Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

Editorial
Vol.64(07/06/05)

琵琶湖の記事三題

 「外来魚による生態系被害が深刻な琵琶湖で、70年代以降に進められた総合開発によって作り上げられた人工的な環境が外来魚の定着を促進した可能性が高いことが、琵琶湖博物館の水野敏明・特別研究員らの研究で分かった」Mainichi Interactive滋賀の6月1日付記事から一部を引用)

 多くのバスアングラーと日本釣振興会などが以前から主張してきたことを琵琶湖博物館の特別研究員らが今頃になって再確認したという記事。こんなのが今のタイミングで出てくると、護岸工事が琵琶湖を一周し終わったところで、アシ原の復活などで次の一周工事が始まってることに口実を与えるのが研究の本当の目的ではないかと思ってしまう。琵琶湖を釣り禁止にしたい、ワーム禁止にしたいと思ってる人と同居してる研究者の仕事であればなおさら。

 「生態系の危機が叫ばれている琵琶湖の南部水域に豊かな環境を取り戻そうと、国や滋賀県などが連携し湖底の砂利採取でできたくぼ地を埋め戻したり、低酸素の原因となる泥化した部分を砂で覆うなどの再生事業に2007年度から着手することが2日、分かった」「07年度の具体的事業は約1億円をかけて、流域で行う別の掘削工事などで出た砂を、同県草津市の烏丸半島沖に点在するくぼ地約1万立方メートルを埋め戻し、2.5ヘクタールにわたる泥地を砂で覆う。さらに、効果を慎重に見極めながら今後、徐々に規模を拡大し5−10年で、総額数十億円を投入する予定だ」共同通信の配信を受けた各社がいっせいに伝えた6月2日付記事から一部を引用)

 これって琵琶湖南湖の浚渫のことだよね。古くは埋め立てに使う土砂採取、その後はヘドロ除去を口実に行われた南湖の浚渫の規模はボートで釣りをしてるバスアングラーなら周知の通り。それを埋め戻すのに、初年度たった1万立方メートルって、100m×100m×厚さ1mで1万立方メートルだぞ。その数10倍の土砂を放り込んだとしても、ディープホール一つ埋まらないんじゃないのか。税金を数10億円も使って南湖の濁りをひどくするだけの工事をなんでやりたいのかと言うと、よそで出た土砂を琵琶湖に捨てて、浚渫工事ができなくなった業者の仕事を作り、工事補償金を支出するためとしか思えない。本当にやる気があるかどうかは結果を見ればわかるはずだけど、国や滋賀県が琵琶湖の環境問題に関して本気でやったことって何かあったっけ?

 「安倍晋三首相が2日、滋賀県を訪れ、琵琶湖の竹生島(長浜市)などを視察した。嘉田由紀子知事が同行し、琵琶湖の生態系の変化などについて説明した」京都新聞電子版6月2日付記事から一部を引用)

 そんな琵琶湖を総理大臣が視察した。滋賀県知事は琵琶湖の環境問題に関する説明もしたらしいんだけど、現職農林水産大臣の自殺や年金の大量誤記や林野庁の談合や何やらかんやらで頭がいっぱいの総理大臣は上の空だったんじゃないかなあ。

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