田備憲】

■事件・事故:元彦根市漁連会長らを恐喝罪で起訴 06/12/20 Mainichi Interactive滋賀
 彦根市漁連の元会長らによる恐喝事件で、大津地検は19日、▽奈良市南紀寺町3、元同漁連会長、藤野清(69)▽彦根市地蔵町、建設業で同漁連環境保全委員会事務局長、村長人之(46)の両被告=職務強要罪などで起訴=と、▽同市里根町、建設業で同漁連環境保全委員長、村長栄六(77)▽大津市一里山1、無職、村上一男(50)の両容疑者を恐喝罪で起訴した。起訴状などによると、4被告は04年10月初旬、東近江市内に産業廃棄物処理場を持つ同市内の建材業経営の男性(当時63歳)を「産廃が原因でアユの背中が曲がってきとる」「魚が取れなくなったのはお前らの責任や」などと言って、現金1500万円を脅し取った。になり、本当に良かった」と喜んでいる。

■目に傷のコハクチョウが飛来 四日市へ8カ月ぶりに戻る 06/12/20 Chunichi Web Press三重
【北勢】四日市市水沢町の水沢小学校近くの地神池にコハクチョウが飛来し、カモなどと一緒に羽を休めている。片方の目に傷がある特徴などから、ことし1月から4月まで同池で越冬したコハクチョウとみられ、近所の人たちは「帰ってきてくれた」と大歓迎だ。
 コハクチョウが池で最初に目撃されたのは14日朝。悠々と泳いでいるところを近所の人が見つけた。朝夕は池にいて、日中はどこかに出かけていく。池では水に潜って餌を探したり、首を体の上に乗せて休んだりする愛らしいしぐさが見られる。
 石川県加賀市の同市鴨池観察館によると、コハクチョウは9月ごろに北極圏からやって来て、北海道や東北、北陸地方で冬を越す。県内でもまれに見られるが、単独で飛来するのは珍しいという。
 珍客を歓迎する一方で、心配する声も多い。池は釣りが禁止されているが、釣りに来て釣り糸やごみを捨てていく人が後を絶たない。毎日様子を見に来ている近所の中島千鶴さん(29)は「くちばしから釣り糸のようなものが垂れていたことがあった。後で見た時にはなくなっていたが、飲み込んでいなければいいけど」と不安顔。昨冬は釣り客のボートのエンジン音や見物人の投石に驚いて、コハクチョウが逃げていったこともあったという。
 水沢地区市民センターの田中武満地域マネージャーは「無事に春までいてほしい。安全な居場所になるよう、地域で何か取り組んでいけたら」と話している。(蜘手美鶴)

■4ダム「満額回答」/財務省原案 06/12/21 asahi.com滋賀
【琵琶湖保全で新規も】
 国の07年度予算の財務省原案が20日、各省庁に内示された。県内のダム関連では、4ダム建設事業が、すべて要求額通りの「満額回答」だった。琵琶湖の総合保全にかかわる分野では、国定公園などの環境保全や再生といった自然環境整備の交付金事業が一部減額されたものの、14億3700万円が盛り込まれた。
 ダム建設事業では、大戸川ダム(大津市)に4億9400万円。今年度事業費は、本体着工前の工事用道路の建設などに30億円が計上されていたが、来年度は完成後の維持管理費に充てられる。丹生ダム(余呉町)は今年度と同額の6億6千万円。工事用道路の補修管理費などが計上された。
 国の補助を受ける北川ダム(高島市)も要求通りの9億2千万円で、今年度事業費より300万円増。来年度も引き続き付け替えの県道工事がある。芹谷ダム(彦根市)は2千万円増額の4億円で要求通り。用地補償の調査費などが見込まれている。
 一方、農業農村整備では、農林水産省の永源寺第2ダムに関連する国営かんがい排水事業の新愛知川地区が、裁判係争中を理由に予算要求がなく、ゼロ回答だった。
 琵琶湖の保全関連では、環境省の新規事業として、代表的な湖沼の水質改善をはかる調査事業に5千万円が計上された。

