琵琶湖の湖底から
(2008/01)

←Before          スクラップブックバックナンバー          Next→

■湖北の正月、白銀に染め 各地で積雪 08/01/02 京都新聞電子版
 冬型の気圧配置が強まった影響で、滋賀県北部は1日夕から2日未明にかけて大雪警報が発令され、断続的に雪が降った。彦根地方気象台などによると、2日の積雪は、彦根市で6センチ、余呉町柳ケ瀬で約40センチ、米原市甲津原の奥伊吹スキー場一帯で約70センチを観測した。
 同気象台によると、彦根市では1日朝に、今季の初雪を観測した。同市内の初雪は平年より23日、昨冬より3日、それぞれ遅い、という。また、同市の2日朝の最低気温は0・2度とこの冬一番の冷え込みとなった。
 同市では同日朝から、城山公園事務所の職員らが彦根城内の除雪作業に追われた。初詣で客でにぎわう多賀町の多賀大社前絵馬通りでも、商店街の店員らが白い息を吐きながら、屋根に積もった雪を払い落としていた。

■雪化粧の彦根城、幻想的に 余呉町柳ケ瀬では47センチ 08/01/03 Chunichi Web滋賀
 上空に流れ込んだ強い寒気の影響で、彦根市は1日朝から初雪に。2日にかけて断続的に降り続き、県内各地で積雪を観測した。
 彦根地方気象台によると、初雪は昨年より3日、平年より23日も遅い。年が明けてからの観測は、同じく元日に降った1999年以来9年ぶりという。
 同市では2日午前5時には積雪が6センチに。最低気温も0・2度と、この冬一番の冷え込みとなった。彦根城の天守や玄宮園はすっかり雪化粧し、幻想的な雰囲気が広がった。
 1日から2日にかけての最大積雪量は、余呉町柳ケ瀬で47センチ、米原市朝日で16センチ、高島市今津町で4センチとなった。
 3日には冬型の気圧配置は緩み、南部では晴れ間も広がるという。(築山栄太郎)

■積雪:一面の“銀世界” 彦根や高島など県北部 08/01/03 毎日jp滋賀
 彦根地方気象台は1日、彦根市で初雪を観測したと発表した。昨年より3日、平年と比べて23日遅い。また同日夜からは山間部だけでなく彦根市や高島市など県北部の平野部でも積雪があり、一面雪景色となった。
 気象台によると、冬型の気圧配置が強まった影響で、1日の大津市の最低気温は今冬最低の氷点下1・1度となるなど、各地とも厳しい寒さにも見舞われた。1、2日の各地の最大積雪量は、▽余呉町柳ケ瀬47センチ▽米原市16センチ▽彦根市6センチ▽高島市今津町4センチ−−。
 また湖北地域では1日、大雪警報が発令された。名神高速では除雪作業や速度制限の影響で最大約40キロの渋滞が発生した。【松井圀夫、豊田将志】
 
■コカナダモ増殖 5年前の10倍超 琵琶湖の南湖・水草分布調査 08/01/03 京都新聞電子版
 琵琶湖の南湖で異常繁茂している水草のうち、外来種コカナダモが前回調査の5年前から10倍超に増殖していることが、琵琶湖博物館(滋賀県草津市)の種別分布調査で分かった。コカナダモは塊で岸に流れ、特に北湖で漁業被害や悪臭の原因となっており、同博物館は「今後も増加していくのか注視する必要がある」と指摘している。
◆外来種の比率上昇 勢力争い続く
 調査は2002年以来2回目。繁茂がピークとなる昨年9月に実施した。南湖の湖底で50センチ四方の水草をすべて刈り取る手法で、1キロおきに計52カ所の調査地点を設定。計13種を仕分けして分布と量を推定した。
 コカナダモは前回、南湖の北部2カ所で約40トン(乾燥重量)だったが、今回はほぼ全域の39カ所で確認され、約500トンにも上った。コカナダモは自ら根を切って水面に浮かび、流れに乗って沈んだところで新たに定着する。前回確認した大津市の浮御堂周辺から生息域を広げてきた可能性があるという。
 同じく外来種のオオカナダモは前回とほとんど差はなかった。一方、在来種はクロモが約2400トンから約500トンまで減少、外来種の比率は10%から15%に上昇した。
 水草の総量そのものは約9600トンで5年前と変化がなかった。異常繁茂が上限まできたとも考えられるという。一方で、量を種別に見ると、最多のセンニンモを除く上位5種の順序は大幅に入れ替わった。1地点当たりで確認できた種数の平均も3・2種から5・1種に増えている。
 調査した同博物館の芳賀裕樹主任学芸員は「種別の住み分けができていない。分布場所が安定しておらず、勢力争いが続いている」とみている。

■外来種駆除へ灰塚ダムで知恵 08/01/04 中國新聞ネット版
 外来魚のブラックバスやブルーギルの再放流が禁じられている三次、庄原市の灰塚ダムで、外来魚を増やさない仕組み作りが進んでいる。大学と連携した外来魚利用の研究なども今後、本格化する。
 国土交通省灰塚ダム管理支所は昨年9月、ダム湖畔などに外来魚回収ボックスを設置。大きさランキングを掲示するなどして協力を呼び掛け、11月には140匹がボックスに入った。魚の動きが鈍る12月になっても、大物狙いの愛好者がボート釣りなどを楽しみ、20匹以上を回収。同支所は回収した魚で堆肥(たいひ)を作り、無料で配布している。
 今月からは、島根大と共同でブラックバスの成分を有効利用する研究を2年計画で実施。内臓脂肪に含まれる不飽和脂肪酸や、皮にあるコラーゲンが、健康分野に応用できる可能性があるという。

■「琵琶湖を世界遺産に」 ハードル高いが 知事、挑戦表明 08/01/04 京都新聞電子版
 「極めてハードルは高いが、挑戦することに価値がある」−。滋賀県の嘉田由紀子知事は4日の定例記者会見で、湖国の価値や魅力を国際的にアピールしたいとして、琵琶湖の世界遺産登録を目指すことを表明した。ただ、湖岸の開発が進んでいることから県庁内からも「かなり厳しい」と疑問視する声が出るなど、実現性は不透明だ。
 会見で嘉田知事は「自然的、文化的価値を発見し、伝える努力が必要。琵琶湖と水の文化にどういう理解が生まれるかという運動であり、市町や住民にも協働で知恵を出していただくプロセスが大事」と強調した。
 さらに、外部識者も交えた準備チームを早期に県庁内に設置する構想を示し、世界遺産のうち自然遺産か文化遺産か、2つを併せ持つ複合遺産かも検討し、1期目の任期中に見通しを立てる意向も明らかにした。
 しかし、琵琶湖岸はコンクリート護岸や高層マンションが建つなど、人の活動で自然に大きく手が入っている。環境省は「一般論でいえば、世界唯一で、保存も良好でないと難しい」と話す。
 「流域に多くの人たちが住んでいる現状で、開発や自由な土地利用に対する規制をかけられるのか」(県幹部)との指摘も出ており、嘉田知事の年初の決意も、はや難航気味だ。

■「琵琶湖を世界遺産に」 知事、年頭会見で意欲 08/01/05 Chunichi Web滋賀
 嘉田由紀子知事は4日、県庁で年頭の記者会見に臨み、琵琶湖の世界遺産登録を目指す考えを明言した。「(2010年までの)任期内には見通しを立てたい」と述べ、早急に県庁内で準備チームを立ち上げる考えを示した。
 知事は、琵琶湖について「近代的文明が発達した場所で、古代湖としての生態系と古い文化を維持している湖は、世界的にもまれ」と指摘。世界遺産登録を「ハードルは高いが、高いからこそ、挑戦する価値がある」との意気込みを示した。
 世界遺産には、建造物群や遺跡などの「文化遺産」と、地形や生態系の「自然遺産」、2つの要素を併せ持った「複合遺産」の3種類がある。
 琵琶湖は、複合遺産を目指す方針だが、知事は「準備チームで(方向性を)検討してもらいたい」とした。
 また、県の「財政構造改革プログラム」について、市町からの批判を受け、「歳入の見通しを立て、見直し可能な点があれば1月中、下旬には示したい」と述べた。

■仕事始め式:県庁・県警で 琵琶湖の世界遺産登録、知事「任期中に見通しを」 08/01/05 毎日jp滋賀
 仕事始めの4日、県内の官公庁や企業でも業務がスタート。県庁の仕事始め式では、嘉田由紀子知事が「琵琶湖を世界遺産に」とアドバルーンを上げ、県警では犯罪や死亡事故件数の減少に向けて気を引き締めた。【阿部雄介、豊田将志】
◇価値と魅力を国際的に発信
 嘉田知事は式で幹部職員約700人を前に「琵琶湖の価値と魅力を国際的に発信していく道のりを整えたい」と抱負。「水にちなんだ文化、固有種からなる生態系の価値の発信方法が世界遺産登録ではないかと考えている」などと話した。
 嘉田知事は閉式後の記者会見で、庁内にプロジェクトチームを設け、「任期中には登録への見通しを立てたい」などと語った。
◇犯罪・死亡事故減少を−−安森県警本部長
 一方、県警の式には安森智司本部長や幹部職員ら約300人が出席した。
 県内の昨年の刑法犯認知件数(暫定数値)は1万6560件で、県警の目標の1万7000件以下を達成。交通事故死者数も93人で、49年ぶりに100人未満を達成した。安森本部長は「皆さんの活動によって生まれたもの」とねぎらう一方で、「今年より良い成果を残すのは大変なことだが、139万人の県民に『警察はよくやってくれた』と言ってもらえるよう切磋琢磨(せっさたくま)し、この1年を頑張りましょう」などと訓示した。

■登米の豊かな自然裏付け 市の環境調査報告書まとまる 08/01/05 河北新報社Kolnet
 宮城県登米市は、市内全域の自然環境の実態を把握しようと「自然環境基礎調査報告書」をまとめた。絶滅危惧(きぐ)種を含む1200種を超える多様な植物、原生状態に近いアカシデ自然林、県内最古の地層など、確認された貴重な自然資源の分布状況を冊子や地図で紹介している。
 市の委託を受けた宮城環境保全研究所(仙台市)が2006年10月から約1年かけて、「気象」「地形・地質および土壌」「植物」「動物」「自然環境保全対策」について現状を調査した。
 報告書によると、維管束植物(シダ、種子植物)だけで1216種を確認。同市米山町の平筒沼周辺には、樹齢100年程度のアカシデの純林があり、33ヘクタールもの群生は県内唯一という。
 県レッドデータブック(01年発刊)に該当する希少種も多数存在。絶滅危機にひんする「絶滅危惧T類」と絶滅の危険が増した「絶滅危惧U類」が、植物は「アサザ」「デンジソウ」など60種類、動物は「シジュウカラガン」「イヌワシ」など21種類が見つかった。
 一方で、「アレチウリ」や「タイワンシジミ」「オオクチバス(ブラックバス)」など外来種も多く侵入しており、在来種の動植物を脅かしているという課題も分かった。
 地形では、県内最古の古生代ペルム紀中期(2億6000万年前)の地層が同市東和町、登米町で確認された。
 報告書には地図も添付。地形や現存する植生、自然環境の保全指定地域などの分布が一目で分かるようになっている。
 市環境課は「自然の豊かさが学術的にも裏付けられた。貴重な動植物の保全策や開発行為の審査、策定中の環境基本計画の基礎資料として生かしたい」と話している。
 報告書は各総合支所や市内と県の図書館で閲覧できるほか、市のホームページでも公開。市民向けに概要版も作製する。

