Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

98年6月7日

様々な団体が環境保護に立ち上がった
石川県河北潟のクリーン作戦に参加

 6月7日、石川県河北潟で開催された第4回クリーン作戦に参加した。

 このコーナーではこれまで、兵庫県青野ダム、香川県公淵公園、大阪府淀川などでのアングラーによるゴミ拾い活動について紹介してきた。これらはいずれも96年から97年にかけて活動が本格化したものだが、河北潟クリーン作戦はスタートが95年と古く、毎年1回のペースで続けられて今回が4回目になる。

 それともう一つ、河北潟クリーン作戦が他のフィールドのゴミ拾い活動と異なるのは、アングラーだけの活動ではなく、それ以外のいろんなグループが参加していることだ。その中にはバスフィッシング以外の釣り団体、地元の釣具商組合、環境保護団体、野鳥の会、婦人会、漁協、役所関係および一般参加者が含まれる。

 河北潟クリーン作戦が行われるようになった経過を説明すると、河北潟では5年以上前から湖岸周辺のゴミが問題になっていた。そのためアングラーのグループだけでなく野鳥の会や自然保護団体などが個々にゴミ拾いを行っていた。そんな活動を続けるうちに、94年ごろになって地元のバスアングラーのグループであるランカースナイパーズのメンバーのお父さんが森の都愛鳥会にいた関係から、合同でゴミ拾いを行うことが提案され、他のグループも巻き込んでの活動に発展した。

 その後、95年からは金沢市役所の協力も得られるようになり、河北潟クリーン作戦としてスタートした。つまり、河北潟クリーン作戦はアングラーや野鳥の会、自然保護団体などの市民グループによる自発的なボランティア活動としてスタートし、現在は行政や多くの団体を巻き込んでの清掃活動にまで発展したということになる。

 河北潟は石川県の海沿いにある潟湖で、北陸エリアでは数少ない、ボートを使った本格的なバスフィッシングが楽しめるフィールドとして知られている。地元アングラーだけでなく、富山や福井方面からも多くのアングラーがやってくる人気フィールドだ。周囲のほとんどはアシ原に囲まれ、潟湖の特徴として水域のほとんどが水深2〜3mまでのシャローエリアで構成されている。

 クリーン作戦は、広い湖岸を8エリアに区分けし、各グループが手分けして午前中の数時間に渡って清掃活動を行った。バスアングラーのグループは南部の馬事公園裏を担当したが、ここの湖岸は奥深いアシ原で、一見したところゴミはそんなにひどくない。ところがアシ原に分け入ってみると、水際に近付くにつれてゴミがひどくなる。その多くは発泡スチロールのかけらやビニール袋、使い捨てのプラスチック製植木鉢などの雑多な廃棄物であり、その中に飲み物の空き缶やペットボトル、お弁当殻などが含まれている。


 地元のアングラーによると、河北潟は田畑や工場、住宅地などに取り囲まれており、ゴミの多くはこれらから出てくる廃棄物なのだそうだ。北寄りと西寄りの風が吹きやすい河北潟では、浮くゴミが東岸と南岸に流れ着いて湖岸がひどいことになる。そのため、分厚いアシ原の奥深く、少なくともニーブーツを履いて入っていかないと有効なゴミ拾いができない。

 また、場所によってゴミの捨てられ方や内容が大幅に違っていて、足場がよく岸から釣りをしやすいエリアには、明らかに一部のマナーを心得ないアングラーが捨てたと思われるゴミも大量にある。このあたりは、同じゴミ拾いでもフィールドによる違いを感じさせられた。実際にゴミを拾っていて、野球やテニスのボールを7個も拾ったのには驚いてしまった。それと、タバコの吸い殻入れが捨てられていたのには、驚きを通り越してあきれてしまった。

 今回のゴミ拾いに参加したアングラーは、ランカースナイパーズのメンバー28人を中心に、地元金沢のアングラーやNBCチャプター北陸、富山などからのメンバーを合わせて総勢約50人。他のエリアにも一般のアングラーが多く参加しており、河北潟という北陸のアングラーに身近なフィールドに対する環境保護意識の盛り上がりを強く感じさせられた。

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