■07年度予算:財務省原案 汚濁メカニズム解明へ、調査予算5000万円計上 06/12/21 Mainichi Interactive滋賀
◇琵琶湖など湖沼の水質保全目的−−県が政策提案
 20日に内示された07年度一般会計予算の財務省原案で、琵琶湖をはじめとした湖沼の水質保全のために県が政策提案していた、汚濁メカニズム解明の調査予算5000万円が計上された。【高橋隆輔、服部正法】
 中央環境審議会の答申に基づいた環境省の調査。国内の主要な湖沼の水質改善対策の質を向上させるための調査「琵琶湖等湖沼水質保全対策高度化推進調査」を行い、汚濁メカニズムの総合的な解明を目指す。
 嘉田由紀子知事が「凍結・見直し」を表明しているダムでは、国などの大戸川、丹生の両ダム、県営の北川、芹谷両ダムに、本体とは別の周辺の付け替え道路の維持管理や工事などの予算が付いている。嘉田知事の方針との整合性について県河川開発課は「まだ(県や国の)方針が固まっていない。(計画の)検討と事業を並行していく」としている。

■2008年3月に開通 第二名神の大津−三重・亀山間 06/12/21 京都新聞電子版
 西日本高速道路と中日本高速道路は20日、第二名神高速道路の大津(大津市)−亀山(三重県亀山市)間について、予定より1年早い2008年3月開通を目指す、と発表した。用地取得や工事が順調に進んでいるためで、開通すると大津から愛知県豊田市までが名神高速道路を使う場合に比べて23分短縮できる。
 西日本の石田孝会長と中日本の矢野弘典会長がそれぞれ定例会見で明らかにした。石田会長は「用地取得が終わって大きな障害はなくなった」と述べ、「開通後の交通状況が抜本的見直し区間(大津−城陽、八幡−高槻)の必要性を検討する材料になる。1年早まることで周囲の状況も変わる」との見通しを示した。
 大津−亀山間は総延長42キロ。中間の甲賀土山インターチェンジから西側は西日本高速、東側は中日本高速が建設を担当する。名神高速道路に合流する大津−草津田上(2・4キロ)と東名阪自動車道に接続する亀山−亀山東(5・3キロ)の両連絡道も同時に完成させる。

■新アンケートで釣り人の声集約 06/12/21 Sponichi Annexフィッシングニュース
【釣界のキーマンに聞く】2代目の水産庁・釣人専門官に就任して半年余の城崎和義さん(42)。山積する仕事の中でまず「釣り人の行政に対する声を聞く」アンケート調査を手がけた。考えを自由にという方式をとった。国や県では初めての試みだ。891人から回答があった。「これまで見えにくかった方向性が見えてきた感じ。釣り人が期待している施策に役立てたい」と城崎さんは意気込む。(スポニチAPC 太田宗家)
 少年時代に多摩川でフナやヤマベと遊び、大学時代にフライを始め、今もシーバスなどを楽しでいる釣り好き。それで水産庁を選んだ。それだけに「漁業優先の水産行政の中で遊漁の立場は弱い。少しでも行政の光を」という釣り人の願いを人1倍感じている。
 遊漁施策を立てるために釣り人の声を聞く、調査は、これまで水産庁や都道府県で数多く行われてきた。ほとんどが、事前に決めた設問に○×で回答を求める方式。方向を見定めるには、もうひとつ十分でなかった。このため今回は、行政に対する不満、期待、その他の意見にしぼり、考えていることを自由に書いてもらいたい、という自由形式にした。
 調査は7月28日から9月15日まで、水産庁のHPや新聞、雑誌などで募集した。891人から回答が寄せられた。東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、福岡など都市圏が多く男97%、女3%。年齢別では30〜40代が69%で60〜70代が4%あった。釣り場は内水面29%、海17%海川両方が53%。釣日数は20〜40日が38%、40〜60日が23%だった。結果は水産庁のHP「遊魚の部屋」でみることが出来る。
 遊漁行政についての不満はブラックバスの取り扱い、釣り場不足、水産当局の関心が薄い、内水面の釣り場管理、漁業関係法の周知不足など。
 期待面では、釣り場環境の改善、遊漁者の立場に立った漁業との調整促進、ライセンス制と秩序ある釣りの実現、釣りに対する制約を最小限に、遊漁施策の財源確保、釣りによる地域振興―などが多かった。
 「891人の意見が1500万人とも言われる釣り人全体の意識を代弁しているとは言えないが、ある程度の傾向を知ることにはなると思う。内容はいずれも真剣みが溢れていた。なかには素晴らしい達筆で書き綴ったのもあった。これまでの調査とは、ひと味違い、見えにくかったのが見えてきた感じ。分析を進めて今後の施策に役立てたいと思います」。
▼城崎 和義(じょうさき・かずよし)東京・国分寺市生まれの42歳。近畿大水産学科卒、1年間、大学に残ったあと水産庁入り。研究調整、漁業取締り、漁業金融などを経て3年間アルゼンチン大使館勤務、今年5月に現職。習志野市に妻と2人暮らし。

