Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

98年1月30日

巨大バスルアーの本家本元
レイクキャステイクへ行ったぞ

 先週からカリフォルニアからのレポートをお届けしている。今回はかの有名なレイクキャステイク。昨年、22lb2ozというワールドレコードに2ozだけ足りない超大物がキャッチされたビッグバスレイクについてレポートしよう。

 レイクキャステイクはそれほど大きな湖ではなく、日本で言えば関西なら兵庫県青野ダムより一回り大きいぐらい、関東なら神奈川県の津久井湖や相模湖規模の湖だ。場所はロサンゼルスの北側にあって、ロスからサンフランシスコに向かうインターステート5号線のすぐそばにある。ロスからの距離は、たとえば北寄りのダウンタウンあたりからなら、道が空いていれば車で2時間もかからずに到着する。

 ロスからサンフランシスコまでは、車で7〜8時間ほどの距離がある。日本なら大阪から東京までよりも少し遠いぐらいだ。その間を結ぶメインのフリーウエイ沿いにあって、しかもロスから1〜2時間ということは、京阪神から琵琶湖へ行くぐらいの位置関係の所にレイクキャステイクはある。

 そんな湖でビッグバスがたびたびキャッチされたらどうなるか。結果は日本のアングラにも簡単に想像できるだろう。好シーズンの週末は、大勢のアングラーで大入り満員。早朝の入り口ゲート前には、ボートを引いた車の長い行列ができる。レイクキャステイクはそんな人気釣り場なわけだが、今回訪れた1月15日は平日で、しかも雨もようの天気とあって、さすがにアングラーは少なかった。

 レイクキャステイクは丘陵地の中のリザーバーに特有のフラットな地形と、山間部のリザーバーに特徴的な険しい地形の両方を備えている。ある場所へ行くと奈良県池原ダムのような高く切り立った岩盤のポイントが続き、別の場所には青野ダムのようなシャローフラットもあるという地形変化の激しさが、この湖の最大の特徴だろう。

 それともう一つの特徴が、10lbはおろか20lbに達するような超ビッグバスが釣れることだ。これは昨年12月に紹介した同じロサンゼルスの北にあるレイクカシータスと事情はかわらず、冬場にアングラーを楽しませるためにレインボートラウトが大量に放流されていて、そのトラウトを食べたバスがとんでもない大きさに育つということのようだ。

 その結果、レインボートラウトにそっくりのキャステイクトラウトというウッド製のプラグが作られ、大勢のアングラーに愛用されている。キャステイクトラウト以外にも、胴体の後ろ半分がソフトプラスチックでできたキャステイクソフトトラウト、これもトラウトサイズの巨大なソフトベイトであるオプチマム、同様に巨大なソフトスティックベイトの類など、カリフォルニアにはとんでもないサイズのバス用ルアーが数々あるが、その本家本物のとも言うべき釣り場がレイクキャステイクなのだ。

 それほどたくさんの巨大なルアーが次々と生み出されるくらい、カリフォルニアのアングラーはレイクキャステイクやカシータスなどのビッグバスなどにはまっているわけで、そのはまり方は半端ではない。地元のアングラーがこれらの巨大なルーをどのように使うかというと、ソルトウオーター用のロッドに大きなマルチプライングリールをセットして、ラインは30〜40lbという、ソルトウオーターのブリやマグロ釣り用のタックルをそのまま使っている。試しに借りてキャストしてみたが、5回も投げたらいやになるぐらいのハードな釣りだった。

 さすがに真冬の1月でバスの反応は鈍く、ルアーでは同船者のソフトスティックベイトを2回追ってきただけだった。ところが、エサ釣りだとバスの反応はぜんぜん違う。マッドサッカーというハゼによく似た15cm前後の小魚をスプリットリグで鼻掛けにしてキャストすると、2時間ほどの間に3人で4尾、一番大きいのは5lbほどのバスがいとも簡単に釣れたのには驚いた。

 おそらくバスの多さは相当なもので、上手なアングラーが釣れば真冬でも結果は出せるだろう。これが好シーズンになれば……ということで、この釣り場へ大勢のアングラーがやってくる理由がわかったような気がした。

 レイクキャステイクには小型のレンタルボートもあり、これを借りれば手軽にバスフィッシングが楽しめる。アングラーの割合から言えば、ルアーよりもエサ釣りの方が多いぐらいで、多くのアングラーがクローフィッシュ(ザリガニ)をエサにして釣っている。先に書いた22lb2ozのバスもクローフィッシュのエサ釣りでキャッチされたものだ。

 このあたり、日本のアングラーの感覚とは違って、アメリカではバスをエサで釣ることが、ごくあたりまえのことなのである。ここへ案内してくれた地元のアングラーが、エサを用意してまでバスの顔をおがませてくれようとしたのは、アメリカ人の感覚からすればごく自然な行為なのだ。そのことを今回のレイクキャステイクで再認識させられた。

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