琵琶湖の湖底から
(2007/11)

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■鵜飼い大橋下の水路で外来魚ブラックバス確認 07/11/02 岐阜新聞Web
 岐阜市長良雄総、長良川右岸の河川敷内にある水路で、特定外来種となっているブラックバス、ブルーギルを、民間団体「木曽三川フォーラム」が確認した。国土交通省による河川水辺の国勢調査でも、長良川での生息は把握されているが、同フォーラムでは「岐阜を象徴する長良川を、市民の力で外来魚から守っていかなければ」と危機感を募らせている。
 調査したのは、同フォーラム長良川分科会。長良川鵜飼が行われるエリアに近い、鵜飼い大橋すぐ下の水路で魚をすくい上げてみたところ、小型のブラックバスとブルーギルがいた。
 同省も近年の国勢調査で、同市の鏡島大橋付近の長良川で、ブラックバスの一種オオクチバスと、ブルーギルを確認。木曽川上流河川事務所は「特定の場所で必要があれば対策を講じなければいけない」とするが、湖とは違い、流れのある河川で具体的な対策を取るのは難しさがある。
 調査に参加した同フォーラムの小野賢悟副会長(72)は「長良川は豊富な淡水魚がいる自然の宝庫だが、既に外来魚が侵入している。市民も巻き込んで対策を考えなければ」と訴えている。
 調査結果は、同市学園町の未来会館で2日に開催される「自然共生シンポジウム」で報告する。

■カミツキガメ246匹捕獲 千葉県の印旛沼一帯 07/11/05 京都新聞電子版
 外来種被害防止法で無許可の飼育や輸入が禁じられているカミツキガメが、日本で最も生息数が多いといわれる千葉県北西部の印旛沼一帯で246匹確認されたことが5日、県の捕獲調査で分かった。
 環境省などによると、印旛沼には推定で約1000匹が生息し、生態系の破壊が懸念されている。県の担当者は「カミツキガメなど外来種のペットは安易に河川などに捨てないでほしい」と呼び掛けている。
 県は東京都内の環境研究機関に委託し7月から10月までの約4カ月間、印旛沼南部の河川にポリエチレン製の編みかごのわな50個を設置していた。捕獲調査は来年も行う予定。(共同通信)

■滋賀県、新たに27施設と協定 2サイクル船使用猶予期間 07/11/05 京都新聞電子版
 琵琶湖で従来型の2サイクルエンジンのプレジャーボート使用が来年4月から原則禁止になるのを前に、滋賀県はこのほど、条件付きで猶予期間を認める協定を新たに27保管施設と結ぶと発表した。協定は今年3月にも20施設が締結しており、計47施設となる。
 猶予期間の特例措置は水質に配慮した環境対策型の4サイクルエンジンなどへの転換を利用者に指導することを条件に、施設が所有する分と施設が預かる個人のプレジャーボートについては、県と協定を結べば禁止後も3年間使える−という内容になっている。
 利用者は協定を締結した施設を通じて認定する。今回の協定で、県に登録している従来型2サイクルエンジン約5100隻(今年4月現在)のうち、計47施設の2300隻程度が猶予される見込みという。
 県琵琶湖レジャー対策室は「使用禁止が3年後に延びても、施設に一定の責任を負ってもらうことで、最終的にエンジン転換を促進できる」と話している。

■外来魚捕獲、生態系守ろう 氷見・塩田池、ブラックバスなど駆除 07/11/05 北國新聞ネット版
 氷見市の七分一地域資源保全協議会(後清代表)は四日、同市七分一のため池「塩田池」でブラックバスの駆除とコイやフナの捕獲作業を行った。同池は二十四年ぶりに水が抜かれ、住民が泥だらけになりながら、網で魚を捕まえた。
 国の「農地・水・環境保全向上支援事業」の交付金を活用して行われた。市自然保護員協議会の坂貴義会長の調査では、ブラックバス(オオクチバス、コクチバスなどの総称)、ブルーギルなどの外来魚が塩田池や市内のほかのため池にも放され、コイやフナの稚魚 が被害に遭っているとしている。
 池は二週間前から水が抜かれ、道渕邦夫区長(66)ら四十五人が参加し、ブラックバス四十匹以上、ブルーギル三十匹以上、フナ百匹以上、大型のコイ五匹を捕獲した。外来 魚は処分され、フナやコイは希望者に配られた。道渕区長は「来年はもう一カ所のため池でも駆除作業を行い、生態系を守りたい」と話した。

■琵琶湖で中国産外来魚を捕獲 「エンツイ」を初確認 07/11/05 京都新聞電子版
 滋賀県は5日、大津市真野沖の琵琶湖で中国原産の外来魚「エンツイ」1匹が捕獲された、と発表した。琵琶湖でエンツイの生息が確認されたのは初めて。県は「繁殖すれば生態系に影響を与える可能性がある」と警戒している。
 捕獲されたエンツイは全長26・7センチ、重さ216グラムで幼魚とみられる。5日午前5時半ごろ、沖合100メートルから200メートルの水深約5メートルの地点で、漁業者が仕掛けた沖引き網にかかったという。
 県によると、エンツイは長江流域などに生息。幼魚では大きな背びれを持つ独特の形をしており、成長すると体長が1メートルを超える。「長江の美人魚」とも呼ばれ、日本にも観賞魚として輸入されている。
 県は「家庭で飼われていたものが放されたのでは」と推察している。エンツイは生息水温が28−10度と広く、冬場で水温が8度ほどになる琵琶湖でも越冬できる可能性があるという。
 琵琶湖で確認された外来魚は、1994年の集計開始以降、オオクチバスとブルーギルを除いて32種類になった。