■ウミネコに釣り針/うるま市 08/01/06 沖縄タイムスネット版
【うるま】長さ約五センチの釣り針を飲み込んだウミネコが五日、うるま市石川漁港で、漁師によって保護された。市内の動物病院に運ばれたが、かなり弱っており、体力が回復次第、手術するという。保護した同市石川の越智岳さん(41)は「針が取れるまでは安心できない。釣り人は、海にごみを捨てないでほしい」と訴えている。
 越智さんによると、ウミネコを初めて見たのは昨年十二月三十日。漁港を離れないことから不思議に思っていると、くちばしから長さ約一メートルの釣り糸を垂らしていることを確認した。
 友人二人と一月五日午後四時ごろ保護し、同市前原のながみねどうぶつクリニックへ運んだ。
 同病院院長で県獣医師会野生動物保護対策委員長の長嶺隆さん(44)によると、心臓近くの食道に釣り針が刺さっており、取り除くのは危険な状態。流動食で体力が回復するのを待ち、手術する方針。
 長嶺医師は「釣り糸や仕掛け、商店の袋を飲み込む鳥や生物が多い」などと指摘しごみを持ち帰るよう話した。ウミネコは北海道から九州、朝鮮半島の沿岸部に生息するが、沖縄に現れることは珍しいという。

■次世代アメダスが運用開始 瞬間風速、気温は10秒ごと 08/01/07 Chunichi Web
 新たに最大瞬間風速が観測できるようになった気象庁の「次世代地域気象観測システム(アメダス)」が7日までに一部運用を開始した。台風などによる暴風被害の軽減策強化が期待できるほか、気温も従来の10分間隔から10秒ごとに観測、きめ細かく温度を把握できるので、2007年夏のような猛暑では熱中症対策にも生かせそうだ。
 アメダスは、1974年に運用を開始した無人の自動観測装置。今回のように、観測手法を高度化するなどした本格的な改良は初めてという。
 風速風向、気温、降水量、日照時間の4要素を自動計測している全国685カ所のアメダス観測所で順次、機器を次世代型に更新または改良。今後2年程度で全国の整備を終える見通しだ。(共同)

■魚卵から駆除 武雄の保養村で環境団体 08/01/07 Yomiuri On Line佐賀
 武雄市の環境団体「武雄温泉保養村の環境を考える会」は、同保養村(武雄町永島)内にある農業用ため池「池の内湖」の外来魚を駆除するため、産卵床の製作を始めた。外来魚が産みつけた卵を処分し、減少している在来魚を守るためで、産卵が始まる3月に70床を湖底に設置する。
 池の内湖は周囲2キロで、コイ、フナなどを釣る市民らも訪れる。1998年以降、外来魚のブラックバス、ブルーギルが確認され、2005年の調査では在来魚のワカサギ、ナマズなどの姿が消えていた。コイなどの幼魚も減っており、外来魚が卵を食べていると見られている。
 産卵床は、農業用苗床に使うプラスチック製の箱(縦30センチ、横60センチ)に砕石を敷き詰め、3方を黒いネットで囲む。目印のペットボトルをひもでくくりつけ、深さ50センチ〜1メートルの湖底に沈め、特注の水中眼鏡で産卵を確認してから、引き揚げて卵を処分する。
 宮城県栗原、登米両市にまたがる伊豆沼・内沼で、ブラックバス退治に効果を挙げており、「伊豆沼方式」として注目されている。
 同会は、池の生態系を守り、環境問題を考えていこうと、周辺の宿泊施設、県立宇宙科学館、武雄高校などで06年9月に発足。水質管理のために水を抜く「池干し」や、釣り大会などを実施している。
 同会代表の一人で、ペンションを経営している宮崎正信さん(55)は「ブラックバスなどを釣ることを楽しみにしている人もおり、外来魚を絶滅させることが目的ではない。外来魚は誰かが池に入れたと思われ、このままでは弱い在来魚がいなくなり自然のバランスが崩れる、というメッセージを送りたい」と話している。

■エコでいこっ! 自分のため 地球のため<5>コブナ釣りし淀川に 城北わんど群 外来魚繁殖防げ 08/01/08 Yomiuri On Line大阪
 「こんなに多いんや」「ちょっと前には、もっといろんな魚がいたのに」
 2007年4月、大阪市旭区の淀川左岸にある城北(しろきた)わんど群で、「琵琶湖を戻す会」が開いた外来魚駆除のための釣り大会。約50キロ分のブルーギルやブラックバスに驚く参加者に、代表の高田昌彦(45)が声をかけた。「岸からは、魚が元気に泳いでいる姿しか見えないでしょう。でもそれはほとんど外来魚なんです」
 外来魚は繁殖力が強く、国の天然記念物のイタセンパラや、フナなど在来種の卵や稚魚を食べてしまう。このため、川や湖固有の生態系が破壊される。府水生生物センターが、淀川と周辺のわんどで04年に行った調査では、1993年に比べブルーギルが43倍、ブラックバスが12倍に増えた。逆にイタセンパラは25分の1に激減していた。
 わんどは、本流の脇にできた入り江状の池やよどみ。水の流れがなく、多様な動植物の生息に適した環境とされる。なのに、城北わんど群では05年を最後にイタセンパラは確認されていない。「わんど群で在来種を食べ尽くした外来魚は共食いまで始めている」。高田は表情を曇らせる。
情報交換きっかけ
 高田は大阪市南区(現中央区)で生まれた。小学生のころ、友だちに誘われ、学校帰りや日曜日に淀川で釣りをするようになった。川釣りが人気を集める前。人のいない河川敷で糸を垂らすと心が落ち着いた。水面を躍るモロコやフナ、タナゴ。釣り上げて手にした時の喜び。魅せられ、琵琶湖にも足を運ぶようになった。
 90年ごろにパソコン通信の掲示板「日淡部屋(にったんべや)」を開設し、淡水魚の情報交換を始めた。「近くの池で釣りをしたら、ギル(ブルーギル)しか釣れなかった」。たわいのないやりとりが、90年代後半から外来魚の話題に変わった。確かに琵琶湖で釣れるのは外来魚ばかり。関西の魚を楽しみにやってきた全国の釣りファンが、がっかりして帰っていった。
 「大変なことになっている」。掲示板で訴えると、予期せぬ反論が寄せられた。「外来魚をなぜ目の敵のように扱うのか」。生態系への影響を何度も説明して理解を求めた。「在来種のことも考えないといけないな」。納得してくれた京都の男性は、00年に設立した会のメンバーに加わった。
 琵琶湖での釣り大会は同年5月が最初で、もう30回を数えた。淀川も琵琶湖と同じ状況になっていることを知ってもらおうと06年4月に城北わんど群で初めて開催。大阪市東住吉区の会社員大槻理(さとる)(47)は、この時の参加者の一人だ。
 「どうして外国の魚をやっつけなあかんの」。大槻と一緒に参加した当時小学1年生のめいは、釣りをする意味が最初はわからなかった。しかし、外来魚ばかりが釣れるのを目の当たりにして変わった。「このままじゃ、日本の魚がいなくなるんや」。2年生になっためいは、07年4月の大会には友人も連れてきた。大槻は「生態系を守ることの大切さを知ってくれたのがうれしい」と言う。
国も対策へ動く
 城北わんど群には17のわんどがある。このうちの5か所と1か所を直径約50センチのパイプで結び、ポンプで水を流す実験が07年12月から始まった。国土交通省淀川河川事務所の新たな外来魚対策で、水流を起こすとともに、水位も変動させる試みだ。「外来魚は水流を嫌う習性がある。逆に、よどみがなくなり、イタセンパラが卵を産み付ける二枚貝の生活環境は改善される。水位の変化もフナなどの産卵行動を活発化させる」。同事務所河川環境課長の志鹿(しか)浩幸(48)は効果に期待を込める。
市民レベルが大切
 こうした行政の動きは高田にも心強い。が、「市民レベルの取り組みこそが一番大切」という思いは変わらない。「地元に住む一人ひとりが身の回りの環境の大切さに気づく。それが、息の長い運動につながる」と信じるからだ。27日に滋賀県草津市で開く情報交換会には、専門家だけでなく同県と鳥取県の高校生も参加し、それぞれの地元の琵琶湖と湖山池での研究成果を披露する。
 小学生のころ、淀川で釣りを始めた高田は驚いた。「都会の真ん中を流れているのに、こんなにたくさん魚がいるんや」。記憶は今も鮮明だ。「あのきれいで豊かな淀川を、子どもや孫の世代まで守りたい。その思いがすべての原動力なんです」(文中敬称略)(坂木二郎、おわり)
◇メモ◇
 外来魚 もともとその土地にいなかったのに、人間の活動に伴って外国などから入ってきた魚。肉食のブラックバスや雑食のブルーギルのように、在来種の生態系に大きな影響を与えるものも多い。環境省や府水生生物センターによると、肉食の外来魚は1970年代に全国で生息が確認され始めた。これまでに確認された外来魚は90種類以上で、現在も数十種類が生息している。

■県立病院の未収解消など求める 県監査委員 13件指摘 08/01/08 京都新聞電子版
 滋賀県監査委員はこのほど、県の機関を対象にした2006年度定期監査の結果を公表した。県立病院患者負担金の収入未済解消など13件を指摘したほか、意見として各部署共用の公用車を増やすことなどを求めた。
 指摘事項では、県立成人病センター(守山市)の患者負担金の収入未済額(07年5月末時点)が前年同期と比べ、約1590万円増え、約8520万円になった。県立精神医療センター(草津市)では約210万円増え、約970万円に上った。また、未償還となっている高校の奨学金は約1080万円増の約2840万円、中小企業への貸付金の未償還も約1730万円増え、約6億7200万円になった。意見では、介護人材不足の解消や琵琶湖の水草繁茂対策など11件を挙げた。
 監査は、県庁内の各課など77機関を対象に、昨年7、8月に実施した。

■琵琶湖の生態系復元、霞ケ浦に学ぶ 大津で研究者らが報告 08/01/09 京都新聞電子版
 霞ケ浦(茨木県)の事例を参考に、琵琶湖生態系の復元を探る研究会が8日、大津市のコラボしが21であった。湖岸の修復・保全をテーマに、それぞれの湖の研究者ら7人が、湖岸の植生の回復策などを報告した。
 植物や魚類の減少、水質汚染など共通の課題を抱える中、環境保全に向けた情報を共有しようと滋賀県琵琶湖環境科学研究センターが開いた。
 霞ケ浦の研究者は、湖の開発で水位が変化し、水生植物のアサザが育ちにくくなっている問題を指摘。地元小学生らと芽を採取して人工的に育てる取り組みを紹介した。かつての植生を復元するため、古い植物の種を含む湖底の土砂を造成地にまく「バンクシード(種の銀行)」の試みが成功している例も報告した。
 琵琶湖の研究者らは、湖岸のヨシの復元のため間伐材を使って湖岸に波消しブロックを置く取り組みや、琵琶湖に流れ込む川に木製の魚道を設置してアユのそ上を回復させた市民団体の事例などを説明した。

■琵琶湖ちょっぴり拡大? 滋賀県が干拓地を復元 08/01/09 Chunichi Web
 琵琶湖周辺に点在し、水路でつながっている小さな湖「内湖」をめぐり、滋賀県は9日までに、干拓され農地になっていた「早崎内湖」を復元する方針を決めた。2008年度予算案に、実施計画策定に向けた測量費など1億1000万円を盛り込む方向だ。
 早崎内湖は復元されれば最大で約89ヘクタールの湖となる。内湖は琵琶湖の一部と見なされるため、法的手続きが整えば、約670平方キロと日本最大の琵琶湖がちょっぴり拡大しそうだ。
 県によると、干拓した湖を再生するのは全国でも例のない試みで、琵琶湖の世界遺産登録を目指す嘉田由紀子知事は「目玉事業」の1つにしたい考えだ。
 県北部の長浜市と湖北町にまたがる早崎内湖は1963年に干拓が始まり、70年に終了した。(共同)