■ワカサギ釣り盛況 愛知・犬山の入鹿池 06/12/23 Chunichi Web Press
 ワカサギ釣りの名所、愛知県犬山市の入鹿池は23日、冬晴れの下、300隻以上のボートが繰り出してにぎわった。
 早朝からダウンジャケットや救命胴衣を身に着けた釣り人が糸を垂らした。30匹ほどを釣るのが大半だが、半日かけて約150匹も釣り上げたという人も。
 今年のワカサギは暖かい気候が続いたこともあって、例年よりやや小さめの体長5センチほどが中心。池に面した貸しボート店を営む奥村一男さん(77)は「まだまだ食い付きが悪い。もっと冷え込んでくれれば」と期待していた。シーズンは来年3月中ごろまで。

■ゆるやかなヨシ帯、在来魚のゆりかごに 近江八幡・西の湖一帯で 06/12/23 京都新聞電子版
 琵琶湖で最も在来魚の種数が多い滋賀県近江八幡市の西の湖一帯で、コイやフナなどの在来魚の繁殖場所が、傾斜がゆるやかなヨシ帯のある周辺の湿地や河川に集中していることが、滋賀県琵琶湖・環境科学研究センター(大津市)などの調査で22日までに分かった。ヨシ帯の傾斜が急な西の湖湖岸では、オオクチバスの繁殖が目立ち、同センターは「在来魚の繁殖環境に地形が影響している可能性が高い」と見ている。
 今年5月、西の湖湖岸と西の湖に接している周辺の湿地や河川の水際で、調査員が2人一組で15分ずつ網を使って稚魚の捕獲調査をした。
 その結果、周辺の湿地や河川27地点で捕獲した444匹の稚魚のうち413匹(93%)が在来魚だった。一方、西の湖の湖岸27地点で捕獲した1372匹の稚魚のうち1323匹(96%)がオオクチバスで、生息分布が大きく分かれた。
 同センターによると、周辺の湿地や河川の5割近くが陸域からなだらかに続くヨシ帯だった。これに対し西の湖の湖岸は、陸域との連続性の少ない切り立ったヨシ帯が6割を占め、地形の違いが明らかになった。
 同センターの西野麻知子総括研究員は「切り立ったヨシ帯は稚魚の逃げ場所がなく、在来魚が産卵しにくい状態にあるのではないか。ゆるやかな傾斜地の多い周辺の湿地や河川が、西の湖の魚種の多様性を支えていると考えられる」としている。