■琵琶湖で中国原産エンツイ初捕獲 エビ漁への影響懸念 07/11/06 Chunichi Web滋賀
 大津市真野の琵琶湖沖合で五日、中国原産の外来魚、エンツイが捕獲された。県水産試験場によると、琵琶湖でのエンツイの捕獲は、外来魚の集計を取り始めた一九九四年以降初めて。
 捕獲されたエンツイは全長二六・七センチ、体重二一六グラムで、雌雄は不明。湖岸近くで、外来魚を駆除していた漁業者の沖曳(び)き網に入っていた。連絡を受け、試験場の職員が回収した。
 エンツイは中国の長江流域などに生息し、大きな背びれが特徴。「長江の美人魚」とも呼ばれ、現地では食用として養殖されているという。天然水域では全長一メートルを超え、日本には観賞魚として輸入、販売されている。
 水生昆虫やエビなどの甲殻類を食べる。生息水温は一〇−二八度で、琵琶湖でも越冬する可能性がある。試験場は「繁殖すると、エビの漁獲高や、エサの競合による在来魚への影響が心配される」としている。(本安幸則)

■ホンモロコ 「おいしい」 草津の生産組合など試食会 07/11/06 京都新聞電子版
 滋賀県草津市内の生産者が養殖したホンモロコを売り込もうと、草津ホンモロコ生産組合と草津市が6日、市役所で試食会を開いた。南蛮漬けや甘露煮に料理したホンモロコを市議や市幹部ら約30人が試食した。
 市内の休耕田などを活用して養殖に取り組む生産者ら計16人が先月、同組合を設立した。同市下物町の道の駅草津で18日に行う初出荷、直売を前に試食会を開いた。
 試食には、からっと揚げられた天ぷらや素焼きなど計5品が並んだ。4月にふ化し、体長約10センチに育ったホンモロコで、骨が軟らかく、参加者らは「食べやすく、おいしい」と口をそろえていた。同組合の松浦敏夫代表(57)は「安定した生産に取り組んで、多くの人々に食べてもらいたい」と話していた。

■養殖ホンモロコを全国ブランドに 草津市長らが試食会で舌鼓 07/11/07 Chunichi Web滋賀
 草津市内で養殖された琵琶湖の固有種「ホンモロコ」が十八日に売り出されるのを前に、試食会が六日、市役所内のレストランで開かれ、伊庭嘉兵衛市長ら約三十人の出席者が味を確かめた。
 草津市では先月、休耕田を利用してホンモロコを育てている養殖業者ら十六人が「草津ホンモロコ生産組合」を設立。草津市下物町の道の駅「草津」で十八日午前十時半から、初売りを予定している。
 試食会に出された料理は、つくだ煮やてんぷら、素焼きなど五品。伊庭市長が「草津のホンモロコを全国ブランドに育てたい」とあいさつし、出席者らが癖の少ない味わいに舌鼓を打った。
 組合は今年、休耕田約四千平方メートルで一トンのホンモロコを成育。初売りの後は、十二月から土、日曜に道の駅で販売する。販売価格は鮮魚で百グラム三百円、あめ煮で七十グラム五百円となる予定。
 組合代表の松浦敏夫さん(57)は「来年は一人一人の組合員が頑張って、さらに、生産量を増やしたい」と意気込んでいる。(中村禎一郎)

■ブルーギル1万匹、在来魚全滅? 西京の農業用ため池 07/11/07 京都新聞電子版
 京都市西京区の農業関係者らでつくるグループ「大原野 水土里(みどり)リフレッシュ」と市農業振興整備課などはこのほど、同区の農業用ため池の水を抜き、池の中の生態系を調べた。
 外来魚が圧倒的に多く、在来魚はほぼ皆無と分かり、同グループは「この調査を本来の環境再生に向けた取り組みの第一歩にしたい」としている。
 大原野地域には約30のため池があるが、いずれも近年、池の表面が茶褐色に見えるなど環境悪化が進んでいる。このため同グループなどは、まず実態を知ろうと本格調査に取り組んだ。
 調査対象は大原野神社参道入り口すぐそばにある「宮池」。水門を開き、約1週間かけてほぼすべての水を抜いた状態となった4日、地域の児童を含む約30人で、残しておいた深さ50センチ程度の水の中にいる魚をできる限りすべて網で捕獲した。
 結果は、稚魚から体長約20センチ前後の成魚まで外来魚のブルーギル推計約1万匹と同じく外来魚のブラックバス約50匹がいたが、これまで生息していたとされるギンブナやタナゴ類は1匹も見つからなかった。また池底にはヘドロが分厚く堆積(たいせき)していた。
 市農業振興整備課は「市内でため池の生態系を本格調査したのは今回が初めてだったが、外来魚の独壇場になっていることがはっきりした」とし、水土里リフレッシュ事務局の幡信道さんは「今後は専門家の意見を聞き、住民に愛されるため池の復活を目指して活動を展開していきたい」と話している。

■ボタンウキクサ大発生 守山・赤野井湾 分布拡大を懸念 07/11/07 京都新聞電子版
 特定外来生物に指定されている水草のボタンウキクサ(ウオーターレタス)が滋賀県守山市の琵琶湖岸に繁茂し、一面を緑色に覆っている。旺盛な繁殖力による分布域の拡大で在来種の水草や魚介類への影響も懸念され、環境保全団体や地元漁師らが警戒感を強めている。
 同市赤野井町の赤野井湾内に繁茂し、湖岸から沖合までの約50メートルと幅約100メートルにわたる範囲を埋め尽くしている。一帯の植物の観察を続けている同市の特定非営利活動法人「びわこ豊穣(ほうじょう)の郷(さと)」会員の中村一雄さん(68)によると、昨年までは少量の個体群が確認できる程度だったという。
 ボタンウキクサはアフリカ原産のサトイモ科の多年草。観賞用に持ち込まれて各地で増殖し、水中酸素濃度や腐食による水質の低下などが問題視されている。環境省は昨年2月に外来生物法の特定外来生物に指定、栽培や譲渡などを禁止した。
 豊穣の郷の会員ら約40人はこのほど、現地で群生状況を視察。参加者からは群生範囲の広さに驚きの声が上がった。また、同市の守山漁業協同組合の漁師(46)も「今は直接影響ないが、将来、漁場にも広がらないだろうか」と心配する。
 水草に詳しい県立大環境科学部の浜端悦治准教授は「冬場に水面上の草が枯れるので、従来は定着しないと考えられていたが、大阪では種子による繁殖例が報告されており、琵琶湖でも分布域の拡大が十分にあり得る」と警告している。
 県は今のところ駆除などの繁殖防止策は検討しておらず、推移を見守る構えだ。このほか赤野井湾ではこのボタンウキクサを持ち帰る観光客の姿も目撃されており、県などは注意を呼び掛けている。