■ラムサール条約申請、県に申し入れへ 近江八幡と安土両市町 08/01/10 京都新聞電子版
 滋賀県近江八幡市と安土町は9日、今月中に西の湖とその下流の長命寺川をラムサール条約に登録申請するよう県に申し出ると正式に発表した。1993年に登録された琵琶湖の対象地を拡大する追加登録を目指し、全国有数のヨシ群落を誇る西の湖周辺の登録を通じて国際的に重要な湿地として保全を図る。
 西の湖のヨシ群落は約109ヘクタールあり、琵琶湖周辺に約20カ所ある内湖全体(186・6ヘクタール)の約6割を占めている。ツルスゲやノウルシなど、県のレッドデータブックで貴重種に選定されている植物が17科26種あるほか、ヨシ群落で羽を休める鳥類も37科124種が確認されている。
 両市町は、開発地を除く申請対象地の面積調査を終えた後、県に登録申請を求める申し入れ書を提出、10月末に韓国・昌原市で開幕する条約締約国会議での認定を目指す。同条約に登録されても、新たな規制はかからないという。

■県立琵琶湖文化館:休館撤回求める 4学会、県に要望書 08/01/10 毎日jp滋賀
 全国の研究者や学芸員で作る「日本史研究会」(京都市、高橋昌明代表)など4学会は8日、県立琵琶湖文化館の休館方針の撤回を求める要望書を嘉田由紀子知事、斎藤俊信教育長、出原逸三県議会議長に提出した。
 県は先月発表した「財政構造改革プログラム」で、同館を今年3月末で休館し、収蔵庫として残す方針を示している。
 4学会は同館について「仏教美術、湖国に根ざした展示は地域学習の格好の場で、県内の寺院や神社から多くの寄託を受け、学芸員が信頼関係を培っている」と県の文化財行政の中核を担っていると指摘。「収蔵機能だけを残しても、こうした活動を維持できなければ、文化財の県外流出・散逸も懸念される」と危ぐを表明した。
 このため▽休館方針を撤回し、従来機能を存続▽学芸員の雇用確保、調査研究環境の整備▽文化財行政の予算の確保−−などを求めた。【蒔田備憲】

■「せっけん運動」びわ湖会議、今春解散へ…結成から30年 08/01/10 Yomiuri On Line
 滋賀県の主婦らがつくった「びわ湖を守る水環境保全県民運動」県連絡会議(びわ湖会議)が10日、今春で解散する方針を決めた。
 結成から30年。琵琶湖の環境を守ろうと、粉せっけんの普及に努めた「せっけん運動」の中心組織だった。国や県を動かし、住民による環境保全運動の草分けとして注目されてきたが、メンバーの高齢化も進み、「住民運動の歴史的使命を終えた」としている。
 せっけん運動は、1977年5月に琵琶湖で家庭用合成洗剤のリンが原因とみられる赤潮が大量発生したのを機に、同県高島市の主婦林美津子さん(83)らが始めた。78年に同会議の前身を結成。トラックに洗濯機を積んで県内を回り、粉せっけんの効果を訴えた。運動は環境行政に影響を与え、県が80年、有リン洗剤の使用などを禁じる琵琶湖富栄養化防止条例を施行。国も84年に湖沼水質保全特別措置法を制定した。
 その後、琵琶湖の水質も徐々に改善。運動はごみ減量や省資源化などへと変わったが、中心メンバーが70〜80歳代になり、当初122あった会議の加盟団体も87に減っていた。
 林さんは「運動を通じ、人々が手をつなぐことの大切さを学んだ。30年も続いたことは私たちの誇り。次代も若い人たちが形を変えて運動を引き継いでくれれば」と話している。

■アメリカナマズ捕獲、漁業大丈夫? 海津・津屋川 08/01/11 Chunichi Web岐阜】
 在来種への悪影響が懸念されるとして、環境省の「特定外来生物」のリストに入っている北米原産の「チャネルキャットフィッシュ」が、海津市南濃町の津屋川で捕獲された。この外来魚は「河ふぐ」のブランド名で飛騨市河合町の下小鳥湖で養殖されているが、県水産課によれば、これまで県内の湖沼や河川で捕獲が報告された例はないという。
 同町駒野の無職菱田和雄さん(78)が昨年十二月二十七日、仕掛け網に掛かっているのを見つけた。体長約四十センチ。「長年川に入っているが、見たことがない魚なのでとにかく驚いた」と話す。
 県水産課によれば捕獲の報告例はなく、県内の各漁協を対象に毎年実施している外来魚の漁業被害のアンケートでも名前は挙がっていないという。「恐らく誰かが放流したのだろう」としている。
 チャネルキャットフィッシュはナマズ目イクタルルス科の魚類。アメリカナマズの通称があり、最大で体長一メートル以上に達する。魚類だけでなく、甲殻類や小型のほ乳類なども食べる。
 国内には一九七一年に持ち込まれた。繁殖した茨城県の霞ケ浦で漁業被害が発生したことや、海外でも在来種への悪影響が報告されていることなどから、環境省は二〇〇五年、オオクチバス(ブラックバス)やブルーギルなどとともに、放流や許可施設以外での飼育などを禁じ、罰則規定を設けた特定外来生物に指定した。
 同省外来生物対策室は「霞ケ浦以外でも、いくつかの地域で生息が確認されている」としている。(後藤厚三)

■ラムサール条約登録を 08/01/11 asahi.com滋賀
【安土町と近江八幡市 今秋、申請予定】
 近江八幡市と安土町は、琵琶湖最大の内湖・西の湖とその下流、長命寺川を湿地保全のため、ラムサール条約への登録を目指す方針で、近く県に申し出る。今秋、韓国で開かれる締約国会議に申請し、認定を受ける予定だ。
 西の湖は、県内内湖全面積の約半分を占める220ヘクタール。水深は平均1・5メートルで長命寺川を通じて琵琶湖へと注いでいる。西の湖のヨシ群落は近畿地方で最大級の109ヘクタールあるほか、貴重種に選ばれている植物は絶滅危惧(きぐ)種のヌマゼリなど17科26種を数える。
 確認されている鳥類は37科124種に及び、水面やヨシ群落は鳥のエサ場やねぐら、繁殖地になっている。一帯では漁業やヨシ加工業、和船観光業に加え、散策、釣りなど憩いの場として活用されている。
 ラムサール条約は締約国(現在154カ国)が独自に貴重な湿地を選定、国内法で保全・再生に努めながら、そこから得られる恵みを活用することをうたっている。
 日本で登録された湿地は33カ所あり、93年には琵琶湖が選ばれているが、内湖は含んでいない。今回の申請は、琵琶湖の区域を拡大する追加申請となる。
 近江八幡市側の西の湖や八幡堀を含む「近江八幡の水郷」は06年1月、重要文化的景観の全国第1号として国の選定を受けているが、新たに登録されると、国際的にも重要な湿地との位置づけになる。

■びわ湖検定:骨子決まる 第1回試験は11月 県内の歴史、観光、環境題材に 08/01/11 毎日jp滋賀
 琵琶湖など県内の歴史や観光の知識を問う“ご当地検定”の「びわ湖検定」の実行委員会(委員長=重野良寛・淡海環境保全財団理事長)はこのほど、検定の実施要項の骨子を決めた。第1回試験を11月下旬に県内3カ所で開く他、公式問題集となるテキストを4月をめどに発行する。実行委は「観光だけでなく、環境面を含めた特徴ある検定にしたい」としている。
 それによると、正式名称を「びわ湖検定(近江環境・観光検定)」とし、1〜3級を設け、それぞれ7〜9割の正解で合格とする。年1回の開催で、受験資格は設けないが、最上級の1級は2級合格を条件とし、第1回検定では2、3級だけを実施する。試験会場は大津、草津、彦根各市の計3カ所を予定している。
 また、試験問題を一部公募するほか、県内の観光地にスタンプを設け、それを得点の一部に加えることも検討するという。【阿部雄介】

■ラニーニャ影響弱く暖冬? タンポポ開花、遅い初氷 08/01/12 京都新聞電子版
 南米ペルー沖で海面水温が下がり、日本列島に厳しい寒さをもたらすとされる「ラニーニャ現象」が昨年春以降、継続中だが、年明け後は西日本を中心に5月並みなど春のような陽気の日が多い。記録的なタンポポの早咲きや遅い初氷が観測されるなど、厳冬にはほど遠い状態だ。
 ラニーニャは2005−06年の厳冬の一因とされる。気象庁は「今冬は寒気が南下しにくい気圧配置になることが多かった。ラニーニャは今のところ、寒気を呼び込むほどの影響力はないようだ」と説明。地球温暖化の影響の可能性も否定できないとしている。
 季節の風物詩にも異変が。那覇ではヒカンザクラが平年より16日早い1月3日に開花。京都ではタンポポが約2カ月、59日も早い8日に咲いた。いずれも観測史上トップの早咲き記録だ。
 初氷の観測は、津で平年より30日も遅れ元日、東京都心は22日遅い2日で、歴代2番目の遅さだという。(共同通信)

■冬のびわ湖を満喫 大津−長浜、「雪見船」運航 08/01/12 京都新聞電子版
 湖上から冬景色をめでる恒例の「びわ湖雪見船クルーズ」(びわ湖雪見船協議会、琵琶湖汽船主催)が、12日から始まった。今年から竹生島に上陸するプランが加わり、乗客は湖国の冬の旅情を味わった。
 雪見船は、長浜盆梅展の開催時期に合わせて毎年運航しており、大津港(大津市)と長浜港(長浜市)間を往復する。
 この日は午前10時から観光客9人が乗船した。積雪は見られなかったが、竹生島で宝厳寺を参拝したり、船内で土産のにごり酒を飲んで船旅を満喫した。
 雪見船は3月10日までで、完全予約制。1月は土・日曜と祝日のみ(団体客なら平日も可)で、2月以降は毎日運航する。大人の料金は片道2300円、往復4000円。小学生以下は半額。予約や問い合わせは琵琶湖汽船雪見船係Tel:077(524)5000へ。

■強風でダイヤ乱れる JR湖西線 08/01/12 京都新聞電子版
 12日午後2時ごろ、大津市のJR湖西線近江舞子駅で風速計が規制値の秒速20メートル以上に達し、その後も断続的に25メートル以上を記録したため、JR西日本は堅田−近江今津両駅間で運転を見合わせたり、特急列車の路線を変更するなどした。この影響で、34本が運休し、29本が最大で約4時間遅れた。湖西線を通って大阪と北陸方面を結ぶ特急列車16本が東海道線に経路変更するなどダイヤが乱れて、約1万3000人に影響が出た。

■近江八幡市:ラムサール条約、西の湖など追加登録を 今月中に県に申し出 08/01/13 毎日jp滋賀
 近江八幡市は安土町と共に琵琶湖の内湖「西の湖」と下流の長命寺川について、湿地と水鳥を保全する国際条約「ラムサール条約」への登録を目指し、今月中に県に申し出ることになった。県とは事前調整済みで、県は今後、環境省と協議をし、10月末に韓国である締約国会議に提案される見通し。
 水鳥の生息地として重要な湿地を国際的な基準に従って指定する同条約湿地は国内では釧路湿原など33カ所あり、琵琶湖も93年に登録。しかし、琵琶湖の内湖は、まだ登録されておらず、同市などが3年前から貴重な動植物の宝庫の西の湖と周辺を追加登録するように働きかけていた。
 同市の市民環境課によると、同市と安土町にまたがる西の湖は広さ約220ヘクタールで、長命寺川を約3キロ流れて琵琶湖に注ぐ。貴重種に選定されている植物は17科26種、鳥類は37科124種を数え、周辺のヨシ群落とともに植物地理学上、極めて貴重な場所だという。
 同課は「西の湖とその周辺は、登録に必要な『生物多様性の維持に重要な動植物を支えている湿地』など国際基準をクリアしており、環境省が申請すれば、締約国会議で認められるはず」と自信。3年に1度の同会議が韓国であるのを機に「ぜひ登録を」と期待している。【斎藤和夫】

