Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

97年12月5日

水位の急上昇、濁り、強風、雪、冷え込み
琵琶湖の冬の始めは厳しくなりそうだぞ

 11月最後の週末、滋賀県琵琶湖周辺は29日の朝から雨が降り続き、夕方から夜半にかけては土砂降りとなった。翌30日は天気が回復し気温も上昇したが、局地的に強い風が吹いた所があった。その後、12月1日は曇り空だったものの比較的穏やかな天気が続いたが、2日の午後は冷え込みが厳しくなり、南湖を強い南風が吹き抜けた。この風は夕方近くには西寄りにかわって、夜には雪が降り始めた。この雪は一晩中降り続き、3日朝までに平野部で数cmの積雪となった。

 29日の雨により琵琶湖の水位は一段と上昇した。11月15日ごろにはマイナス70cm前後にまで下がっていたのが、11月後半にたびたびまとまった雨が降ったことで、27日にはマイナス54cmまで回復。29日の雨で上昇のペースはさらに加速し、12月2日にはマイナス34cmまで上昇している。この間、4日で20cmという極端な上昇となった。

 バスフィッシングの状況は、29、30日の週末までは木浜沖などの水深3mラインのウィードエリアでバイブレーションプラグやスピナーベイトを使って30cm前後までヒットが続いていたが、さすがにスローになる傾向は否めず、濁りと雨、雪などの影響が気がかりなところだ。25日ごろからは、日によってハードルアーよりも常吉リグなどのソフトベイトの方がよいことが多くなり、特に40cmを超えるグッドサイズはハードルアーではキャッチしにくくなっている。それと同時に、単純にウィードエリアを狙うのではなく、ブレイクラインやストラクチャーを絡めてスポットを絞り込まないと安定した釣果は望めなくなっている。

 そんな状況の中で、リブレのフィッシングガイド、白井美紀プロはバイブレーションプラグを使って安定した釣りを続けている。11月27日のガイドでは、雨の中で3尾の40cmオーバーを手堅くキャッチし、ほかに小型はかなりの数釣れたそうだ。

 バイブレーションプラグを使った釣りのコツは、極端にスローリトリーブすることと、それ以上に大切なのが、ごく小さなアタリをとらえて即合わせすることだそうだ。バスはガッポリとルアーを食ってくるのではなく、ごく軽くじゃれるように口を使ってくる。それをフックに乗せるには、ごくかすかなアタリをとらえての早いタイミングでのフッキングが欠かせない。場合によってはバスの背中やお腹、尻尾にフックが掛かって上がってくることもある。また、なれないとアタリ自体がわからないことも多く、最初のうちは何でもいいから合わせてみて、アタリを覚えることから始める必要があるかもしれない。

 11月末現在、琵琶湖の水温は広い範囲で14度台を維持し、例年にくらべれば高水温が続いているが、これもいつまで続くかわからない。29日の大雨で北湖の広い範囲に川から流入した濁りが広がり始めており、南湖は強い南風の吹く日が多くなっている。さらに雪も降ったことから、急激な水温の低下が予想される。

 暖かかった11月後半からは一変して、12月は寒くなる可能性がある。この時期に強く冷え込むと、南湖は連日、強い南風が吹くようになる。そういう年が周期的にあって、そんな年の冬の始めの南湖のバスフィッシングは極端に厳しくなる。このような状況がやってきて、しかも北湖に広がった濁りの影響が長期間に渡って続くようだと、12月中旬から後半、さらに真冬に向かっての琵琶湖のバスフィッシングは例年なく厳しい状況になるかもしれない。

 4月から5月にかけてのトーナメントでのビッグウエイトの続出、梅雨時期のトップウオーターでの爆釣、夏から秋まで続いたウィードエリアでの数釣りなど、今年の琵琶湖のバスフィッシングはよい状況が続いた。そのまま1年が終わるか、最後にきて大どんでん返しがあるか、また、98年のスタートはどうかなど、ここへきて先の読めない状況になりつつあるのは間違いないようだ。

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