■抱きしめてBIWAKO:イベントから20年、きょう・あす記念行事 07/11/07 毎日jp滋賀
◇「いのち」への感謝を込め、26万人が手をつないだイベントから20年
 琵琶湖岸で87年に約26万人(実行委まとめ)が参加して1分間手をつなぐなどしたイベント「抱きしめてBIWAKO」の20周年記念行事が大津市などで7、8両日に開かれる。
 「抱きしめてBIWAKO」は、重症心身障害児施設「第一びわこ学園」(当時)の老朽化に伴い、「命の大切さを感じる形で移転費用の募金を」と福祉・ボランティア関係者らが企画した。重症心身障害児の生命を人間の生命の象徴ととらえ、自然の生命の源、琵琶湖を“抱きしめる”ことで、「いのち」への感謝を表した。
 20周年記念行事は7日午後4時半〜8時半、大津市打出浜のびわ湖ホールで、リレーメッセージとモンゴル国立馬頭琴交響楽団の演奏会がある。
 前売り3000円、当日4000円。
 8日は草津市笠山8のびわこ学園医療福祉センター草津で、午後1時半〜4時半に施設見学とタイムカプセルを開く会、交流会がある。無料。
 問い合わせは同センター内の事務局(077・566・0701)。【森田真潮】

■琵琶湖・淀川流域市町村長懇談会:2府4県から参加、防災や環境面で論議 07/11/07 毎日jp滋賀
◇「河川整備計画」原案、来月にはまとめ
 国が琵琶湖周辺や淀川流域で進める河川整備計画について、市町村長と意見交換する「琵琶湖・淀川流域市町村長懇談会」(国土交通省近畿地方整備局主催)が6日、大津市内で開かれ、滋賀や大阪、三重など関係2府4県の市町村長らが参加した。上中下流域で、それぞれの立場から防災や環境に関する意見を出し合い、12月の懇談会までに各意見を大津市がまとめることが決まった。
 懇談会は、8月に今後20〜30年の具体的方針を定めた「河川整備基本計画」原案が出たのを受けて開かれ、10月の京都での会議に続いて2回目。
 「原案」で穴開きダムとして建設方針が示された「大戸川ダム」の建設予定地である大津市の目片信市長は「穴開きダムは歓迎するが、40年たっても完成しないのはどうか。やる気があるならアクションを」と要望。
 また、貯水型か「穴あき」かを今後2、3年で検討する丹生ダム(余呉町)について、川島信也・長浜市長は高時川の流れが途切れる「瀬切れ」が目立っていることに触れ、「いずれのダムでも、基礎工事は同じなので、一刻も早く工事を進めてほしい」と求めた。
 このほか、余呉町や高島市からは「水源地としての淀川水系への役割、森林整備にも触れるべきだ」などとする意見も出た。【蒔田備憲】

■「豊かな海づくり大会」 10日開幕 大津港などで多彩に 07/11/07 京都新聞電子版
 水産業の振興、水環境の保全などを目的とした「第27回全国豊かな海づくり大会」が10、11の両日、大津市の大津港一帯で開かれる。式典では琵琶湖や周辺の川、森などの生態系保全を誓い、ニゴロブナなどを放流して豊かな「湖の幸」の復活、繁栄を願う。
 同大会は1981年から海のある都道府県で毎年開催されている。内水面で開かれるのは今回が初めてとなる。
 天皇皇后両陛下が出席される式典は11日午前、大津市のびわ湖ホールで行われ、琵琶湖の自然や恵みなどを映像で紹介し、水産振興に功績のあった団体や個人を表彰する。
 続いて同ホール沖の琵琶湖で伝統漁法を披露、ニゴロブナやホンモロコ、ワタカなど琵琶湖固有種の稚魚を放流する。漁船や観光船などによる湖上パレードもある。
 近くの大津港やなぎさ公園では10、11の両日とも、ふるさと産品や農水産物の販売を行うほか、大学生による音楽演奏やよし笛アンサンブルなどのステージ企画、魚とふれあえる広場も設けられる。

■琵琶湖の魚介類、カルタに 滋賀県立博物館で販売 07/11/08 京都新聞電子版
 琵琶湖の淡水魚などの絵柄を用いたカルタ「琵琶湖淀川水系 魚魚(とと)あわせ」がこのほど製作された。元京都府立海洋センター所長による彩り豊かな絵柄で、ビワコオオナマズなど固有種15種のほか、外来種も含めて琵琶湖の魚介類34種を紹介している。
 製作したのは関西電力グループの環境総合テクノス宮津事業所(宮津市)。滋賀県立琵琶湖博物館で水族館の飼育管理を担当しており、10日から大津市で開かれる「全国豊かな海づくり大会」の記念として作り、博物館などで販売している。
 カルタは札が72枚あり、大きさは縦約9センチ、横約7センチ。2枚1組の取り札と読み札を合わせると、魚や貝などの絵柄が現れる。「重量級 深みにひそむ 琵琶湖の主」と書かれた読み札に取り札を合わせると、ビワコオオナマズの絵柄が見られる。吉札2枚は浮御堂を描いたが、凶札2枚は外来魚のブラックバスとブルーギルを絵柄とした。
 原画は元府立海洋センター所長で、切り絵作家としても活動した同社顧問の故篠田正俊さんが千代紙などを使って作成した。テクノス社の魚カルタは11作品目で、絵柄を毎回デザインしてきた篠田さんの遺作ともなった。同社は「琵琶湖の生き物に親しみながら、外来魚問題などに目を向けるきっかけになれば」としている。