■くちばしに釣り糸、クロツラヘラサギを捕獲 沖縄 08/01/13 asahi.com
 環境省は13日、沖縄県豊見城市の池周辺で、くちばしに釣り糸が絡まった絶滅危惧(きぐ)種の渡り鳥「クロツラヘラサギ」の捕獲作戦を実施した。昨年末に見つかったが、口がほとんど開かないため、十分なえさを食べることができずに衰弱死する恐れが出ていた。午前7時に着手し、約11時間後に捕獲に成功。那覇市内の動物病院に運んで糸を取り除いた。
 同省によると、クロツラヘラサギはトキ科で、世界で約1600羽しか生息しておらず、近い将来絶滅の危険性が高い「絶滅危惧1A類」に指定されている。
 クロツラヘラサギが遊水池にいるところを狙って、縦13メートル、横18メートルのネットを火薬ロケット式の装置で飛ばす「ロケットネット法」で捕獲する作戦だった。だが、この日は遊水池に飛来せず、午後6時ごろ、近くの干潟そばにいるところを、捕獲関係者が素手で捕まえたという。
 けがはないが、通常約2キロの体重が約800グラムしかなく、かなり衰弱している。しばらく入院させて様子を見るという。

■釣り客2人不明 琵琶湖、和船で出発 08/01/13 Chunichi Web
 13日午後8時ごろ、滋賀県甲良町の女性から「義理の弟が友人と琵琶湖に船釣りに出て戻ってこない」と110番があった。木之本署などが捜索したが見つからず、午後10時半に捜索を打ち切った。14日朝から捜索を再開。
 調べでは、2人はいずれも同県彦根市に住む女性の義弟で会社員の男性(47)と自営業の男性(43)。
 13日午前8時半ごろ、同県西浅井町の港から、近くの民宿で借りた6人乗りのエンジン付き和船でビワマス釣りに出発。正午ごろいったん港に戻り、午後2時半ごろ再び出港したという。
 別の船で釣りをしていた仲間の男性2人は、天候が悪くなったため、午後4時ごろに帰港した。
 彦根地方気象台によると、琵琶湖には強風注意報が出ていた。(共同)

■彦根の男性釣り客2人不明 琵琶湖、和船で出発 08/01/14 京都新聞電子版
 13日午後8時ごろ、滋賀県西浅井町大浦から琵琶湖に和船で釣りに出かけた彦根市の会社員男性(47)と同市の自営業男性(43)が帰ってこないと知人から県警に通報があった。
 木之本署によると、2人は計4人でビワマス釣りのため、同日午前8時半ごろから和船2隻に分かれ、出港した。4人はいったん帰港し、午後2時30分ごろ再び琵琶湖に出た。1隻は強風のため午後4時ごろ帰港したが、男性2人が乗ったもう1隻は戻ってこなかった。2人は携帯電話を持っているが、連絡がとれない状態という。
 彦根地方気象台によると、湖北地域は12日夜から強風注意報が発令されていた。
 滋賀県警は周辺を捜索したが、午後10時半で警備艇の捜索をいったん打ち切った。沿岸からの捜索は続けている。

■どうなる結論?大紛糾の予感 再放流禁止問題 08/01/14 Yahoo! News
 長野県内水面漁場管理委員会(漁場管)が指示しながら4年半以上も実施棚上げになっていたブラックバスなど外来魚の再放流(リリース)禁止問題は、メンバーが替わった漁場管で再検討を行った結果、県内全域で原則的に禁止とする方針が昨年末に決まった。しかし、議論の経緯を「不可解」とする委員もいる。またバス釣りを観光資源として活用している野尻湖や木崎湖には、十分な拡散防止策を施せば再放流禁止解除−という道が残されているが、解除の条件次第では大きな反発が予想される。(高砂利章)
 「納得がいかない。外来魚小委員会での検討は何だったのか」−。漁場管委員を務める野尻湖漁業協同組合の松木照武組合長は、再放流の全水域禁止という方針決定に憤りを隠さない。
 野尻湖畔にはバス釣り客相手の宿泊施設やボート小屋が15軒ほどあり、宿泊費やボート代、食費を中心に年間5億円が使われるという試算もある。しかし漁協青年部が平成16年に釣り客約 800人を対象に行った調査で、「リリース禁止となっても野尻湖に来るか」という問いに対し、「来ない」4割▽「来る回数が減る」4割▽「今まで通り」2割。関係者からすると再放流禁止は死活問題となっている。
□「一部除外」が多数
 再放流禁止問題をめぐって、漁場管は昨年6月、松木組合長を含む漁協関係者や学識経験者ら6人による外来魚小委員会を設置。議論を重ね、最終的に「全水域禁止」という案を支持した委員が2人、「外来魚を活用している水域を除いた形での禁止」という案が4人−という結果だった。しかし12月5日に開催された本委員会で沖野外輝夫会長(信州大学名誉教授)が提案したのは「県内全水域で原則的に禁止」とする方針だった。
 提案前には全委員からそれぞれの意見を聞いているが、実際には「全水域禁止」とする方針を印刷した紙は委員会開会前から用意されており、各委員の意見とはまったく関係ない形でこの方針が出されている。
 沖野会長は取材に対して11月頃には「全水域禁止」とする方針を自身の判断で決めたことを認め、小委員会で大勢を占めた案を覆した理由について、「小委員会の検討結果はあくまで参考意見。一部を除いて再放流禁止という形も、全水域禁止で申請すれば除外される形でも、内容的にはそれほど大きな差はない。それならば『全水域禁止』という形で、誰にでも分かりやすく簡潔で単純にした方が効果が高いと考えた。『一部を除く』とすれば、その一部をどうするかでまた議論が長引いた」と説明した。
 しかし、ある委員は「中立の立場にあるべき会長が、2つある案のうちの1つ、しかも専門家で作る委員会で賛成少数だった側をわざわざ取り上げて提案するというのはおかしな話」と反発、「結果的に、漁場管の事務局を務める県園芸物産課が望む形の結論となった」と指摘する。
 一方、沖野会長は「委員から反対意見が多ければ修正するつもりだった」と述べ、あくまで1つの提案だったとする。
□委員辞職や訴訟も
 再放流禁止は県内全水域が対象だが、漁協などの除外申請に基づいて漁場管が「当該水域からの拡散・逸出が防止されている」と認めた場合には、水域を限定して再放流禁止を解除できる。2月開催予定の次回委員会では、拡散防止策の内容や、解除を受けるにはいったん再放流禁止をしなければならないか−など、具体的な中身が決定される。
 松木組合長は「もし一時的であれ、リリース禁止にしなければならないのなら、受け入れることはできない。いったん釣り客が離れたら取り戻すのは困難だし、その間、収入を失う人たちもたくさんいる。そうなるなら、抗議の意味を込めて委員を辞職したい」と決意を語る。組合内でも、仮に再放流禁止の実施で経済的な打撃を受けた場合は、県あるいは漁場管を相手取って訴訟を起こすという強硬な意見もあるといい、今後も紆余曲折が予想される。
        ◇
【用語解説】再放流(リリース)禁止
 水域に古来から生息する魚などを食べ、生態系に影響を与えるブラックバスやブルーギルなど外来魚を減らすのが再放流禁止の目的。外来生物法ではこうした魚を水域外に持ち出すことを禁じており、再放流を禁止すれば釣った魚を殺処分しなければならなくなる。
 バス釣りなどスポーツフィッシングの世界では食べない場合は釣った魚を逃がす「キャッチ・アンド・リリース」をする釣り人が多く、魚を殺さなければならない再放流禁止には反発が強い。また、バスはリリースしても死んでしまうケースが少なくないことから、再放流禁止で釣り人が減るくらいなら、釣り人にたくさん釣ってもらって再放流したほうが実際の外来魚駆除効果は高い−という考え方もある。
(産経新聞)

■琵琶湖で男性2人発見 1人は死亡、1人応答せず 08/01/14 京都新聞電子版
 琵琶湖で船釣りに出たまま行方不明になった男性2人を捜索していた滋賀県警は14日昼、高島市新旭町の約1・5キロ沖で湖面に浮いている男性2人を発見、救助したが1人の死亡が確認された。
 もう1人も呼び掛けに応えない状態で、病院に搬送した。警察で身元の確認を急いでいる。
 釣り客2人は13日午後、和船で釣りに出たまま戻らないと110番があった。(共同通信)

■不明の2人、遺体で発見 高島沖の琵琶湖 船転覆か 08/01/14 京都新聞電子版
 滋賀県西浅井町から和船で琵琶湖に釣りに出かけ、行方不明になっていた彦根市の男性2人が14日昼ごろ、高島市新旭町の沖で見つかったが、死亡が確認された。
 木之本署によると、彦根市西今町、会社員尾本光史さん(47)と同市犬方町、食品加工卸売業中村幸夫さん(43)で、乗っていた船は見つかってない。
 尾本さんは沖合約2・3キロ、中村さんは同約3キロの湖面で発見された。2人とも救命胴衣を着用していた。死因は水死とみられる。
 尾本さんらは仲間4人で、13日午前8時半ごろ、西浅井町大浦から和船2隻に分かれて、高島市マキノ町の海津大崎方面に向かった。昼食のためいったん帰港して再び出港し、1隻は強風のため午後4時ごろに戻ったが、尾本さんと中村さんは戻ってこなかった。
 14日は朝から、県警や湖北地域消防本部、地元漁協などから約100人が出て、警備艇や漁船計9隻と県警ヘリコプターで捜索していた。
 彦根地方気象台によると、12日夜から湖北地域では強風注意報が発令されていた。

■釣りの男性2人死亡 琵琶湖でボート転覆か 08/01/14 asahi.com
 14日昼ごろ、滋賀県高島市新旭町藁園の沖合の琵琶湖で、エンジン付きボート(長さ約10メートル)で釣りに出たまま行方不明になっていた同県彦根市犬方町の自営業中村幸夫さん(43)と、同市西今町の会社員尾本光史さん(47)が浮いているのを、県警の警備艇などが見つけた。いずれも心肺停止状態で、まもなく死亡が確認された。県警木之本署はボートが転覆し、湖に投げ出されて水死したとみている。
 調べでは、2人は13日午前8時半ごろ、同県西浅井町の大浦漁港を出港し、高島市沖でビワマス釣りをしていた。同日午後4時ごろ、別のボートに乗った友人らが目撃したのを最後に行方が分からなくなり、県警などが捜索していた。

■京への乗り入れ延長、利用をPR 京阪浜大津駅で時代劇披露 08/01/15 京都新聞電子版
 京阪電鉄京津線の京都市営地下鉄東西線への乗り入れ区間が16日から延長されるのをアピールするイベントが15日、大津市の京阪電鉄浜大津駅であった。
 東西線の二条−太秦天神川駅間が開通するのに伴い、京津線の乗り入れ区間はこれまでの京都市役所前駅から太秦天神川駅まで延び、浜大津駅−太秦天神川駅間を約35分で結ぶ。昼間は太秦天神川駅行きと市役所前駅行きが約15分ごとに交互運転する。
 この日、京都市の東映太秦映画村の時代劇俳優3人が、乗り入れ区間延長の便利さを寸劇で演じ、市民にチラシを配った。大津市御幸町の主婦仁科令子さん(52)は「昔は子どもと映画村に行っていた。孫とも行きたかったので便利になってうれしい」と喜んでいた。

