Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

97年10月3日

ターンオーバーを抜けてそろそろ秋本番か
琵琶湖のパターン変化は例年になく足早

 今シーズンの滋賀県琵琶湖は、夏が夏らしくないまま終わり、秋もずいぶんと早めに季節が進んでいる。バスフィッシングのパターン変化も、ずいぶんと急ぎ足だ。

 9月14日から15日にかけて台風21号が接近してからは、気温がはっきりと下がり、雨が降ることも多くなった。そのため下がり続けていた水位が落ち着き、水温が下がり始めた。さらに9月末には朝夕めっきりと冷え込むようになり、25日にはかなりのまとまった雨が降った。

 この雨により、しばらく安定していた水位は上昇傾向に転じ、水温の下がり方が加速した。この間、北湖、南湖ともに強い風の吹く日が多かったが、特に雨が降った直後の26日は北風が強く吹き、その翌日の27日は南湖を猛烈な南風が吹き抜けた。

 琵琶湖の秋は、9月後半から10月にかけて北風の吹く日が多い。この北風は天気のよい日の午後に強くなりやすく、秋の前半の琵琶湖のバスフィッシングは北風に吹かれながらの釣りになることが多い。

 これが10月末から11月になると、今度は南湖を強い南風が吹く抜ける日が多くなる。この風は、琵琶湖の水温と気温の差が大きくなる時期に特徴的なもので、気温よりも水温の方が高いために湖上に上昇気流ができて、周囲から風が吹き込む。この風が南湖を吹き抜けるときに特に強くなるわけだ。

 9月27日のような猛烈な南風は、9月にしてはめずらしい。この日は夜が明けるころにはすでに風が強くなっていて、ボートでは釣りにならず、多くのアングラーが早々に引き上げた。フィッシングガイドも午前中で切り上げていたし、1週間後に開かれるJBワールドトップ30のプリプラクティスに来ていた選手たちも、ほとんど練習にならなかったようだ。

 28日の日曜日はようやく穏やかな天候になり、大勢のアングラーがバスフィッシングを楽しんでいた。ところが、前日の強風のために南湖の多くのエリアには強い濁りが広がっていた。この濁りは普段の濁りとは違って、強風による強い水の動きでボトムの泥が巻き上げられたために、やや黒っぽい水色で水面に細かい泡が広がっていた。あきらかにフォールターンオーバー気味の濁りだ。

 そのため南湖の一部のエリアではバスの活性が非常に下がり、釣りにくい状態になっていたようだ。ただし28日からは風がごく弱いか、あるいは北寄りの風が吹く日が続いたために、ターンオーバーからの回復は早めで、バスはすぐに活性を取り戻している。ただ、エリアや釣り方がさらに秋っぽくかわった場所が少なくなかったようだ。

 大津市今堅田のマリーナ、リブレでは28日にクラブトーナメントを開催。参加したアングラーは27人で、バスをキャッチしたのが22人。このトーナメントは25cm以上をキーパーとしたために、ウエイインに持ち込まれたバスは25cmから30cmちょっとまでが圧倒的に多かった。そのためウエイトも5尾で1500g前後というあたりが中心となった。優勝の坪井晋哉さんは49.5cmのビッグフィッシュをキャッチし4310gのスコア。これ以外に40cmアップが数尾出ていたが、ほかは大部分が35cm足らずだった。

 これは9月中旬以降の琵琶湖のバスフィッシングの傾向を忠実に反映した結果だ。つまり、この秋の琵琶湖は小型はよく釣れるが、35cmオーバーになると極端に数が少なくなる。その上のサイズは、40cmも45cmも50cmも釣れる確率に大きな違いがないと言ってもよいぐらいだ。

 そのため釣り方も、例年なら秋に強いバイブレーションプラグがもう一つで、ラバージグやテキサスリグなどによる大型狙いか、常吉リグで小型を手堅く釣るかという両極端になっている。

 本当にこの秋はバスの状態が例年と大きく違うのか。パターンや釣り方もかえた方がよいのかどうか。このあたりは、10月4、5日に開かれるJBワールドトップ30の結果を見ればはっきりするだろう。

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