■琵琶湖で「海づくり大会」 10、11日に大津から“発信” 07/11/08 Chunichi Web滋賀
 「第27回全国豊かな海づくり大会」が10、11の両日、大津市中心部の琵琶湖岸で開かれる。これまでは海に面した道府県を会場に行われており、海のない内水面での開催は初めて。「この湖(うみ)を 守る約束 未来のために」をテーマに、豊かな琵琶湖を継承していくことの大切さをアピールする。大会は、水産資源や自然環境の大切さを広く理解してもらおうと、1981年の大分県を皮切りに毎年、全国各地で開かれている。(本安幸則)
式典
 11日午前9時5分から、打出浜のびわ湖ホールで行われる。天皇皇后両陛下がご出席になり、県内外の招待者約1500人が集う。
 栽培漁業や漁業保全に功績のあった団体と、大会に合わせて募集した絵画、習字の入賞者を表彰する。漁業の後継者が誓いの言葉を述べ、子どもたちが環境保全の取り組みを発表する。
 午前11時半ごろには、両陛下が招待者約600人とともにニゴロブナ、ホンモロコなど約1800匹を放流される。湖上では船がパレード。エビやアユ、シジミ、アユを捕る漁船をはじめ、県や国の調査、学習船計26隻が航行する。
イベント
 期間中の2日間は午前9時半から午後4時半まで、大津港周辺と、なぎさ公園で「ふれあい交流行事」が実施される。入場無料。
▽大津港会場
 「注文の多い湖魚料理店」と名付けた漁業・環境ミュージアムを開設。人と湖とのかかわりを示す展示が並ぶ。
 県特産品を紹介するコーナーも設けられ、近江牛や茶、地酒の試食、販売が行われる。動物や魚と触れ合う「遊びの広場」もある。ステージでは、吹奏楽演奏や、タレント・さかなクンが出演するショーなどもある。
▽なぎさ公園会場
 県内の12市3町がそれぞれの自然や歴史をパネル展示やパンフレットで紹介。特産品の試食や販売もある。
 大学や研究機関、企業は、研究内容や新技術を説明するパネルや機器を出品。打出浜の琵琶湖文化館では、大会の県実行委員会が募集した絵画や習字、写真の優秀作品が展示される。

■琵琶湖文化館の存続要望 県文化財保護連盟、寄託品返還も検討 07/11/08 京都新聞電子版
 県が本年度末をめどに休廃館を検討している琵琶湖文化館(大津市)について、県内社寺など135団体が作る県文化財保護連盟(会長、鷲尾遍隆・石山寺座主)が8日、存続などを求める要望書を県に提出した。
 要望書は、文化館の存続と寄託文化財の適正な管理と公開、学芸員の雇用確保と調査研究環境の整備とともに、文化財活用のための予算確保を求めている。
 さらに、「公開が約束されない場合は寄託品を返還していただくことを検討」としており、休廃館後に約5000点の所蔵文化財が県外流出する可能性を示唆した。
 この日、鷲尾座主ら僧侶5人が県庁を訪れ、嘉田由紀子知事と面談した。鷲尾座主は「県内の国指定文化財は所蔵数全国4位を誇る。文化館の休廃館により、(文化財保護設備の充実する)東京や京都などに散逸する可能性がある」として文化館存続へ理解を求めた。嘉田知事は県の厳しい財政状況を説明し、「お約束はできないが、考えさせてもらう」と話した。

■県立琵琶湖文化館:存続の声相次ぐ 県文化財保護連盟、知事に要望書手渡す 07/11/09 毎日jp滋賀
 休館や廃止が検討されている県立琵琶湖文化館(大津市打出浜)について、存続を求める声が美術・文化関係者から相次いでいる。8日に文化財所有者でつくる「県文化財保護連盟」(会長=鷲尾遍隆・石山寺座主)が「文化財保護の歴史上の危機。歴史文化の拠点として残してほしい」とする要望書を嘉田由紀子知事に手渡した。6日にも県内外の愛好家でつくる「琵琶湖文化館友の会」(会長=石丸正運・元琵琶湖文化館長)が同様の要望書を出しており、「文化財行政を切り捨てないで」という声が広がっている。【蒔田備憲】
◇「歴史文化の拠点に」
 同館は県内初の公立博物館として、61年に開館し、地上5階、地下1階建て。水族館も併設され、琵琶湖岸に浮かぶ城をイメージした外観が人気を呼び、収蔵品も約5000点と豊富なため、64年度には約28万人が訪れた。しかし、96年に水族館を閉館したころから、来館者が年々減少。昨年度は約1万8600人にとどまった。老朽化も進んでおり、県教委は「廃止や休館、収蔵庫としての利用も検討する」と見直しを進めている。
 こうした動きを受け、友の会は6日、「重要文化財の保有件数全国4位を誇る県にとって文化財行政のシンボル。貴重な場をなくさないでほしい」など3項目にわたる要望書を提出。ホームページで署名活動をするなど支援を呼びかけている。
 一方、8日に知事と面談した鷲尾会長らは「文化館がなくなれば、収蔵する文化財が東京や京都などに流れかねない」と危機感を表明。嘉田知事は「県は財政的に非常に厳しい状況にある。この場で約束はしかねるが、次の世代へ途切れてはいけないものだと感じている」と明言を避けた。