■「びわポン」です 大津地検が広報キャラ 08/01/15 京都新聞電子版
 来年5月までに始まる裁判員制度や地方検察庁の業務に、市民にも関心を持ってもらおうと、大津地検が広報キャラクターを作った。
 このキャラクターは信楽焼のタヌキとビワコオオナマズが合体した「びわポン」。それぞれが、県の総面積の約半分を占める森林と、琵琶湖を表し、自然の豊かさを表現している。同地検の全職員がアイデアを持ち寄り、企画調整課がデザインした。
 今後、職員たちが、びわポンをデザインしたペンや携帯電話のストラップなどを市民にも配りながら、裁判員制度への理解や協力を訴える。同課は「専門家とは違う市民感覚を裁判に生かしていく上での転換期。裁判に関心を持ってもらうきっかけになれば」としている。

■一般会計 17年ぶり5000億円割る 08年度滋賀県予算見積額 08/01/15 京都新聞電子版
 滋賀県は15日、2008年度当初予算の編成に向け、各部局からの見積要求額を発表した。一般会計の歳出見積額は4991億円で、本年度当初予算の歳出額を1・6%、82億円下回った。財政難を受けて策定した「新たな財政構造改革プログラム」に基づき広範な分野で要求を抑制した結果、08年度の一般会計当初予算の歳出は17年ぶりに5000億円を割り込む見通しとなった。
 一般会計の見積額が前年度当初予算比で減額になるのは2年ぶり。新年度から3年間で最大460億円と見込まれる財源不足に対応するため、同プログラムでは分野を問わず、08年度で140億円の事業費削減を盛り込む。
 この影響で、政策や事業にあてる行政経費の見積額は2501億円と、本年度当初予算と比較して4・7%(123億円)減った。
 一方、ピークを迎える県警本部の新庁舎建設は51億円、県立学校の耐震対策は6億円、それぞれ本年度当初予算に比べて増加した。
 給与費は職員給与のカット継続もあって0・2%(4億円)マイナスの1744億円。公債費は地方交付税の減額分をカバーする臨時財政対策債の償還などにより、6・4%(45億円)増加した。
 08年度予算の原案は、今月下旬から知事が査定し、2月上旬に固まる予定。

■一般会計要求額1・6%減 県が新年度当初予算発表 08/01/16 Chunichi Web滋賀
 県は十五日、二〇〇八年度当初予算の見積額を発表した。財源不足に対応するため、〇八年度から取り組む「新たな財政構造改革プログラム」に沿って、大型の継続事業を抱える部署を除き、圧縮。一般会計の要求総額は四千九百九十一億円で、前年度当初と比べ1・6%減と、二年ぶりにマイナスとなった。
 今後、予算案確定に向け、財政課は「基本的には減額する」方針。このため、〇八年度当初予算は、一般会計で一九九一年度以来、十七年ぶりに四千億円台になりそうだ。
 同課によると、行政経費は前年度当初比で百二十三億円減の二千五百億円。給与費は四億円減の千七百四十四億円となった。借金返済に充てる公債費は七百四十億円で、四十五億円増額した。
 事業別にみると、道路や土地改良など公共事業費は、百八億円減の四百十一億円。本年度で整備が終了する養護学校施設整備費や、〇八年度から「後期高齢者医療制度」に移行する老人医療給付費の県負担金が大幅減となった。
 一方、工学部を新設する県立大学や、新庁舎の建設を進める県警本部の施設整備費が前年度と比べて増えた。
 県はこれまで、〇八年度以降の三年間で毎年、四百億円以上の財源不足が生じると試算。このため、財革プログラムに基づき、期間中は毎年度、百五十億円程度の事業費削減を進める。
 予算編成作業は、歳入の見通しを見極めながら、今月下旬から知事査定を開始。二月上旬には予算案として固める。(本安幸則)

■アルミ製ボート盗難 新見千屋ダム ステンレスの柵も 08/01/16 山陽新聞WEB NEWS
 新見市坂本、菅生地区にまたがる千屋ダム湖と周辺で、新見漁協が釣り客に貸し出しているアルミ製ボート1艇(20万円相当)と、ステンレス製の車止め柵3基(計24万円相当)が盗まれていたことが15日までに分かった。新見署は金属製品を狙った窃盗事件の可能性もあるとみて調べている。
 千屋ダム管理事務所(同市菅生)によると、昨年12月25日午後5時ごろ、巡回中の職員がダム湖内のボート(長さ約3メートル、幅約1メートル)の盗難に気付いた。国道180号沿いのダム管理道入り口(同市千屋実)にある逆U字形の車止め柵(高さ0・65メートル、幅1・5メートル、重さ16・5キロ)もなくなっていた。同21日夕には異常なかったという。
 ボートは重さ約30キロで新見漁協が組合員から借り、昨年11月からワカサギ釣り客に有料で貸していた。湖岸の看板の支柱に鎖をかけてつないでいたが、鎖の南京錠が壊されていた。近くにあったグラスファイバー製ボートは無事だった。

■京阪浜大津駅で1番電車が発車 地下鉄乗り入れ区間延長 08/01/16 京都新聞電子版
 京都市の地下鉄東西線二条−太秦天神川間の開通に伴い、京阪電鉄京津線の乗り入れ区間も、京都市役所前から太秦天神川まで延長され、16日朝、大津市の京阪浜大津駅で1番電車の発車式があった。
 午前6時25分ごろ、最初の太秦天神川行電車が駅に入ると、集まった人たちから拍手がおこった。この後、大津市の佐藤賢副市長と泉恒彦市議会議長、西田寛びわ湖大津観光協会長がテープカットを行い、32分に1番電車が発車した。
 乗り入れ区間の延長で、直通で行き来できる範囲が広がるため、西田会長は「京都と大津の間の交流がより活発になり、街の活性化につながれば」と話していた。

■東レ、グループ商社を統合−消費財市場の事業基盤強化 08/01/17 日刊工業新聞Business Line
 東レは17日、100%子会社の東レアイリーブ(東京都新宿区)と東レフィッシング(大阪市西区)を4月1日付で東レインターナショナル(東京都中央区)に統合すると発表した。消費財市場での事業基盤強化が目的で、今回の統合により東レインターナショナルは、繊維やプラスチックなど中間財から消費財までをグローバルに取り扱う商社として機能を拡充する。
 東レアイリーブは家庭用浄水器や超音波歯ブラシ、サングラスなどの商品を、東レフィッシングは釣り糸や釣り用衣料品をそれぞれ国内販売している。多様化する消費者ニーズに対応するため、東レインターナショナルが国内外に保有する調達網と販売ネットワークを最大限活用することにした。
 東レグループは、中期計画で国内関係会社の統合・再編を進めており、今回の統合はその一環。07年9月に実施したファッションアパレル事業関連子会社の統合に続くもの。

■うみのこ「今後も続けたい」 滋賀県教育長が意向 08/01/17 京都新聞電子版
 滋賀県教委の所有する学習船「うみのこ」について、斎藤俊信教育長は17日、定例会見で「今後も続けていきたい」との意向を述べた。現在の「うみのこ」は進水以来、今年で25年を迎えるが、一般的な船の耐用年数は25−30年とされる。県教委はこのほど発表された当初予算見積り要求に、新船建造費積立基金を創設、3000万円を計上した。
 斎藤教育長は「うみのこは滋賀らしい取り組みで絶やしたくない思いがある。10年先を見据えたときに、今から(新造船を)考えなくてはいけない」と話した。
 うみのこは1983年に進水した。県内全小学5年を対象に1泊2日で環境学習などを行っており、これまでに約40万人が乗船したが、老朽化が進み、2001年にはエンジンを換装した。新船建造には約30億円が必要という。

■ブルッ…目覚めたら雪 08/01/18 京都新聞電子版
 17日明け方から降り続いた雪で、大津市内がうっすらと雪化粧した=写真、吉川宏暉さん撮影。彦根地方気象台によると、この日の同市内の最低気温は零下0・2度(午前8時)を記録。高島市の山間部付近を強い雪雲が覆い、県南部や湖西地域を中心に雪が降った。18日は曇りの見込みという。

■琵琶湖に“特定外来植物”7種、ブラックバスの二の舞か 08/01/20 Yomiuri On Line
 特定外来生物に指定されている「ナガエツルノゲイトウ」などの植物が、琵琶湖や周辺の水域で繁殖を始めている。
 生態系への悪影響が懸念される種だが、滋賀県は漁業被害が出ていないことから、これらの対策は手つかず。「財政事情が厳しく、すぐ対策に乗り出すのは難しい」と説明するが、専門家は「このままではブラックバスやブルーギルの二の舞いになる」と早期の対策を訴えている。
 県琵琶湖環境科学研究センターによると、繁殖が確認された特定外来生物は、南米原産のナガエツルノゲイトウ(ヒユ科)のほか、ミズヒマワリ、ボタンウキクサなど7種。ナガエツルノゲイトウは2004年に彦根市で、ミズヒマワリは07年に草津市で初めて確認された。ボタンウキクサは1999〜04年に四つの内湖で見つかり、07年には湖の南部でも繁殖していた。
 琵琶湖では近年、特定外来生物ではないが、同じ外来植物のオオカナダモ、ホテイアオイが広範囲で繁殖し、完全駆除は不可能とされている。外来植物が繁殖すると、在来植物の生育地が奪われ、水草に産卵する魚への影響なども懸念される。しかし、今回確認された7種は繁殖地が限られ、今なら根絶できる可能性が高いという。
 県は外来魚の駆除では、02年度から多額の予算を投じ、07年度には2億円を計上。外来植物でも、漁船のスクリューに絡まるなどの被害が出たオオカナダモの駆除などには8400万円を盛り込んだが、特定外来生物を対象にした取り組みはしておらず、駆除はボランティアが担っているのが現状だ。
 ナガエツルノゲイトウの群生が確認された彦根市柳川町の神上沼(約6・5ヘクタール)では07年11月、滋賀県立大の学生らが駆除にあたった。同大学の浜端悦治准教授(57)は「今食い止めなければ、すぐに琵琶湖全体で繁殖してしまう」と警鐘を鳴らしている。

■強風で運休や特急の経由変更 JR湖西線 08/01/21 京都新聞電子版
 21日午前5時15分ごろ、大津市南小松の比良川で、風速計が秒速25メートル以上を記録したため、JR湖西線の堅田−近江今津駅間で、列車の運休や特急の経由変更が発生した。その後強風は収まり、午前7時に運転を再開した。
 JR西日本によると、同駅間で9本が運休したほか、9本が最大約2時間遅れた。湖西線を経て大阪と北陸方面を結ぶ特急8本もJR東海道線経由に路線を変更したため、合わせて約8100人に影響が出た。

■琵琶湖の環境改善促進へ議連発足 京滋の自民党国会議員ら 08/01/22 京都新聞電子版
 琵琶湖で水環境の悪化や生態系の乱れが指摘される中、滋賀県や京都府選出の自民党国会議員らが22日、「琵琶湖の環境改善を促進する議員連盟」を発足させた。今国会中に、水質保全や漁業振興を目的とした法整備を目指す。
 議連は、水草の異常繁茂や外来魚の増加、湖底の低酸素化など、琵琶湖で悪化する環境問題の対策強化を図るのが狙い。伊吹文明幹事長や谷垣禎一政調会長らが発起人となり、流域の2府2県から衆参議員37人が加盟した。
 党本部での設立総会では会長に岩永峯一元農相、幹事長に宇野治外務政務官ら役員を選び、出席者が意見交換。今後、整備を目指す「琵琶湖水質保全法(仮称)」の必要性を確認しあった。岩永会長は「われわれにはきれいな琵琶湖を残す責任がある。流域の自治体や国と一体となって取り組みたい」と呼びかけた。