■湿地との共生探る 蕪栗沼ラムサール登録1年 06/12/24 河北新報社Kolnet
 宮城県大崎市田尻の「蕪栗沼・周辺水田」がラムサール条約の登録湿地になって1年が経過したのを機に、県大崎地方振興事務所などは22日、登録湿地にかかわる活動の現状を知るため、田尻の沼部公民館で「ラムサール登録湿地セミナー」を開いた。県内外から活動に携わる団体を招き、情報交換をする初の試みだ。
 蕪栗沼を中心に環境保全や農業振興に取り組むNPOや行政機関のほか、いずれもラムサール登録湿地の「伊豆沼・内沼」(栗原、登米市)と北海道美唄市の「宮島沼」で活動する団体など、計約20団体から40人が出席。取り組みの現状や課題について発表し、意見交換した。
 2002年に登録湿地となった宮島沼の取り組みについて、美唄市市民部環境課の宮島沼の会事務局、牛山克巳さん(31)は「行政関係者の活動計画に対する理解度が不足したため、積極的なリーダーシップが取れなかった」「市民団体の参加が予想以上に少なかった」などの課題を挙げた。
 財団法人県伊豆沼・内沼環境保全財団の嶋田哲郎研究員(37)は、人工産卵床を使ったブラックバス駆除やマコモの植栽による水質浄化の取り組みを発表。蕪栗沼について、市田尻支所産業振興課の西沢誠弘課長が冬期湛水(たんすい)田農法の取り組みを紹介した。
 セミナーは、ラムサール登録湿地の環境保全と有効利用などについてNPOなどの民間と行政が情報を共有し、問題解決策や事業展開の参考にするのが狙い。振興事務所は「情報や意見の交換で官民が連携し、蕪栗沼を地域の宝として有効活用する機運を高めたい」と話している。

■琵琶湖の魚や鳥をフィギュアに 彦根の会社、商品化し魅力PR 06/12/26 Chunichi Web Press滋賀
【湖東】彦根市小泉町に本社がある会社「キントー」が、琵琶湖にすむ魚や鳥をモチーフにしたフィギュアを販売している。環境や生態系を守り、滋賀や琵琶湖の魅力を全国にPRしたいとの願いが込められている。
 キントーは、食器やインテリア商品の企画開発、輸入販売などを手がける会社。販売は関東方面が中心で、地元では販売先が少なかった。地域を元気づけ、貢献できる方法はないかと考え、フィギュアの商品化を考案。今年夏から販売している。
 「ビワコ・コレクション」と名付けたフィギュアは、琵琶湖にすむ魚や鳥をモチーフに、ひれや羽などを緻密(ちみつ)に表現。色は1つずつ手塗りで仕上げた。開発にかかわった北村武志さんは「昔は川にアユが泳ぎ、湖岸でイサザが釣れた。今の子どもは本物に触れる機会が少ない。フィギュアを通して琵琶湖の生き物について知ってほしい」と話している。
 フィギュアはビワコオオナマズやカイツブリなど10種類。大きさは10−15センチ。球体のガラス入りの「ウオーターグローブ」も9種類ある。値段は840−1500円程度。売り上げの一部は環境保護団体に寄付する。同市内の商店街四番町スクエアや草津市の琵琶湖博物館など県内各地で販売している。(細川暁子)

■琵琶湖市町境界設定検討会議:交付税増収1億2200万円? 市町面積拡大で 06/12/26 Mainichi Interactive滋賀
◇琵琶湖市町境界設定素案、大津で検討会議
 琵琶湖に市町の境界線を引くために県や沿岸14市町が協議する「琵琶湖市町境界設定検討会議」の第3回会議が25日、大津市内であり、前回会議で示された境界素案に基づいた各市町の面積と、今年度の算定ベースでの地方交付税増加額が例示された。
 琵琶湖は県の面積には算定されているが、市町面積には組み込まれていない。県は境界画定で市町の面積が増えることで交付税の増収と増収分の一部の琵琶湖保全への充当を狙い、今春検討会議を設置。9月の第2回会議では具体的に境界線を引いた素案を提示した。
 素案を基にすると、計670平方キロの市町面積が拡大し交付税増収は今年度算定ベースで計1億2200万円。最も増収が多いのは高島市で3400万円となる。しかし来年度以降は新たに導入される新型交付税に伴い増収額は変わってくるといい、参考程度の資料だ。また、この日は琵琶湖保全のために実施されている事業一覧も提示された。【服部正法】

