Presented by B.B.C./Biwako Bass Communications

00/05/19

グアムのトローリングで
ちっちゃなカジキをゲット

 沖縄から帰ったのが5月8日の月曜日で、その週の土曜日には再び飛行機に乗ってました。今度はグアムでカジキ狙いのトローリングです。

 沖縄で大きいのが釣れなかったから、その敵討ちだろうって? そう言われれば、その通りです。沖縄から帰った関空で、手荷物が出てくるのを待っている間に「一緒にグアムへ行きませんか」とスポーツワールドの浜松光さんに電話をかけてました。仕事はどうなってるかって? がんばれよ、なるたく。

 グアムのトローリングは、例年5月から7月までがカジキがよく釣れるシーズンです。この時期にいいタイミングで釣りをすることができれば、世界一と言ってもいいぐらいの確率でカジキが釣れます。そのかわり、サイズは100lb台が多いんですけどね。その後、10月頃までは釣れる確率は低くなるんですけど、今度は大きいサイズのカジキが釣れるようになります。

 その最初のチャンス、5月の満月の大潮前を狙って出かけたわけなんですけど、グアムに着いたら大荒れでした。近くを通過した台風1号の影響で、いつもなら1年中吹いてる北東からの貿易風が吹いてなくて、強い南の風が吹いてました。2、3日前まではダイビングにも出られないぐらいで、釣りも近場のポイントしか行けず、3日も5日も何も釣ってないボートがたくさんあるんだそうです。

 グアムに着いた13日はそんな状況だったんですけど、ラッキーなことに南風はだんだん弱くなってきていて、翌日のトローリング初日は沖へ出ることができました。グアム島の北、ロタ島との間にあるロタバンクというポイントへ向かいます。グアム島の近くの浮き魚礁で何も釣れてないから、違う場所をチェックしてみようという作戦です。大荒れ続きでしたから、ロタバンクへ行けるのはひさしぶりだそうです。

 釣り始めてすぐ、トリヤマに近付くとカツオがポンポンと釣れてきました。どうやら魚はいるようです。「カジキはいるかなー」と思いながらルアーを引き続けているうちに、一番ショートラインのルアーを何かが追っているのが見えました。「Fish?」と叫ぶ間もなく、ジジーッと言うクリック音とともにショートラインが引き出されます。だけど、すぐに止まってしまいました。

 「掛からなかったか」と思った直後、今度は隣のセカンドラインのルアーにアタックしてきてラインが引き出されました。ほかの魚なら、一度ルアーに食い付いて掛からないと二度と追わないんですけど、カジキは違います。掛からなければ、掛かるまで何回でもアタックしてきます。なにしろ、海の中では恐いものなしの魚の王様ですから、ルアーなんかぜんぜん怖がりません。それぐらいどう猛です。

 だけど、2回目もやっぱり掛からなくてラインは止まってしまいました。キャプテンのティムが「Again, Again!」と言いながらボートを回していきます。すると、なんと一度ルアーを追うのをやめた魚が、またアタックしてきました。すごいテクニックです。だけど、またまた掛からなくて、それっきりになってしましました。

 この日は1m40cm、26.5lbの大きなシイラが釣れて、カツオと合わせて10尾ほどの釣果でした。このシイラがきたときは、思い切りラインが走ったので、最初はカジキかと完全にだまされました。

 2日目、同じロタバンクへ行くと、完全に風が止んで波もないベタナギです。普段いつも貿易風が吹いているグアムでは、こういう日は1年に何日もありません。

 ポイントに着いて鳥の群れに近付いていくと、前日と同じようにカツオが釣れてきます。最初のうちはときどき釣れる程度だったんですけど、潮が満ちてくるにつれて、どんどん釣れるようになってきました。だけど、カツオを釣ってると、その間はボートを止めてしまいますから、あまりよく釣れ過ぎるようだとカジキを釣る暇がありません。ルアーをだんだん大きいのにかえて、カツオは追ってくるけど、掛かるのはときどきぐらいにします。

 その作戦が当たって、カジキがストライクしてきました。大きなルアーにかえたアウトリガーのラインが、何の前触れもなく突然、クリックの悲鳴を上げながら思い切り引き出されていきます。だけど、100mほど走ったところでクリック音は止まってしまいました。またまたバラシです。

 その次のストライクはもっと強烈でした。セカンドラインがいきなり引き出された直後、40mぐらい先でカジキが大きな口を開けながら半身を海面から出してジャンプするのが見えました。その口からルアーがポーンと飛び出すのが見えて、なんと3回目のストライクもバラシです。

 この日はカツオが10尾以上と5kgぐらいのキハダマグロが1尾釣れました。このサイズのキハダは沖縄でも釣れなかったし、グアムで釣るのも初めてです。本当はうれしいはずなんですけど、カジキを3回もバラしてますから、もうくやしくてくやしくて、ホテルへ帰ってから夜遅くまでルアーのハリを研いでました。

 最終日の3日目もベタナギが続きます。この日、カジキのストライクは2回ありました。1回はボートから20mぐらいの所を引いているセカンドラインのルアーにカジキがジャンプしながらアタックしてきたんですけど掛からなくて、その直後、アウトリガーのルアーに食い付いてラインが突っ走っていきました。かなり長い時間、ラインが走ったんですけど、これも200mぐらい出たところで止まってしまいました。なんと、4回目もバラシです。

 そして最後のストライクは終了間際にきました。「そろそろ時間かな。釣れてないから、キャプテンからは帰ろうと言いにくいだろうな。こちらから言わないと悪いかな」と時計を見ながら思いかけてたときです。セカンドラインのルアーを何かが追っているのが見えました。一瞬、間を置いた後、同じルアーにアタックしてきて、ロッドがたたかれたようにおじぎをして、すぐに戻りました。クリックはごく短くギッと鳴っただけです。

 次の瞬間、もう一度アタックしてきました。今度は派手にラインが引き出されていきます。200mぐらいは走ったでしょうか。ラインが出ていくのは止まったんですけど、まだ魚の重みは残っています。やっとフックアップしたみたいですけど、そんなに大きくはなさそうです。ルアーに食い付いたときは、いかにもカジキみたいだったんですけどね。リールを巻き始めると、意外と軽くてどんどん寄ってきます。

 「カジキじゃないのかな。まあまあのキハダか、大きなサワラか何かかな?」と思いながら、すぐ近くまで寄せてくると、なんとちっちゃなブルーマーリンです。80lbか90lbぐらいでしょうか。あんなに掛からなかったフックが、上アゴからビルの根元にかけて見事に貫通しています。

 リーダーいっぱいまで寄ってきたところで、すぐにタグを打って、フックを外して逃がそうとしたんですけど、あまりにもいいところに掛かっているために、何回外そうとしても外れません。魚が弱ってはいけないので、フックの際でリーダーをカットしてリリースしました。

 今回のグアムのトローリングは、3日間で5回もストライクがあっただけでもラッキーなんですけど、その最後の最後に釣れるなんて本当にラッキーです。まあ、小さくてもカジキはカジキです。これでちょっとは納得できたんですけど、勝負はまだまだこれからです。

 トローリング用の重いタックルをグアムまで持って行ったり帰ったりするのもいまいちですから、ロッドとリールは預けて帰ってきました。6月のボートの予約もしてきたし、それまでに思い切りフックを研いで、何かがさわっただけで掛かるようにしておきます。逃がしたカジキに「今度はお父ちゃんかお母ちゃんを連れてきて」とよーく言っときましたから、次はでっかいのが釣れるはずです。

■テンボートチャーター
(グアムTEL671-477-6203/国内TEL03-3436-4471)

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