■カワウの生息数減少 滋賀県内の繁殖地、調査開始来初 08/01/23 京都新聞電子版
 異常繁殖しているカワウについて、滋賀県は23日、県内2大繁殖地となっている竹生島(長浜市)と伊崎半島(近江八幡市)の昨年秋の生息数がともに減少したことを、調査開始以来初めて確認したと発表した。両地域合わせて前年同期比で約6000羽減っており、県は「銃器駆除などの対策で、繁殖による増加分を一定抑えられた」とみている。
 調査は2004年から、カワウが県内に飛来する春と繁殖を終える秋に行っている。昨秋の調査では、竹生島で約4700羽少ない約2万9000羽、伊崎半島では約1100羽減の約7800羽だった。従来はどちらか一方の地域で減少しても、もう一方で増えていた。
 県自然環境保全課は「両地域でともに減っても、よそに別の繁殖地をつくる事態も懸念される。原因などを慎重に検討したい」と話している。
 ただ、繁殖による増加分は抑制したものの、生息数そのものを減らす効果は見込めないため、県は銃器駆除を本年度で廃止する方針を決めている。このため県は、漁業被害と植生被害を軽減・防止する対策に重点を置いた総合対策プロジェクトも同日、併せて示した。
 具体的には、ふん害で樹木が枯れている竹生島では巡回や巣落としを強化、はえ縄漁業の漁具にカワウが引っかかる針などをつける実証実験も新年度から実施することにしている。

■花粉、九州・西中国は少なめ 環境省予測 08/01/24 asahi.com
 花粉症に悩む人には過ごしやすい春になるかもしれない。環境省は花粉飛散量の予測調査で、九州、西中国の今春の飛散量が例年より大幅に減ると見込んでいる。スギ、ヒノキの花粉の飛散が少なくなると予想しているためで、各県の飛散量は例年比48〜95%(速報値)にとどまるという。専門家は「症状が出ないわけではないが、軽く済む可能性がある」と指摘。一方、シーズン到来は例年より早まるとみられ、環境省は「患者さんは早めの対策を」と呼びかけている。
 気象予測やスギ、ヒノキの実態調査の結果をもとに環境省が発表した。1月末から5月までに出現する花粉(スギ・ヒノキ科)総量の予測速報値は、福岡県が1平方センチあたり1943個。過去10年間の結果から出した例年比で62.9%、昨年比では85.7%の低水準。1733個の宮崎県は昨年比は92.7%だが、例年比では49.7%に半減しそう。島根県の飛散量は9県で最低の見込みだ。
 環境省や調査に協力したNPO花粉情報協会(千葉県)は、昨年の初夏ごろの日照時間が少なく雨が多かったことなどがスギやヒノキの発育に影響し、飛散量を抑える効果が働くとみる。同省環境安全課の担当者は「飛散量が減って症状が和らぐ可能性はあるが、油断はできない」と話す。冷え込み直後に暖かくなると花粉が飛びやすく、今年は例年より1週間ほど早く、2月中旬までには九州、山口に花粉前線が現れると予想している。
 同省によると、花粉飛散量は気象に左右されやすく、スギ・ヒノキ花粉がほぼゼロの北海道北部や沖縄を除くと予測値は全国的にばらつきが目立つ。東北や東海地方は例年以上と予測され、例年比238%の青森県、184%の秋田県など「当たり年」の地域もある。花粉症の患者は人口の約16%いるとされ、30〜50代が目立つという。

■JR湖西線乱れる 強風の影響で 08/01/24 京都新聞電子版
 24日午前8時半ごろ、JR湖西線永原−近江塩津駅間(滋賀県西浅井町)で、風速計が規制値の秒速20メートルを記録し、同9時40分には近江中庄(高島市)−永原駅間でも規制値に達した。JR西日本は午前中、徐行運転や特急の路線変更を行い、遅れや部分運休でダイヤが乱れた。

■カワウ銃器駆除中止 県、来年度 「費用対効果薄い」 08/01/24 Yomiuri On Line滋賀
 カワウによるアユの食害や樹木の枯死などが全国的な問題となるなか、竹生島(ちくぶしま)(長浜市)などに国内最大規模の営巣地を抱える県は23日、2004年度から取り組んできた銃器駆除を08年度は中止することを明らかにした。繁殖による増加分の抑制にとどまり、約1000万円の支出に見合う効果が薄いと判断した。今後は巡回による巣落としや花火による追い払いなど、従来からの手法に軸足を戻す。
 琵琶湖周辺で繁殖するカワウは2月ごろに飛来、ヒナを育てて10月ごろ県外に移動する。07年9月の調査では、竹生島に約2万9000羽、伊崎半島(近江八幡市)には約7900羽が確認された。この数年は計4万羽前後でほぼ横ばいという。
 カワウは、アユなど年間約2600トンの魚類を食べると推定され、琵琶湖の魚類の年間漁獲量約2100トン(04年)を上回る。竹生島ではタブノキなど樹木がフンなどで大量に枯れる被害も出ている。
 県は銃器駆除のため、04〜05年度に長浜、近江八幡両市への委託費として800万〜960万円、06年度からは県漁業協同組合連合会への補助金という形で1000万円を一般会計予算に計上。委託を受けた県猟友会メンバーが4〜8月、散弾銃でカワウを撃つ作業を行ってきた。銃声で驚いたカワウが一斉に逃げ、しばらく巣に戻ってこないなど非効率な面もあったという。
 現在、財政構造改革プログラムの策定を進めている県は23日の県議会環境・農水委員会で、08年度当初予算に銃器駆除費を計上しない方針を明らかにした。
 県が07年3月に策定した「カワウ総合対策計画」は銃器駆除を柱に据えて、県内の生息数を計4000羽程度まで減少させる目標を掲げたが、1年で見直しを迫られることになる。今後は、花火を打ったり巣を落としたりして追い払うほか、飛来する河川には糸を張るなどして漁業被害を防ぐとしている。
 県水産課は「他府県からも飛来してきており、県だけの取り組みでは限界がある。国にも広域的な取り組みを求めていく」としている。

■新名神開通 工場誘致遅れを懸念 接続ICなく 栗東市長が「危機感」 08/01/24 Yomiuri On Line滋賀
 栗東市の国松正一市長は23日の記者会見で、2月23日に開通する新名神高速道路について「危機感を抱いている」と述べ、他自治体に工場誘致などで遅れをとる懸念を持っていることを明らかにした。
 新名神が開通するのは、草津田上(大津市)―亀山(三重県亀山市)間49・7キロ。栗東市内には名神高速道路の栗東インターチェンジ(IC)があるが、新名神は草津田上で名神高速と接続するため、市は直接“恩恵”を受けられない。
 国松市長は、開通で名古屋方面への移動時間短縮が図られるとしつつも「利便性向上とは逆に、市の活力が吸い取られるのではないか」と指摘。新名神の甲賀土山ICと信楽ICが設置される甲賀市に、工場立地が集中する可能性を示した。
 一方、建設中止が決まった新幹線新駅問題では、新駅予定地周辺の土地区画整理事業の事後処理に関する県との協議について「(県側の)事務方の動きが鈍い。こちらから行かないと行動を起こさない」と苦言を呈した。

■強風で運休や遅れ JR湖西線 08/01/24 京都新聞電子版
 JR湖西線は24日午前8時35分ごろから午後2時20分ごろまでにかけ、強風のため一部区間で電車を徐行させ、特急を路線変更して運行した。JR西日本によると、部分運休を含めて上下計9本が運休し、計36本が最高2時間15分遅れた。

■花粉:東日本は昨年の1.5〜3倍、西は昨年並み 飛散量 08/01/24 毎日jp
 環境省は24日、今年のスギ・ヒノキ花粉の飛散量予測を発表した。東日本は昨年の1.5〜3倍になり、平年並みか多め。西日本はほぼ昨年並みで、平年並みか少ない。特に埼玉、山梨両県は昨年の3倍を超す見通し。飛散開始は例年より5〜10日早く、一部地域では今月末にも始まりそうだという。
 近年では05年春の大飛散に次ぐ飛散量になる見通し。飛散開始からすぐにピークを迎え、昨年より長く飛散が続きそうだという。同省は2月1日から、花粉観測システムのホームページ(http://kafun.taiki.go.jp)で飛散状況を速報する。【山田大輔】

■積雪や凍結で事故相次ぐ 滋賀県内、人身11件 物損165件 08/01/25 京都新聞電子版
 24日夜から25日朝にかけて、滋賀県内では道路の積雪や凍結が原因とみられるスリップなどの交通事故が相次いだ。県警のまとめでは、24日午前8時半からの24時間で、人身事故が11件、物損事故は165件に上った。
 24日午後6時50分ごろには、東近江市林田町の国道421号で同市青野町、無職大田道夫さん(71)の軽トラックと岐阜県大垣市田口町、運送会社「西濃運輸」の大型トラック=五十子好晃運転手(38)=が衝突。大田さんは頭などを強く打ち約6時間後に死亡した。
 また、25日午前6時半ごろ、近江八幡市大中町で、岐阜県各務原市蘇原新栄2丁目、とび職坂本巧さん(21)の乗用車と、甲賀市土山町北土山、近畿理研の大型トラック=川並守也運転手(50)=が正面衝突した。坂本さんが右足の骨を折る重傷。
 近江八幡署によると現場は緩やかなカーブ。衝突後、坂本さんの乗用車は炎上したが、後続車の運転手らが助け出し無事だった。

■琵琶湖に飛来する水鳥の観察拠点に 草津に仮設小屋オープン 08/01/25 京都新聞電子版
 越冬のため滋賀県草津市志那町の琵琶湖に飛来する水鳥の観察や環境学習拠点となる仮設の観察小屋が25日、開設された。見学に訪れた人たちが、湖面を吹き渡る寒風を防ぐ透明のビニール越しに、コハクチョウなどの優雅な姿を眺めていた。
 設置したのは、地元のボランティアグループ「草津湖岸コハクチョウを愛する会」で、6年前から毎シーズン木組みの観察小屋を仮設。風よけとしての活用だけでなく、小屋内に釣り具の被害に遭う水鳥の写真などを展示し、見学者に環境保全を訴えてきた。
 ところが、湖岸緑地を管理する滋賀県は昨年10月、現地に小屋設置を認めない旨を記した看板を立てた。このため、同会は「屋根のない仮設小屋は建物に当たらない」という県の条件に沿った設計図を提出し、ようやく許可を得た。
 近年、草津市の湖岸はコハクチョウの飛来地として知られるようになり、連日、県内外から数100人が訪れており、「1日も早く」と、会員らが24日に木組みのビニール張り約13平方メートルの観察小屋を組み立てた。設置許可の期間は3月10日まで。降雨など悪天候時は、観察写真などのパネルは設置しないという。
 同会の横川栄仁理事長(69)は「今冬も小屋を開設でき、お年寄りや子どもが水鳥をゆっくり観察できる環境が整ってよかった」と話している。

■花粉、九州・西中国は少なめ 環境省予測 08/01/26 asahi.com滋賀
【1人死亡、15人重軽傷】
【東近江・長浜署管内中心に物損165件】
 強い寒気の影響で、県内では25日も全域で雪が降り続いた。高島市内では、朽木で積雪57センチ、マキノ町で同20センチを記録。県警によると、24日朝からの24時間で、スリップなどによる人身事故が11件起き、1人が死亡、15人が重軽傷を負った。物損事故も東近江、長浜両署管内を中心に相次ぎ、計165件に達した。
 東近江市林田町の国道421号では24日午後6時50分ごろ、同市青野町の無職大田道夫さん(71)運転の軽トラックが、対向してきた大型トラックと正面衝突。大田さんが頭を強く打って約6時間後に死亡し、同乗していた孫の女子高校生(17)も軽傷を負った。
 東近江署によると、現場は片側1車線の直線道路。大田さんの軽トラックが対向車線に飛び出したらしい。路面が滑りやすい状態だったとみられ、原因を調べている。
 また、近江八幡市の県道でも25日朝、雪が積もった路面でスリップしたとみられるワゴン車が対向車線にはみ出し、大型トラックと正面衝突して炎上、男性1人が右足骨折の重傷を負う事故があった。
 県警交通企画課は「スピードをひかえ、車間距離を十分に」「橋の上やトンネルの出口は凍結しやすいので特に注意を」と呼びかけている。
 彦根地方気象台によると、26日も寒気の影響が残り、県北部では雪が降りやすい状態が続く見通し。南部でも雲が広がりやすいという。