■身近なエイリアン オオクチバス 06/12/26 Chunichi Web Press東京新聞
鈴木 欣司
 サンフィッシュ科に属するブラックバスの一種オオクチバス(以下バス)は、北米原産。日本には八十年も前にゲームフィッシュとしてアメリカから移入され、箱根の芦ノ湖に放された。強い魚食性のため在来の川魚を捕食するので、当時から歓迎される魚ではなかった。
 一九六〇年代から始まった釣りブーム。七〇年代以降は疑似餌を使ったルアーフィッシングが人気となった。愛好者らによってバスは各地の湖沼や川に放され、急速に分布を広めた。現在では四十七都道府県すべてで生息が確認されている。
 ラムサール条約登録湿地の伊豆沼・内沼(宮城県)。ここでは減少の著しいゼニタナゴなど在来魚を守ろうと、早くからバス根絶を目指し地元の人々が立ち上がった。環境省は二〇〇五年七月、バス駆除のモデル事業に着手。伊豆沼・内沼は全国六カ所の候補地の一つに選定され、駆除に弾みがついた。
 伊豆沼・内沼の水深は浅く、抽水植物なども豊富で、夏の水面はピンクのハスの花で覆われる。バスは沿岸帯の水草やくい、いかだなどがあるところに集まり、底に浅い穴を掘り、落ち葉や水草をためて産卵する。
 バスの産卵期は五−七月で、オスはメスが産卵するやいなや、卵を自分の保護のもとに置こうとメスを追い払う。こうしてオスは保護習性を発揮し、卵やふ化した子魚の護衛の役を引き受ける。そこで沼に漁網を仕掛けた人工産卵床を沈めておき、バスの粘着卵や子魚を集め、近くにいる親もろとも捕まえるのだ。
 今もバスはルアー釣りの魚として人気が高い。富士箱根周辺では、河口湖、山中湖、西湖、芦ノ湖の四湖は知事が観光目的で認めている。バスが特定外来生物に指定されても釣りをすることはできる。禁止されるのは、釣り上げたバスを持ち帰って飼育することや、別の場所に放すことなど。釣り上げたバスが元気なうち水に戻す「キャッチ・アンド・リリース」は一向に構わない。釣ったバスを野締め(殺す)したうえで、持ち帰って食べることも問題ない。
 ただ都道府県によっては、条例により外来魚などのキャッチ・アンド・リリースを禁止しているので注意したい。琵琶湖では、アユ、ニゴロブナ、モロコが激減したため、滋賀県は〇二年にリリース(再放流)を禁止した条例を制定した。
 バス釣り大会で有名な河口湖で、ルアー釣りの好青年に釣り上げたバスの写真を撮らせてもらった。向けたレンズの中に写る湖面には、黒いカワウの姿が。湖の鵜(う)の島にはアオサギのねぐらも。結氷しない湖のバスを狙って大集合した水鳥たちだ。=おわり

■名神のピーク、2〜3日 年末年始の交通渋滞予想 06/12/27 Chunichi Web Press滋賀
【広域】県警は、年末年始の主要幹線道路の交通渋滞予想をまとめた。名神高速道路のピークは2−3日となっており、交通規制課は「渋滞の最後尾では追突事故が起こりやすい。時間に余裕を持ち、前をよく見て運転して」と注意を呼び掛けている。
 29日から長期休暇に入る事業所が多いことから、同日と30日は帰省で、三が日は初詣でや古里からのUターンで、渋滞するとみられる。
 特に3日は、名神高速上り線の蒲生バスストップ−彦根トンネル間で30キロ、下り線養老サービスエリア−米原トンネル間で20キロの渋滞が予想されている。
 降雪などによる交通事情の変化にも注意が必要。詳しくは日本道路交通情報センター(大津センター)=電077(522)1141、電(0570)011011=へ。(藤川大樹)