■コイ、フナ…洗堰操作で卵半数死滅 国交省、梅雨期の水位下げ調査 07/11/09 京都新聞電子版
 今年の梅雨期に琵琶湖岸でコイ、フナの大規模な産卵があった際、国土交通省琵琶湖河川事務所が瀬田川洗堰(大津市)を操作して琵琶湖の水位を下げた結果、ヨシなどに産み付けられた卵の半数前後が水面上にさらされ、干からびていたことが8日、同事務所の調査で分かった。
 水位の急低下は魚類の繁殖に悪影響を与えるとされており、調査結果はその指摘をあらためて裏付けた。
 まとめによると、6月27日に湖北町延勝寺で今年最多の26万粒の産卵を確認したが、その後の水位低下で47%が干からびた。3日後にも同じ場所に17万粒が産み付けられたが、同様に59%が死んだ。
 コイ・フナは降雨で水位が上がると活発に産卵する。しかし琵琶湖周辺の水害を防ぐため、出水期の6月16日以降は雨が降った場合、速やかに一定の水位まで下げることが洗堰の操作規則で決められている。
 同事務所は魚類の繁殖に配慮し、水害の恐れが少ない期間(4月1日−6月15日)は、卵がふ化するまで一定の間水位を下げない取り組みを続けている。今年もこの期間中に2度、10万粒以上の大産卵があり、水位を維持した結果、干からびた率は2−4%に抑えられた。

■両陛下来県で一部交通規制/大津・甲賀など 07/11/09 asahi.com滋賀
 11日に大津市内で開かれる「第27回全国豊かな海づくり大会」に出席するため、天皇、皇后両陛下が来県する10〜13日、大津市や甲賀市などで交通規制がある。一時通行止めや通行規制の時間は次の通り。大会や行事の進行状況によって、規制時間は前後する可能性がある。
【10日】京都南インター―大津インター(名神高速道路)、12時30分〜13時30分▽大津インター―県庁前、12時40分〜13時40分▽県庁前―大津市唐崎(国道161号経由)、13時50分〜14時50分、15時20分〜16時20分
【11日】琵琶湖ホテル―県立芸術劇場びわ湖ホール(なぎさ道路)、9時30分〜10時10分、11時40分〜12時40分▽守山市山賀―大津市大萱(湖周道路)、15時50分〜16時50分▽大津市大萱―草津市新浜―近江大橋、16時10分〜17時▽近江大橋―大津市島の関(湖岸道路)、16時20分〜17時20分
【12日】大津市島の関―JR大津駅前(中央大通り)、9時50分〜10時40分、16時10分〜17時▽甲賀市水口町貴生川―同市信楽町長野―同市信楽町宮町、10時30分〜12時、14時〜15時▽同市信楽町宮町―同市水口町水口、14時30分〜16時10分
【13日】大津市島の関―同市柳が崎―同市神宮町―比叡山延暦寺(国道161号経由)、9時20分〜10時40分▽比叡山延暦寺―同市南志賀(山中越え、比叡山ドライブウェイ)、11時30分〜12時40分▽南志賀ランプ―京都東インター―京都南インター(西大津バイパス、名神高速道路)、12時〜13時
 問い合わせは、県警本部第27回全国豊かな海づくり大会警衛警備対策室(077・522・1231)へ。

■大津市や甲賀市などで交通規制 「海づくり大会」開幕 07/11/10 京都新聞電子版
 大津市で10、11日に開かれる「第27回全国豊かな海づくり大会」に天皇、皇后両陛下が出席され、12、13日に県内を視察することを受けて、大津市や甲賀市などで交通規制が行われる。区間と日時は次の通り。
【10日】京都南IC−大津IC=名神高速道路(後0時半−後1時半)▽大津IC−滋賀県庁前(後0時40分−後1時40分)▽滋賀県庁前−唐崎=国道161号経由(後1時50分−後2時50分、後3時20分−後4時20分)
【11日】琵琶湖ホテル−びわ湖ホール=なぎさ道路(前9時半−前10時10分、前11時40分−後0時40分)▽守山市山賀−大津市大萱=湖周道路(後3時50分−後4時50分)▽大津市大萱−草津市新浜−近江大橋(後4時10分−後5時)▽近江大橋−大津市島の関=湖岸道路(後4時20分−後5時20分)
【12日】大津市島の関−JR大津駅前=中央大通り(前9時50分−前10時40分、後4時10分−後5時)▽甲賀市水口町貴生川−甲賀市信楽町長野−甲賀市信楽町宮町=国道307号など(前10時半−後0時、後2時−後3時)▽甲賀市信楽町宮町−甲賀市水口町水口(後2時半−後4時10分)
【13日】大津市島の関−大津市柳が崎−大津市神宮町−比叡山延暦寺=国道161号(前9時20分−前10時40分)▽比叡山延暦寺−大津市南志賀=比叡山ドライブウェイ(前11時30分−後0時40分)▽南志賀ランプ−京都東IC−京都南IC=西大津バイパス、名神高速道路(後0時−後1時)

■全国豊かな海づくり大会開幕 大津でレセプション 07/11/10 京都新聞電子版
 「第27回全国豊かな海づくり大会」のレセプションが10日夕、天皇皇后両陛下も出席して滋賀県大津市内のホテルで開かれ、県内外の漁業関係者ら約200人が和やかに歓談した。
 あいさつで嘉田由紀子知事は、琵琶湖の漁獲量が減少している現状にふれ、「湖が持つ本来の力を取り戻したい。海づくり大会が、琵琶湖再生の大きなきっかけになってほしい」と述べた。
 出席者は近江の地酒で乾杯した後、フナズシや子持ち鮎の塩焼き、セタシジミのつくだ煮など「湖国づくし」の料理を味わった。また、天皇皇后両陛下は、県内の若手の漁業後継者らと親しく懇談された。
 同大会は11日午前に同市のびわ湖ホールで式典を行うほか、ニゴロブナなどを放流し、琵琶湖の自然や恵みへの思いを新たにする。

■両陛下、特養ホーム訪問 大津 07/11/10 京都新聞電子版
 「全国豊かな海づくり大会」に出席するため、13年ぶりに滋賀県入りした天皇、皇后両陛下は10日、大津市見世1丁目の特別養護老人ホーム「ケアタウンからさき」を訪問された。書道や歌を披露したお年寄りに笑顔で「お元気でね」と声をかけられた。
 両陛下は午後1時過ぎ、大津市京町4丁目の県公館で嘉田由紀子知事から琵琶湖の環境などの説明を受けた後、同施設を訪れ、車いすの利用者ら約50人に迎えられた。
 天皇陛下は、書道教室でゆっくりとした筆遣いで字を書くお年寄りに「字を書くのはお好きですか」と尋ねられた。皇后陛下は「元気でお習字を続けてくださいね」とほほえまれた。大橋豊子さん(96)は「うれしいです」と感激した様子で答えていた。