■雪、路面凍結で事故多発 もう少し冬への備えを 08/01/26 Chunichi Web滋賀
 24日朝から25日早朝にかけ、県内で雪や路面凍結の影響によるスリップ事故が176件発生した。中でも東近江署管内(東近江市・日野町・愛荘町)では53件と多発し、71歳の男性が死亡した。例年、雪が少ないこともあり、冬用タイヤの装備にも不備がみられた。このため同署は「雪への備えを万全にし、雪道の走行は慎重に」と呼び掛けている。
 西高東低の冬型の気圧配置が強まり、同署管内は24日夜から25日朝にかけ、山間部や平野部で10センチ前後の降雪があった。東近江地域振興局は国道、県道の29路線で15台の除雪車、11台の凍結防止剤散布車を出動させた。
 同署には雪が積もり始めた24日午後5時すぎから事故の通報が相次ぎ、一時は事故関係者が署内で列をつくるほどだった。53件の事故のうち、普通タイヤの車が半数近くあった。スリップによる交通事故は長浜署管内で36件、近江八幡署管内でも27件と多発した。
 東近江署の森義和交通係長(56)は「雪に慣れていないこともあり、冬用タイヤの装着状況は悪く、注意力も足りない。もう少し冬への備えをしてほしい」と訴えていた。(前嶋英則)

■事故:雪の影響で176件、1人が死亡 08/01/26 毎日jp滋賀
 24日から25日にかけ降った雪の影響で、県内ではスリップなどによる事故が176件発生し、東近江市で1人が死亡した。
 死亡事故は24日午後6時50分ごろ、同市林田町の国道421号で、同市青野町、無職、大田道夫さん(71)運転の軽トラックが対向車線の同市佐野町、運転手、五十子好晃さん(38)の大型トラックと衝突。大田さんは頭などを強く打ち、間もなく死亡した。
 県警交通企画課によると、雪や凍結による事故は人身事故11件、物損事故165件。警察署別では、東近江署53件▽長浜署36件▽近江八幡署30件など。
 彦根地方気象台によると、25日午前7時現在の積雪は、余呉町13センチ▽高島市9センチ▽米原市4センチ▽彦根2センチだった。【近藤希実】

■近江牛、ふなずし、彦根城… 滋賀・琵琶湖ブランド構築へ 08/01/26 京都新聞電子版
 琵琶湖、彦根城、近江牛、ふなずし…。滋賀県は新年度から、滋賀の名産や名所などを統一感のあるイメージ戦略で全国に発信する「滋賀・琵琶湖ブランド」(仮称)戦略を打ち出す。滋賀県の知名度向上とイメージアップにつなげるのが狙いで、県は「地味な印象を持たれがちの滋賀をメジャーに」と意気込んでいる。
 民間の調査会社が実施している「地域ブランド調査」によると、滋賀県について、訪れたい、物品を買いたいなどとする国民の意向を基に算出した「ブランド知覚指数」は、2004年が全国47都道府県のうち最下位、06年も38位にとどまっている。
 県は新年度、経済界のメンバーや学識経験者らでつくる検討会を設置し、滋賀の魅力や財産を把握するために、県内外の住民を対象にアンケート調査を実施する。調査結果を基に、滋賀の特徴を表すロゴを作ったり広報活動の戦略を立てることを検討している。新年度当初予算に調査費などを盛り込む方針。
 「滋賀・琵琶湖ブランド」を打ち出す背景には、県が制定を検討している寄付条例で県外からの寄付を集めやすくするという狙いもある。県企画調整課は「(東国原知事で売り出した)宮崎県のように、少しでも滋賀県が注目されるような戦略を立てていきたい」としている。

■一面の銀世界に歓声 高島で積雪 スキー場ほっと一息 08/01/26 京都新聞電子版
 滋賀県高島市北部では26日、同市今津町の市街地でも25センチの積雪があり、市内のスキー場には恵みの雪となった。マキノスキー場ではウインターフェスティバルがあり、朽木スキー場も今冬初めて営業、多くの家族連れらでにぎわった。
 マキノスキー場は30センチの積雪があり、17日ぶりに営業を再開した。昨年のウインターフェスティバルは雪がなかったが、今年は一面の銀世界。スキーやソリを持った家族連れが訪れ、多彩な催しを楽しんだ。雪上ではスノータワー手作り競争や宝探し、雪だるまコンテスト、綱引きなどが行われ、子どもたちが歓声を上げた。
 2・4キロにわたって約500本が立つ近隣のメタセコイア並木も雪化粧した。円すい形の枝々が雪をかぶり、観光客らがカメラを向けていた。
 朽木スキー場も60センチの雪に恵まれ、ペアリフト2基をフル稼働させた。昨冬の営業はわずか5日間で、運営している「朽木むらおこし公社」は「今年の営業開始も暖冬のせいで例年より10日ほど遅れた」と待ちわびた積雪を喜んだ。

■子どもらにきれいな琵琶湖を 滋賀銀職員がニゴロブナ放流 08/01/27 Chunichi Web滋賀
 滋賀銀行(大津市)の職員ら約350人が26日、草津市下物町の烏丸半島で、琵琶湖に固有種のニゴロブナ1500匹を放した。
 滋賀銀行は、太陽光発電システムを設置する事業所や各家庭向けのローンなどを用意。これを利用して取り付けられた太陽光発電システムによって減った二酸化炭素(CO2)の排出量を試算している。この削減量をEU(欧州連合)の排出権取引価格(1トン当たり3792円)を基に金額換算し、相当額を財団法人「県水産振興協会」の「ニゴロブナ放流事業」に寄付している。
 2006年度に事業所などの顧客が削減したCO2は計327トン。換算分の120万円(ニゴロブナ3万匹相当)を昨年6月に協会へ贈った。
 放された1500匹は3万匹の一部。職員らはヨシ刈りをした後、バケツに数匹ずつに分けられたニゴロブナを持って湖岸に陣取り、静かに水の中に流し入れた。
 栗東市出身の滋賀銀行膳所支店勤務の奥村武司さん(51)は「環境のために、少しは役に立てたかな。子どもたちにきれいな琵琶湖を残してあげたい」と話していた。
 ニゴロブナは耳の骨の一部が染色されており、追跡調査できるように工夫されている。残る2万8500匹は2月までに県内各地の沖合で琵琶湖に放される。(中村禎一郎)

■市民700人参加しヨシ刈り 大津の琵琶湖岸など 08/01/27 京都新聞電子版
 大津市雄琴6丁目の琵琶湖岸などで27日、市民によるヨシ刈り「湖辺ルネッサンス−大津のヨシ作戦」があった。雪が降る中、子どもたちや保護者ら約700人が参加し、枯れたヨシでたいまつを作った。
 ヨシには水質浄化や生物の住みかとなる役割がある。春に出る新芽の成長を助けるため、市が毎年、この時期にイベントを開いている。
 参加者らは、かまを片手にヨシを刈り、直径20センチほどの束にまとめて縄で縛った。それを3束で1つにして、大きなたいまつを作っていった。ぬかるんだ地面に足を取られ、転んだりする場面もみられた。
 たいまつは、3月8日の琵琶湖開きの夜に市内7地域で一斉に点火するという。

■琵琶湖の侵略的外来生物でシンポ 駆除遅延は致命傷に 08/01/28 京都新聞電子版
 オオクチバスなど琵琶湖にもともといなかった魚類や植物の問題を考えるシンポジウム「侵略的外来生物の脅威と対策」がこのほど、大津市内で開かれた。繁殖力が旺盛な外来生物は、各地で在来の動植物を駆逐するなど深刻な影響を与えている。研究者や行政担当者らが参加し、琵琶湖の外来生物対策を急ぐよう訴えたシンポジウムを詳報する。
 角野康郎・神戸大大学院教授は、この問題についてまだ社会の理解と合意が不十分と指摘する。例えば、侵略的外来生物の飼育や販売を厳しく制限する「外来生物法」に対して、知識人からも「コメもニンジンもキャベツも外来生物。むやみに悪者にするのは間違い」などと反論が出る。
 角野教授は「外来生物がすべて悪ではなく、地域固有の生態系に影響を及ぼす侵略的外来種が問題」と、視点をはっきりさせるよう訴えた。
 侵略的外来生物として琵琶湖で長年問題になっているオオクチバス。中井克樹・県立琵琶湖博物館主任学芸員は、大型で釣り人に人気がある「フロリダバス」と呼ばれるオオクチバスが近年、琵琶湖に入り込んでいることを遺伝子解析で明らかにした。
 フロリダバスの遺伝的特徴を持つ個体が見つかるようになったのは、2000年代に入ってから。中井主任学芸員は「相当の数を入れなければこれほど交雑は起こらない」として、何者が密放流したと見る。桐生透・山梨県水産技術センター特別研究員は「釣りができるから密放流が行われる」として、迅速な防除と釣り禁止区域の設定を訴えた。
 外来魚のブルーギルは1960年に訪米した現在の天皇陛下が持ち帰った15匹が最初の移入とされる。河村功一・三重大准教授は全国と米国のブルーギルの遺伝子を調査し、日本全土の個体はこの15匹に由来する可能性が高いことを明らかにした。河村准教授は「ほんの数匹で大繁殖する。安易な放流がいかに危険か、ギルが立証している」と警告した。
 琵琶湖では近年、外来の植物も大きな問題になっている。佐々木寧・埼玉大教授によると、琵琶湖の要注意外来植物は約30種に上る。「しかし、県や国などがばらばらに対策をとっており、共通の理念がない」と指摘する。
 対策が遅れると繁殖力の強い外来植物は加速度的に広がる。外来生物法で栽培などが禁止される特定外来生物のナガエツルノゲイトウは04年に彦根市で初確認された後、3年間で内湖を埋め尽くすほど繁茂した。
 藤井伸二・人間環境大准教授は昨年、特定外来生物のミズヒマワリを草津市の琵琶湖で発見。ボランティアを募って駆除に乗り出している。経費を計算した藤井准教授は「今なら人件費30万円くらいですべて引き抜けるが、4年後には少なく見積もっても5400万円が必要になる」として、早期駆除に失敗すると膨大なコストと労力が必要になると強調した。

■西の湖などの追加申請を 地元2市町、ラムサール登録で申し入れ 08/01/28 京都新聞電子版
 滋賀県近江八幡市と安土町は28日、琵琶湖の内湖、西の湖とその下流、長命寺川のラムサール条約登録について地元議会や地元自治会などの理解が得られたとし、すでに登録されている琵琶湖の一部として追加を申請するよう県に申し出た。
 同市などによると、追加申請の対象地は、全国有数のヨシ群落109ヘクタールを含む382ヘクタールで、124種の鳥類の生息などが確認されている。開発地は除いている。
 今後、県が県議会での説明などを経て環境省と協議し、10月末から韓国で開かれる同条約締約国会議で指定される見通し。