■外来種活用の各地、規制に悲鳴 受粉のハチやカニ養殖… 06/12/27 asahi.com
 日本固有の生態系を守るため外来動植物の飼育や栽培を規制する外来生物法に、外来種を活用している各地の人々が悲鳴を上げている。野菜栽培に活躍するハチの使用や過疎地でのカニ養殖などへも規制がかかったためだ。
 「費用を考えると使用禁止と同じ。ホルモン剤に戻ったら食の安全に逆行する」。日本一のトマト産地、熊本県八代市。1ヘクタール余りの温室でトマトを栽培する宮原和洋さん(51)は顔を曇らせる。
 地域ぐるみでトマトの自然受粉に使っている欧州原産のセイヨウオオマルハナバチが今年9月から規制対象となり、「逃がさないように」飼うことが義務づけられた。来年3月以降は温室などの開口部すべてに網を張らなければならない。
 農林水産省によると全国のトマトの栽培面積の約4割のほか、ナス、イチゴなどでもセイヨウオオマルハナバチが受粉に使われている。八代市のトマト農家は10年余り前に導入し9割以上が使っている。
 以前の植物ホルモン剤での疑似受粉に比べ、セイヨウオオマルハナバチによる自然受粉は薬剤を使わない点だけでなく、ハチを生かすためおのずと農薬の使用量も減った。
 だが、外に逃げると植物にも悪影響を与えるとされる。北海道では野生化し、在来種のハチを駆逐している。
 新規制で温室の天井にまで網を張ると、宮原さんの場合は250万〜500万円かかるうえ、夏は室温が50度を超え栽培できない。天井を高く建て替えると2億円近くになる。
 「安全、安心を考えてハチを選んだ。在来種のハチは働きが悪いし、ホルモン剤に戻れば消費者を裏切ることになる」と宮原さんは心配する。
 「なぜ、過疎地で生き抜こうとがんばる私たちをいじめるのか」
 山形県山辺町作谷沢地区で、中華料理で人気のチュウゴクモクズガニ(上海ガニ)を養殖する日詰勉さん(65)は嘆く。上海ガニは2月から特定外来種に指定。生きたまま料理するのが人気の調理法だが、個人には生きたまま出荷できなくなった。
 作谷沢地区の住民は688人と20年前からほぼ半減し、高齢化で小中学生は30人だけの過疎の村。農業の後継者不足で休耕田が増える一方だ。
 日詰さんは02年から、高齢者でも無理なく収入が得られないかと養殖に乗り出した。休耕田を養殖池にしエサをやるだけで7カ月で成長する。借金も含めて1000万円を投資し休耕田を開拓した。規制を受けたのはインターネット販売などで軌道に乗り始めた矢先だ。
 廃業の危機に環境省に直談判した結果、既に生業としている場合に限りカニが逃げ出さないさくを作るなどの条件で許可された。だが養殖池は増やせない。「これでは村全体に広げられない。村おこしは遠のいた」と日詰さんは肩を落とす。
 上海ガニ養殖は数年前から東北地方など約20カ所で始まったが、規制でやめる所も出ている。
 6年前に養殖を始めた静岡県御殿場市の業者は規制に合う設備投資ができず、養殖をやめた。池の埋め立てに約100万円かかり赤字となった。
    ◇
〈キーワード・外来生物法〉日本の在来の生態系や農林水産業へ被害を及ぼす恐れがある海外起源の生物を特定外来生物に指定し、輸入や飼育、栽培などを原則的に禁じている。これまでにオオクチバス(ブラックバス)、アライグマ、オオキンケイギクなど83種を指定。違反には最高で3年以下の懲役などの罰則もある。

■余呉湖の「ワカサギ釣り」 ようやく当たりで一安心 06/12/28 Chunichi Web Press滋賀
 暖冬の影響で平年に比べて釣果がいまひとつだった余呉湖の冬の風物詩「ワカサギ釣り」に、ようやく当たりが出始め、愛好者や関係者たちが胸をなで下ろしている。
 釣り場の桟橋を管理するビジターセンター(余呉町川並)によると、二十六日の水温は九度。一週間前に比べて二度下がった。ワカサギ釣りに適した温度は六度以下といわれているが、わずかな水温の低下でも影響は大きく、この日、半日足らずで百匹以上を釣り上げた人もいた。
 今シーズンは十一月二十三日から営業を開始したが、雪がほとんど降らず、気温の高い日が続いていた。一匹も釣れずに帰る客も少なくなかったという。
 今年のワカサギの体長は、平年に比べ三センチほど小さい約五センチ。夏にあまり気温が上がらず、餌となる水中のプランクトンの成育が悪かったためとみられている。
 彦根地方気象台によると、二十八日から列島上空に強い寒波が流れ込み、県北部では雪が降る可能性が高いといい、関係者は冷え込みによる水温の低下を期待している。(多園尚樹)