■琵琶湖で海づくり考えよう 全国大会が開幕 07/11/11 Chunichi Web滋賀
 「この湖(うみ)を 守る約束 未来のために」をテーマに、第二十七回全国豊かな海づくり大会びわ湖大会が十日、大津市中心部の琵琶湖岸で始まった。十一日まで。
 オープニングセレモニーは、大津港周辺の「ふれあい交流行事」会場で行われ、嘉田由紀子知事が「琵琶湖の伝統、生態系を守り、未来のためにどうすれば良いか、ともに考える機会にしたい」とあいさつした。
 会場には、琵琶湖の漁業や水環境の現状を紹介するミュージアムを特設。楽しみながら琵琶湖への理解を深められるようになっている。
 近江牛や近江米といった県内の特産品や農産品を販売するコーナーや、アザラシやペンギンなどと触れ合える広場もあり、家族連れらでにぎわった。
 天皇、皇后両陛下が出席される式典は、十一日に打出浜のびわ湖ホールで行われる。(本安幸則)

■両陛下歓迎沿道1万人 特養施設で親しく歓談 07/11/11 Yomiuri On Line滋賀
 13年ぶりに天皇、皇后両陛下が来県された10日、両陛下の訪問先では和やかな歓談の輪が広がり、沿道に詰めかけた約1万人(県発表)が歓迎の小旗をはためかせた。両陛下は11日、大津市の琵琶湖岸で開かれる「全国豊かな海づくり大会」に出席、固有種のホンモロコなどを放流されるほか、県立琵琶湖博物館も見学され、琵琶湖の魅力に触れられる。
 両陛下は昼過ぎ、嘉田知事らの出迎えを受け、大津市の県公館にご到着。天皇陛下が「今年の冬は暖かく、雪も少なかったですが、琵琶湖に影響はありませんでしたか」と尋ねられ、知事が「湖底の低酸素化が起き『琵琶湖の深呼吸』が難しい状態です」と答えると、心配されていたという。
 この後、両陛下は、同市見世の特別養護老人ホーム「ケアタウンからさき」へ。入居者ら約50人が笑顔で歓迎し、両陛下は一人ひとりに「どんなことをしているのですか」「お元気でいて下さい」とにこやかに話しかけられた。
 書道教室では、けいこの様子をご覧になり、皇后陛下は入居者の肩に触れ「元気でお習字をお続けになって下さい」と声をかけられた。入居者20人が「琵琶湖周航の歌」を披露。両陛下が「もう一度歌っていただけますか。いい歌ですね」とほほ笑まれると、感極まって涙ぐむ女性もいた。
 ホーム近くの沿道では、約200メートルに渡って大勢の市民が並び、日の丸の小旗を振りながら、両陛下の車を見送った。
 同市本堅田、保育園職員松口百合子さん(65)は「初めて拝見したが、お二人とも上品ですてき。自分が生まれ育った滋賀に訪問していただけて涙が出そうになった」と感激。
 近くの無職辻義明さん(85)は「滋賀の魅力を堪能される4日間をお過ごしになるのでは。新聞やテレビで拝見しているので、近しい気分になった」と笑顔を見せた。
 午前11時から沿道で待っていた同市唐崎、無職筈井正子さん(70)は「いつ見ても皇后陛下は清らかで、言葉で表現できない美しさを感じる。お元気そうで何よりです」と顔をほころばせた。
 両陛下は同日夕、同市の琵琶湖ホテルで、漁業関係者ら約200人が集まって開かれた歓迎レセプションにご出席。出席者と和やかに懇談された。

■湖魚に触れ合い歓声 大津で豊かな海づくり大会「交流行事」 07/11/11 京都新聞電子版
 全国豊かな海づくり大会の「ふれあい交流行事」が10日、大津市の大津港周辺で始まった。会場には琵琶湖の環境保全を呼び掛ける展示や湖魚を使った料理の販売などのテントが並び、会場はお祭りムードに包まれた。
 大会の趣旨を、幅広い市民に知ってもらおうと、同大会実行委員会が企画した。
 近くのなぎさ公園も含めた会場には、約130のブースが並んだ。ナマズやウナギなど、水槽の湖魚と触れ合える体験コーナーには、多くの親子連れが訪れ、つかまえるとつるっとすべる感触に「気持ちいい」などと歓声を上げていた。ゲームを通じてカワウの繁殖抑制や外来魚の脅威について学ぶコーナーなども人気を集めた。
 また、アユの塩焼きやセタシジミのみそ汁など琵琶湖の恵みを使った料理をはじめ、近江牛の焼き肉など、滋賀の農産物も販売され、昼食時には長い列ができていた。
 11日は午前9時半から午後4時半まで。

■皇室:両陛下、13年ぶり来県 「豊かな海づくり大会」に先立ち 07/11/11 毎日jp滋賀
 外洋でない湖では全国初の開催となる「第27回全国豊かな海づくり大会〜びわ湖大会」が11日、大津市打出浜のびわ湖ホールなど開かれる。これに先立ち、天皇、皇后両陛下が10日、3泊4日の日程で滋賀入りされ、特別養護老人ホームで入所者を励ましたり、歓迎レセプションに出席された。両陛下の来県は94年以来、13年ぶり。
 両陛下は県庁隣りの県公館で、嘉田由紀子知事から県勢概要の説明を受けた。嘉田知事によると、天皇陛下は、暖冬と水位の低下による琵琶湖への影響について質問。知事は湖底の低酸素化などを説明した。
 この後、両陛下は同市見世1の特別養護老人ホーム「ケアタウンからさき」を訪れ、入所者の書道教室や合唱を見学し、入所者に「書くのがお好きですか」「お元気でね」と激励。「琵琶湖周航の歌」の合唱では、天皇陛下が、にこやかに「もう1回歌って下さい」と求める場面も。
 書を見せた入所者の女性(96)は「うれしい。ありがたいことです」と涙を浮かべていた。
 レセプションは琵琶湖ホテル(同市浜町)で開かれ、両陛下は大会会長の河野洋平・衆院議長や若林正俊農相、知事や目片信・大津市長、漁業関係者らと漁業や環境について懇談した。
 11日は式典の後、ニゴロブナやホンモロコなど4種類約1800匹の魚を琵琶湖に放流。その後、船で移動し、県立琵琶湖博物館(草津市下物町)を視察する。【鈴木健太郎、豊田将志】