■ため池“再生”児童も汗 菰野の勘四郎溜 08/01/29 Chunichi Web三重
 菰野町田光の貯水池、勘四郎溜(ため)で27日、特定外来生物に指定されているブラックバスなどの外来魚の駆除作業があった。農地保全活動をしている「田光資源と環境を守る会」が初めて実施。会員や地元の児童・生徒、研究者ら約120人が参加した。
 勘四郎溜は地区に8つあるかんがい用の貯水池の1つ。十数年前から一部の釣り愛好者らによるとみられる、法律で禁じられているブラックバスやブルーギルなどの外来魚の放流が増え、コイやフナ、ドジョウなどの在来種が激減している。
 会では約1週間かけて池の水を抜き、27日は底に残った水を3枚の網を張った排水路に放水。網にかかった魚などを、参加者がたもなどを使って外来種と在来種により分け、ブラックバス約1100匹とアメリカザリガニ、食用ガエルなどの外来種を駆除した。
 諸岡稲造会長(72)は「もう少し在来種がいると思ったが、ほとんど壊滅状態。外来種を駆除し、昔のような自然のため池に戻していきたい」と話した。来年度以降、別のため池でも順次、駆除を実施していくという。(山田浩平)

■《日本学生科学賞》 西仙北西中が文科大臣賞学生科学賞 08/01/30 Yomiuri On Line秋田
出羽中は科学未来館賞
 第51回日本学生科学賞(読売新聞社、全日本科学教育振興委員会、科学技術振興機構主催)の中央審査会で、県内からは、大仙市立西仙北西中の生物調査班が文部科学大臣賞に、由利本荘市立出羽中の科学部が日本科学未来館賞に選ばれた。両校の生徒や実験にかかわった地元関係者の喜びの声を紹介する。
◆文部科学大臣賞◆「オオクチバス駆除後の動物相の変化について」大仙市立西仙北西中生物調査班
 生物調査班は3年かけて、ブラックバスがいる沼で、バスを駆除する前と後で動物相がどう変化するかを調べた。
 2005年度は、学校の近くのバスがいる高城沼を調べ、水生生物の種類が少ないことを発見した。釣り好きな生徒の発案で始めた研究だが、バスがほかの水生生物を食べ尽くしてしまう魚であることがわかり、認識を一転。06年度は、バスの駆除に取り組んだ。
 担当の物部長秀教諭らが県などに問い合わせ、沼を管理する地元の土地改良区や漁協の協力を得た。地域の人たちや県水産振興センターから約10人が参加。地域住民らに沼の水を抜いてもらい、生徒たちが網でバスを捕獲した。
 捕獲したバスは生後2年目とみられる小型が多かった。同センターの職員にバスの腹を割いてもらうと、消化管からフナやトンボの幼虫が出てきた。バスが沼の生き物を食べていることを目の当たりにした。バスは生後3年目から産卵するが、その後、沼にはバスの稚魚はほとんど見られず、ほぼ完璧(かんぺき)に駆除することができた。
 そして今回、07年度は沼の生物にどんな変化が起きたかを調べた。バスの駆除前は20種類の生物を確認した。しかし、駆除後は、トウホクサンショウウオなどが新たに見つかり、生物の種類は37に増えた。トンボやゲンゴロウはそれぞれ数が増え、型も大きかった。バスがいなくなったことで在来種の生態系が変化したことを裏付けた。別の沼の水も抜いてバスを駆除し、地域の人たちも積極的に協力を申し出てくれた。
 仙北西部漁協の大友富治組合長(81)は「昔はエビもとれ、地域の祭りに出されたが、最近はエビや小魚の姿はさっぱり。子どもたちの研究は大変勉強になった」と話す。
 生物調査班代表の3年、佐藤元紀さん(15)は「バスがこのまま生き物を食べ尽くしてしまえば、いずれ何もいない沼になってしまうと思った。地域の人たちに喜んでもらえてうれしい。今回の受賞はいろいろな人たちの助けがあったおかげ」と語る。今回解明できなかったバスと水質の関係など、バスの駆除にかける熱意を後輩に託した。
◆日本科学未来館賞◆「灰のはたらき」由利本荘市立出羽中科学部
 科学部は、色を染める灰の働きを研究テーマにした。地道にデータを積み重ね、灰には染料を布に結合させ、発色を助ける「媒染」の効果があることを実証し、受賞に結び付けた。
 実験には部員9人が参加。灰の種類を変えたら色にどんな変化が現れるか、身近な材料を持ち寄り、燃やして灰にすることから取りかかった。何気ない疑問は探求心へと変わり、灰にした材料は、ピーマンや納豆など73種類にも上った。
 様々な種類の灰を溶かした溶液に、紅茶などで染めた薄茶色の布をひたし、どんな色に変化するかを観察した。そんな実験を半年間繰り返した。
 3年の伊藤駿さん(15)は「堅苦しく考えず、みんなでわいわい言いながら意見を出し合い、実験を楽しんでいた」と話す。それぞれの部員が投げかける何気ない疑問に、共感してくれる仲間がいたから続けられたという。
 金属化合物の溶液で媒染して出る色と、それに近い色が出る灰には同じ金属が含まれているのではないか。実験の過程で、そんな推察も生まれ、松の灰にはアルミニウムが、桜の灰には鉄が含まれているという仮説も打ち出した。コツコツと集めたデータは、貴重な記録となった。
 顧問の高橋義明教諭(43)は「今回の実験では、膨大なデータを記録しながら細かな変化を見ていった。実験を通して、わからないからこそ知りたいという欲求が高まる。そのことに生徒たちは改めて気付かせてくれた」と語る。
 新年度から部長になる2年の菅谷真ノ介さん(14)は「ぼくたちは、すごい実験機材や難しい理論、テクニックは使わなかった。ただ身の回りにある素朴な疑問を、どこの中学にでもある道具で解き明かした。そういう自分たちの科学のスタイルが認められたのが一番うれしかった」と振り返る。
 今回の研究が高く評価されたことで、科学の実験が身近に感じられるようになった。「地道なことの繰り返しだったが、やってみないことにはわからなかった。部員の探求心の勝利」と喜びを語った。

■ニゴロブナ:種苗放流時期先延ばし 温暖化で表層と深層の湖水循環鈍く 08/01/30 毎日jp滋賀
◇来年度試験的、12月→09年春へ−−県水産課が検討
 温暖化の影響が指摘される琵琶湖の水温上昇に対応するため、県は琵琶湖固有種のニゴロブナの種苗放流時期を変更し、今年12月の放流分の一部を09年2、3月ごろに先延ばしすることを検討している。ニゴロブナは湖の深い部分で越冬し、例年は12月に放流したフナが深層に移動するが、暖冬で冬期に水温が下がらないと、表層と深層の湖水が混ざらず、フナが表層にとどまる可能性があるためだ。
 ニゴロブナの漁獲量は20年前に約200トンあったが、06年には33トンに激減。開発に伴うヨシ帯の減少▽外来魚による食害▽琵琶湖の水位操作で卵などが干上がる−−などが原因として指摘される。
 フナの種苗放流は、県水産振興協会が5月と12月に実施し、県が補助。5月は、ふ化したばかりの稚魚を田んぼに放流し、6〜7月に2センチ程度になった600万〜800万匹程度が田の水と共に琵琶湖に入る。12月には12センチ程度のフナ約120万匹を沖合で放つ。漁獲高全体の6割程度が放流魚と推測され、資源量の増加に効果があるとみられる。
 しかし、近年、新たな課題として浮上してきたのが琵琶湖への温暖化の影響。滋賀大の研究では琵琶湖北湖は最近20年間で平均水温が2度上昇した。例年なら▽春から秋にかけて水深約20メートルを境に表層と深層が分かれて混ざり合わなくなる▽冬に冷えた表層の水が沈んで水が循環する−−などの仕組みがあり、「琵琶湖の深呼吸」と呼ばれるが、近年は循環の鈍化や時期が遅くなる現象が指摘されている。
 ニゴロブナは夏から秋にかけて沿岸域や表層に生息し、次第に沖合に移り、冬になると、深層に移動する。県水産課によると、これまでの研究で、フナは表層と深層が混ざらないと、表層側にとどまる傾向があるという。このため、水の循環が遅れたり、不十分だと、12月に放流しても、深層へ移らず、フナの自然な行動を妨げる可能性があると懸念。同課は来年度に「温暖化適応型ニゴロブナ種苗放流技術開発事業」を計画し、早ければ来年度は試験的に12月放流分の一部の約10万匹程度を09年春に放流する方針だ。
 このほか、県は▽アユやホンモロコなど4魚種の水温上昇の影響の検証▽水温上昇で繁茂する可能性のある水草の抑制のため、水草を食べる魚、ワタカの放流−−なども計画している。【服部正法】

■びわ湖検定は11月30日 草津の立命大で 08/01/30 京都新聞電子版
 琵琶湖を中心に滋賀の知識を問う「びわ湖検定」について、同検定実行委員会は30日、試験日程を11月30日に決めた。試験会場は立命館大びわこ・くさつキャンパス(草津市)で、約1200人の受験者を見込んでいる。
 県や経済団体などでつくる実行委は同日の会合で、びわ湖検定では環境と観光の分野を重視することや、問題を一部公募する方針も確認した。7月ごろからは検定に向けたセミナーも開催するという。
 検定料は、基礎レベルの三級が2000円、やや高レベルの二級が3500円。二級合格者が対象で来年度以降に実施する一級は5000円に設定した。申し込みの受け付けは9月下旬から10月下旬を予定している。

■女性の水死体見つかる 大津の水泳場 08/01/30 京都新聞電子版
 30日午後3時半ごろ、大津市南小松の近江舞子中浜水泳場で、波打ち際に女性の遺体が浮いているのを釣りに来ていた男性(25)が見つけた。
 大津北署によると、死因は水死で、外傷はないという。女性は60−70歳くらいで、身長は約150センチ。えんじ色のコートとワンピース、黒色のズボンを身につけていた。死後1日以内とみられ、同署が身元を調べている。

■水泳場の遺体は高槻の女性 30日、近江舞子中浜で発見 大津の水泳場 08/01/31 京都新聞電子版
 大津市南小松の近江舞子中浜水泳場で30日午後に見つかった遺体は、大阪府高槻市の無職女性(78)であることが31日、大津北署の調べで分かった。死因は水死だった。

■琵琶湖のカワウ、前年比6000羽減少 08/01/31 Yahoo! News
 ここ数年にわたって増加か横ばいが続き、被害の深刻化が懸念されていた琵琶湖のカワウが、減少に転じていたことが、県の調査で分かった。昨年9月の生息数調査で、前年9月から約6000羽減り、約3万7000羽になっていた。調査が開始された平成16年以降では最少。県は「繁殖による増加はある程度抑制されてきた」と分析しているが、新年度からは銃器駆除が中止されるなど抜本的な対策はいまだ手探り状態だ。
 調査対象となっているのは竹生島(長浜市)と伊崎半島(近江八幡市)の2カ所。これまでは、前年比でどちらかが減少するとどちらかが増える傾向が続いていたが、今回は双方とも減少した。
 カワウの糞(ふん)による樹木の枯死は、竹生島北部で特に被害が大きいほか、島の南西部でも樹木に巣を作るカワウが多いことから、樹木の劣化が進んでいることなどが明らかにされた。樹木の枯死による土砂流出なども懸念されることから、県では早急に対応策を検討したいとしている。
 カワウが琵琶湖で増加してきた原因として県は、自然増加が駆除や繁殖抑制対策を上回っている▽県外からのカワウの流入がある−などをあげているが、明確な理由は不明。
 一方、銃器による駆除について県は、昨年7月、県が駆除を委託した猟友会のメンバーが、竹生島に環境学習中の小学生がいるにもかかわらず発砲したケースがあったことを問題視。加えて、効果が期待したほど得られないとして、今年度限りで銃器駆除の廃止を決定している。
 今後は、人が巡回して追い払うことと、エサとなる魚が集まる漁場に「防鳥糸」を設置することなどで対応するとしている。(産経新聞)

←Before          スクラップブックバックナンバー          Next→