Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

07/03/25

アマダイなら釣れる!!
水揚げ7.8kgで2万円也

 アマダイ15尾、7.8kgで2万16円也。3月23日のワイルドキャットの水揚げです。これでもけっこういいセリ値なんですけど、「昼のセリに出したら、もっとええ値が付くのになあ」と漁協の兄ちゃんに言われました。三輪崎漁協のセリは正午と午後3時の1日2回。正午のセリに出せば、東京築地市場などへの発送に間に合います。高値が期待できる市場への送りに間に合う時間帯のセリは、それだけ高値が付くというわけです。

 アマダイのような希少な高級魚は、全国で獲れたのがいったん中央の市場に集まってセリにかけられ、それがまた全国の消費地に散らばって行きます。ですから、和歌山県新宮市三輪崎のワイルドキャットが漁獲したアマダイが、もしかして京都の高級料亭に渡ってどこかのお奉行様とお代官様の宴に供されたとしても、それはいったん東京へ行ってから京都へ回ってるかもしれないということです。

 ワイルドキャットへアマダイ釣りに来たゲストから、こんな話を聞いたことがあります。大阪のデパ地下の魚屋さんで、1kgオーバーのシロアマダイを4万円で売ってたそうです。そんな魚はデパートでもなかなか売れるものではありません。これはどちらかと言うと売るためよりも看板として置いてある、まあデパートの飾りみたいなものですね。売れなかったときの行き先の料理屋さんが最初から決まってるんだそうです。

 こうなると高級魚もブランド品みたいなもので、元値は安くても流通の各段階で値段がどんどん上がっていって、最後はすごい値段になる仕掛けができあがってるんでしょうね。三輪崎漁協のセリ値を知ってると、すぐ近くのスーパーで売ってる同じ魚の値段が「なんでこんな高いことになってるの!?」と思ってしまうことがよくあるんですけど、魚の流通って本当に複雑怪奇で部外者には理解不能なところがあります。漁協のセリで1本5000円以上するカツオを獲ってきてる漁師のおっちゃんが、「ここで5000円やったら市場へ出たらなんぼになるんやろ。そんな高い魚、いったい誰が食べるんやろうなあ?」と言いたくなる気持ちがよくわかるんですよね。

 マグロもカツオも釣れないワイルドキャットは、2月22日以来約1カ月ぶりにアマダイ釣りに復帰しました。春分の日の3月21日のことです。釣り場をかえて太地の梶取崎沖へ行ったら、3人で21尾も釣れました。しかも1kg前後が何尾もまじる型ぞろいです。そのうち大きい方から7尾を漁協のセリに出したら、4.4kgで1万2204円になりました。セリ落とした魚屋さんに聞いたら、翌日の送りに回せたから高値を付けることができたんだそうです。傷み難くて日持ちのするアマダイなら、こういうこともあるんですね。

 だったら1人で釣ったらどれぐらい釣れるかと行ってみたのが23日。その結果は最初に書いた通りです。これだけ型ぞろいのアマダイをたくさん釣ったのは初めてです。探せばまだまだいるもんですね。場所を教えたくれた21日のゲストに感謝です。

 で、「お昼のセリに出したら……」という漁協の兄ちゃんの話ですが、三輪崎から梶取崎沖まで片道40分以上かかるから、昼のセリに出そうと思ったら釣ってる時間が短過ぎるんですよね。港のすぐ近くだったらいいんですけど、梶取崎沖まで走って昼に帰ってくるのは、もったいな過ぎます。それと、延縄だったら一度入れたのを上げたらそれで終わりですが、釣るとなるとある程度時間をかけないと、時間が短いのに比例して釣れる魚は少なくなります。こちらは楽しみで釣りに行ってるわけですから、これはちょっと辛いんですよね。ワイルドキャットは水揚げはしてるけど、このあたりが漁師になり切れないところですかねえ。

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