■両陛下、海づくり大会出席=ニゴロブナなど放流−大津 07/11/11 jijicom
 第27回全国豊かな海づくり大会が11日、天皇、皇后両陛下をお迎えして大津市の滋賀県立芸術劇場びわ湖ホールで開かれた。26年前に始まった同大会が海のない県で開かれたのは初めて。
 天皇陛下はあいさつで、近年の水質汚染や外来魚の繁殖などで琵琶湖の漁獲量が大きく減ってきていることに「心を痛めています」と思いを述べた。その上で、湖岸の清掃や植林などで湖の環境が改善しつつある点にも触れ、「再び魚影豊かな湖となることを期待しています」と話した。
 式典後に近くの湖岸で放流行事が行われ、天皇陛下は琵琶湖固有種のニゴロブナとワタカ、皇后陛下はホンモロコとアユを放流した。

■天皇皇后両陛下 海づくり大会式典に出席 07/11/11 asahi.com
 天皇皇后両陛下は11日、大津市で開かれた「全国豊かな海づくり大会琵琶湖大会」の式典に出席した。
 天皇陛下は式典のあいさつで、外来魚などの異常繁殖で琵琶湖の漁獲高が激減していることにふれ、「永(なが)い時を経て琵琶湖に適応して生息している生物は、皆かけがえのない存在です。かつて琵琶湖にいたニッポンバラタナゴが絶滅してしまったようなことが二度と起こらないように、琵琶湖の生物を注意深く見守っていくことが大切と思います」と話した。

■陛下「外来魚繁殖心痛む」 琵琶湖畔で異例のお言葉 07/11/11 Chunichi Web
 天皇、皇后両陛下は11日、大津市の琵琶湖畔で開かれた「第27回全国豊かな海づくり大会」の式典に出席された。
 天皇陛下は琵琶湖で問題となっている有害外来魚の繁殖に触れ「ブルーギルは50年近く前、私が米国より持ち帰り、水産庁の研究所に寄贈したもの」とし「食用魚として期待が大きく養殖が開始されましたが、今このような結果になったことに心を痛めています」と異例の言葉を述べた。
 滋賀県によると、琵琶湖には1960年代にブルーギルが侵入し、90年代に爆発的に増加。モロコなど在来魚の漁獲量激減の原因となった。釣った魚の回収ボックスを設置したり、持ち帰りを奨励するなどの対策を県が講じ、外来魚は減少傾向にあるという。
 両陛下は式典後、琵琶湖畔に設置された台からニゴロブナやアユなどの稚魚を放流。大漁旗を立ててパレードする漁船に手を振って応えた。(共同)

■「琵琶湖のブルーギル繁殖心痛む」 天皇陛下ごあいさつ 07/11/12 asahi.com
 天皇皇后両陛下は11日、大津市で開かれた「全国豊かな海づくり大会琵琶湖大会」に出席した。天皇陛下は、外来魚ブルーギルが異常繁殖し、琵琶湖の漁獲量が大きく減ったことに触れ、「ブルーギルは50年近く前、私が米国より持ち帰り水産庁の研究所に寄贈したものであり、当初、食用魚としての期待が大きく養殖が開始されましたが、今このような結果になったことに心を痛めています」と述べた。
 魚類を研究する天皇陛下が外来魚問題について、公の場で発言したのは初めて。
 宮内庁によると、天皇陛下は皇太子時代の1960年にアメリカを訪問した際、シカゴ市長からブルーギルを寄贈され、食用や釣りの対象になればと水産庁の研究所に寄贈した。滋賀県によると、1963年、国から琵琶湖の県水産試験場にブルーギルが分与された。逃げないように注意して飼育していたが、なんらかの経緯で、60年代末までにブルーギルが一般水域で確認されるようになったという。
 天皇陛下は一般水域に入ったブルーギルが生態系を壊したことについて以前から残念に思っており、側近に「おいしい魚なので釣った人は持ち帰って食べてくれれば」などと話していたという。
 天皇陛下はあいさつの最後に「永(なが)い時を経て琵琶湖に適応して生息している生物は、皆かけがえのない存在です。かつて琵琶湖にいたニッポンバラタナゴが絶滅してしまったようなことが二度と起こらないように、琵琶湖の生物を注意深く見守っていくことが大切と思います」と述べた。
 大会実行委員長の嘉田由紀子滋賀県知事は、天皇陛下の発言について「当時は食糧難でたんぱく質を増やそうという時代で、その後、生物の多様性の重要さが指摘されるようになったのに、科学者として勇気ある発言をしてくださった。お気持ちを真摯に受け止め、琵琶湖の再生に向けて働きたい」と話した。

■豊かな湖へ 誓い新た 滋賀で海づくり大会 07/11/12 京都新聞電子版
 「第27回全国豊かな海づくり大会」の式典が11日、大津市のびわ湖ホールで天皇、皇后両陛下が出席されて開かれた。滋賀県内外の漁業関係者ら約1300人が参加し、生態系や漁業資源保全への誓いを新たにした。また、琵琶湖にニゴロブナなどの稚魚を放流し、豊かな湖の再生を祈った。
 嘉田由紀子滋賀県知事が「琵琶湖の漁師は湖の健康状態を知っている『保健師さん』。漁業を守ることが琵琶湖を守ることにつながる」とあいさつ。山や湖など自然と触れ合う活動を続けている県内の小学生らが、豊かな環境を守る大切さをリレー方式で訴えた。
 この後、同ホールに隣接する琵琶湖で湖魚の放流が行われ、両陛下はニゴロブナ、ホンモロコ、ワタカ、アユの稚魚を湖に放し、元気よく泳いでいく様子を熱心に見守られた。
 湖上では伝統漁法のえびたつべ漁が実演されたほか、漁船や調査船などによるパレードも行われた。また、次期開催県である新潟県の泉田裕彦知事らに、嘉田知事から大会旗が引き継がれた。