■外来魚買い取り4000匹駆除 宿毛市の松田川漁協 06/12/28 高知新聞ネット版
 アユの食害など河川生態系を荒らす外来魚を駆除しようと、宿毛市の松田川漁協(寺田博俊組合長)が8月末にブラックバスとブルーギルの買い取りを始めたところ、4カ月間で約4000匹も集まった。一人で100匹持ち込んだ高校生がいれば、これを契機にバス釣りを始めた人も。「楽しい上に小遣い稼ぎになる」と、ちょっとしたブームになっている。
 同漁協によると、松田川では坂本ダムが完成した平成13年ごろからバスやギルが目立ち始めた。バスを捕獲して調べたところ、アユの稚魚を食べていたことが分かり、同漁協は15年度から刺し網やはえ縄漁で駆除してきた。
 しかし昨年3月の駆除作業(2日間)は約20人が参加したが、捕獲できたのはバス9匹とギル2匹だけ。「経費(約20万円)の割に効果はいまひとつ」(同漁協)という状況だった。
 このため同漁協は四万十川東部漁協や嶺北漁協で実施している買い取り制度導入を検討。8月下旬から松田川で釣ったバスとギルに限り、一匹200円(県が半額補助)で買い取る制度をスタートさせた。
 周辺小中学校などにチラシを配った程度だったが、口コミで広がり、4カ月間でギル2347匹(10月末で買い取り終了)、バス1613匹(12月26日現在)が持ち込まれた。
 釣り人はボートで坂本ダムに繰り出したり、約20キロ下流の河戸堰(ぜき)周辺で狙う小中学生も。宿毛市山奈町山田の宮本光夫さん(65)も「松田川からアユがおらんなるのも寂しいし、楽しんでお金ももらえる。いい趣味ができた」と喜ぶ。
 ただ、釣り上げてすぐに放す「キャッチ&リリース」派にとっては複雑な思いも。四万十市の20歳代の男性は「アユ保護というのは分かるが、趣味をお金にするのは私のポリシーに反する」。また住民の間では「アユ減少は外来魚のせいだけでなく、ダムや可動堰の建設が影響しているのでは」という声もある。
 いずれにしても予想を超える反響があり、寺田組合長は「買い取り料の負担は痛いが、効果は刺し網と段違い。愛媛側の河川工事の濁りなどアユ減少の影響は外来魚だけではないが、来年度も買い取りを続けたい」としている。

■肉食魚のナイルパーチ展示 各務原のアクア・トトぎふ 06/12/28 Chunichi Web Press岐阜
【岐阜・近郊】外来種問題に理解を深めてもらおうと、各務原市川島笠田町の県世界淡水魚園水族館「アクア・トトぎふ」は、アフリカ・ヴィクトリア湖の貴重な生態系を破壊したことで知られる淡水魚ナイルパーチを展示している。
 ナイルパーチはスズキの仲間で、体長二メートルにもなる肉食魚。「白スズキ」などの名称で、日本にも冷凍食品として輸入されている。ヴィクトリア湖は世界で三番目に大きい淡水湖。かつては多様な生態系から「ダーウィンの箱庭」と呼ばれた。一九五〇年代、漁獲量を増やすため、本来いなかったナイルパーチを放流。八〇年半ばには大繁殖し、在来種の多くを食べつくし絶滅させた。この問題は、ドキュメンタリー映画「ダーウィンの悪夢」(二〇〇四年)で経済の南北格差とともに描かれ、世界に紹介された。
 アクア・トトには熱帯コーナーに約一二〇センチの成魚一匹がいたが、十二日に約六〇センチの成魚を一匹追加。「ヴィクトリア湖の悲劇」と題した解説パネルも置き、外来種問題に警鐘を鳴らした。同館は「日本でもブラックバスなどの問題が依然として解決できない。大きなナイルパーチを見ることで、外来種の驚異を感じてほしい」としている。(松山義明)

