Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

98年8月14日

お盆休み前半の琵琶湖は荒れ模様
サマーパターンはどこへいったやら

 今年のお盆休み、と言っても、この原稿を書いている時点ではお盆休みの前半が終わっただけなのだが、滋賀県琵琶湖はあいかわらずバスアングラーでごった返している。

 道路の混雑は前半が8月8日から9日にかけて、後半が14日から15日にかけてと予想されていたが、名神高速や北陸道などは早くも7日午前から渋滞が始まった。それに輪をかけて、7日は近畿北部や北陸地方の各地で強い雨が降り、あちこちの道路が通行止めになったり、通行規制が出ていた。

 琵琶湖周辺では8月6日の午後から雨が降り始め、夕方から翌7日の未明にかけて断続的に強く降る状態が続いた。その後もどんよりと低くたれ込めた曇り空が続き、晴れ間が見えたのはようやく8日の朝のことだ。

 ところが、8日の午後には天候はふたたび下り坂に向かい、夕方から夜にかけてはまた雨になった。今年の近畿地方の梅雨明けは7月31日だったそうだが、梅雨前線は8月上旬になっても日本海に居座ったままだ。この間、東北、北陸地方は記録的な豪雨に見舞われ、あちこちで雨による被害が出ている。

 琵琶湖のバスフィッシングの状況は、7月中旬に梅雨の終わりから夏へかわろうとする傾向が見え始めたのが、その後になって、かわりそうでかわりきらない状態がダラダラと続いている。雨や曇り空の日は、ウィードエリアを中心にトップウオーターやバイブレーション、クランクベイトなどのプラグ類やスピナーベイト、ジグヘッドリグ、常吉リグなどで30〜40cmクラスなら比較的簡単にキャッチできる。ところが、同じポイントでも晴天になると簡単にはいかない。ウィードエリアが沖に突き出たスポットやその近くのブレイクライン、ストラクチャーなどをきっちりと絞り込んだ釣りができないと、アタリさえないというタフコンディションになってしまう。真夏によく釣れるディープエリアの地形変化やストラクチャーにバスが集まり切っていないので、中途半端な状態のままタフな釣りを強いられるわけだ。

 雨の合間を突いてタイミングよく釣りに出たアングラーの中には、梅雨の最中のような楽な釣りを楽しんだグループも少なくない。7日のお昼過ぎからボートを出した大阪府東大阪市の成尾拓史さんら3人は、琵琶湖大橋西詰めの南寄りのブレイクライン周辺のウィードエリアで、約3時間の間に30〜45cmを全員で10数尾キャッチ。おもにライトジグヘッドを使ったが、ペンシルベイトにも数回ヒットがあり、バスがボイルしているシーンがたびたび見られたそうだ。

 ところが、そのすぐ近くの琵琶湖大橋の橋脚は、まだバスの寄りが悪く、数もサイズも満足できない状態だ。ライトジグヘッドリグを落とし込んでさえいれば30cmクラスが延々釣れ続いて、その中に40cmオーバーが何尾もまじってくるという真夏のパターンは8月上旬を過ぎても成立していない。

 今年の琵琶湖は8月前半になって気温は真夏並になったが、水の中はまだ真夏とは言えないようだ。これには水温の上昇がやや遅れ気味なのと、雨が多く水位が高いこと、日照時間が少ないことが影響しているらしい。もしこのまま水温が上がり切らなければ、昨年に続いて今年も冷夏ということになる。昨夏は、梅雨の後半に始まった水深3m前後のウィードエリアでの数釣りが、8月から9月にかけて終わることなくそのまま続いた。今年もそれと同じことが起こることは十分考えられる。

 それともう一つ気になるのが、今年は台風が異常に少ないことだ。8月3日にフィリピンの東方沖海上で発生した台風がやっと2個目で、いまだに本州近くにやってくる台風はない。もしこのままなら、どういうことになるか。いくら梅雨前線ががんばっているといっても、いつかはなくなるだろう。そうなってからが夏本番というわけだが、例えば8月後半から9月にかけて台風がまったくやってこないとどうなるか。琵琶湖の夏から秋へのかわりめは、台風の接近がきっかけになって起こることが多く、このきっかけがタイミングよくやってこない年は、9月の中旬から下旬になっても夏のままの状態が長く続くのだ。

 今年の琵琶湖は冷夏に終わるか、遅くなってから巻き返した夏が遅くまで続くか、いずれにしても例年通りのパターンが通用しそうにない夏であることだけは確かなようだ。

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