■初日の出は期待薄 年末にかけて大雪も 気象庁 06/12/28 asahi.com
 気象庁は28日、年末年始(29日〜1月4日)の天気予報を発表した。29日から31日にかけてこの冬一番の寒気が入り込み、一部大雪となる所がある。その後、冬型の気圧配置は弱まるものの、南の前線や低気圧の影響ですっきりしない天気となり、初日の出はあまり期待できなさそうだ。(時事)

■日本海側は29日にかけ大雪の見込み 暴風や高波も 06/12/28 asahi.com
 冬型の気圧配置が強まるため、29日にかけて北日本から西日本の日本海側を中心に大雪となる見込み。北日本や東日本では風も非常に強く、海上では大しけになる。気象庁は大雪や暴風、高波に警戒を呼びかけている。
 同庁によると、29日にかけて本州付近の上空約5000メートルには零下36度以下の強い寒気が流れ込む。
 29日午後6時までの各地の24時間降雪量は、多いところで、北陸(新潟県)が100センチ▽北海道オホーツク海側、東北日本海側、甲信(長野県)が80センチ▽東海、北陸(富山県、石川県、福井県)が60センチ▽北海道日本海側、関東北部、中国、近畿北部が50センチ。
 29日にかけて予想される最大風速は、東北日本海側、北陸が海上25メートル、陸上20メートル▽北海道日本海側、近畿北部、中国、九州北部では海上20〜23メートル、陸上15〜20メートルの見込み。

■アライグマ…外来生物、続々目撃 京都府が募集、半年で情報132件 06/12/28 京都新聞電子版
 京都府は27日、外来生物による被害防止に役立てるため、府民から半年間にわたって募集した外来生物の目撃情報をまとめた。初めての試みに132件の情報が寄せられ、農作物に被害を与えるヌートリアやアライグマが府内の広い範囲で生息していることが確認された。
 外来生物被害防止法が昨年6月に施行されたことなどを受け、府は2005年度から3年間かけて外来生物の分布や被害状況を調べ、被害防止マニュアルを作成することにしている。このため、専門家の調査だけでなく、府民の目による分布情報を集めようと、今年6月から11月までメールやファクスで受け付けた。
 南米原産で水辺に暮らすヌートリアは、毛皮用に持ち込まれたのが本州西部に繁殖。これまで宇治川や木津川の流域で確認されていたが、今回は京都、舞鶴、綾部、宮津、亀岡、八幡、京丹後、南丹、京丹波、南山城の10市町村で確認された。アライグマも8市町村で見つかった。イネの葉を食べるジャンボタニシは、府南部だけで生息が確認されていたが、今回は京丹後市網野町でも、池に放されたとみられるタニシが目撃された。
 「釣りの最中に見つけた」「散歩中」など目撃時の状況はさまざまで、中には証拠写真を添付した情報もあった。府自然環境保全室は「ヌートリアやアライグマは目立つので通報が多かったようで、広範囲にいることが初めて分かった。貴重な情報だ。被害を防ぐために早期発見、早期対策が不可欠で、今後も府民の協力で進めたい」と話している。
 府民による目撃情報の内訳は次の通り。
 ヌートリア44件、アライグマ31件、ミドリガメ16件、アメリカザリガニ12件、ジャンボタニシ8件、ブラックバス8件、ブルーギル6件、ウシガエル3件、ヨウシュヤマゴボウ2件、ソウシチョウ(鳥)1件、カダヤシ(魚)1件。

■冬型強まり、平野部でも雪 06/12/30 asahi.com滋賀
 冬型の気圧配置が強まった29日、大津市など県南部の平野部でも朝から雪が降った。高島市マキノ町下の山間部では茅葺き屋根が白く覆われた。
 彦根地方気象台によると、この日の最高気温は大津市、彦根市とも3・5度。平年より5度前後低かった。彦根市内では昨年よりも24日遅い初雪となった。
 韓国ドラマ「冬のソナタ」に出てくる雪景色に似ていると評判の高島市マキノ町のメタセコイア並木には、大勢のアマチュアカメラマンの姿がみられたが、うっすらと雪化粧をした程度だった。同市今津町日置前の箱館山スキー場は29日正午現在で新雪が20センチ積もり、約500人が楽しんだ。

←Before          スクラップブックバックナンバー          Next→