■「ブルーギル繁殖、心痛む」 陛下、海づくり大会で胸中明かす 07/11/12 京都新聞電子版
 「50年近く前、私が米国より持ち帰ったブルーギルが、このような結果になったことに心を痛めています」。天皇陛下は11日、大津市であった全国豊かな海づくり大会の「おことば」で、琵琶湖の外来魚ブルーギルが増加していることに複雑な胸中を明かされた。
 「おことば」では、外来魚やカワウの異常繁殖などで琵琶湖の漁獲量が激減していることに触れられた後、ブルーギルについて「当初、食用魚としての期待が大きく、養殖が開始されましたが、このような結果になったことに心を痛めております」と述べられた。
 その上で「長い時を経て琵琶湖に適応して生息している生き物は、皆かけがえのない存在です」とも語られ、湖の環境改善に期待感を示された。
 ブルーギルは、天皇陛下が皇太子時代の1960年に訪米された際、シカゴ市長から贈られた個体が、水産庁の研究所を通じて滋賀県など各地へ分与されたとされる。ただ、琵琶湖に入り込んだ経緯は定かではない。
 「おことば」について嘉田由紀子知事は、「陛下の、科学者としての真摯(しんし)な姿勢をお示しくださったと感激している」と話した。

■ブルーギルの大繁殖「心痛む」…天皇陛下 07/11/12 Yomiuri On Line関西発
◆外来魚問題を憂慮、大津の「海づくり大会」で
 天皇陛下は11日、大津市の琵琶湖畔で開かれた「第27回全国豊かな海づくり大会」に皇后さまとともに出席し、式典のお言葉で、琵琶湖をはじめ全国で大繁殖が問題になっている外来魚ブルーギルに触れ、「ブルーギルは50年近く前、私が米国より持ち帰り、水産庁の研究所に寄贈したものであり、当初、食用魚としての期待が大きく、養殖が開始されましたが、今、このような結果となったことに心を痛めています」と心情を吐露された。魚類分類学者である陛下が、公式に外来魚の問題に言及されたのは初めて。
 宮内庁や滋賀県によると、陛下は皇太子時代の1960年に訪米した際、シカゴ市長からブルーギルを贈られ、釣りや食用になればと魚を持ち帰って水産庁に寄贈、それが滋賀県水産試験場に分与された。
 試験場は琵琶湖で網を二重にして試験的に飼育したが、何らかの経緯で60年代には琵琶湖で生息が確認されたという。大繁殖の結果、近年はニゴロブナなど固有種の漁獲量が激減した。
 食糧増産が図られた時代だったとはいえ、陛下は琵琶湖の生態系を壊す結果につながったことにかねて心を痛め、以前から思いを話されていたという。
 陛下はお言葉の最後で、「永い時を経て琵琶湖に適応している生物は、皆かけがえのない存在です。かつて琵琶湖にいたニッポンバラタナゴが絶滅してしまったようなことが二度と起こらないように、琵琶湖の生物を注意深く見守っていくことが大切と思います」とも述べられた。
ブルーギル
 北米原産の淡水魚。体長は10〜20センチ程度と小型だが、小魚や魚の卵、昆虫などを食べ、繁殖力が強い。全国の湖や池で繁殖し、在来の生態系を脅かすとして、1990年代から自治体などが駆除に乗り出している。
◆信楽焼の制作活動をご覧に
 天皇、皇后両陛下は12日、滋賀県甲賀市の県立陶芸の森で、若手作家らによる信楽焼の制作活動をご覧になった。陶芸の森へ車で向かわれる際には、1991年に42人の犠牲者を出した信楽高原鉄道事故現場に立つ慰霊碑前を最徐行で通過され、集まった同事故の遺族らが頭を下げて両陛下を見送った。

■天皇陛下:自分が持ち帰った外来魚に「心を痛めています」 07/11/12 毎日jp
 天皇陛下は11日に大津市の琵琶湖であった「第27回全国豊かな海づくり大会」の式典あいさつで、自分が皇太子時代に米国から持ち帰った外来魚のブルーギルが琵琶湖の生態系を脅かしていることに触れ、「心を痛めています」と述べた。大会は、水産資源の保護や海や湖の環境保全を目的に毎年、各都道府県が持ち回りで開催している。
 宮内庁によると、魚の研究家でもある陛下は60年に訪米した際、シカゴ市長からブルーギルを寄贈された。ブルーギルは水産庁の研究所に渡されたといい、あいさつでは「当初、食用魚としての期待が大きく、養殖が開始されましたが、今、このような結果になったことに心を痛めています」と語った。
 琵琶湖では90年代にブルーギルが急増し、生態系に影響を与えている。あいさつの後、陛下は皇后さまと一緒に、ホンモロコやアユなどの稚魚を放流した。
 あいさつを聞いた嘉田由紀子滋賀県知事は会見で「当時は食糧難の時代で貴重なたんぱく源だった。陛下の勇気ある姿勢を真摯(しんし)に受け止め、琵琶湖の再生に努めたい」と話した。【真鍋光之】
【ブルーギル】北米原産の淡水魚で、名前は「青いえら」という意味。水の流れのあまりない淡水域に生息する。体長は10〜20センチ台。雑食性で繁殖力が強い。小魚も食べるため、同じ外来魚のブラックバスとともに生態系を破壊すると各地で問題になっている。

■ブルーギル「私が持ち帰った」 環境憂慮、天皇陛下がお言葉 07/11/12 Chunichi Web
 天皇陛下は11日開かれた「全国豊かな海づくり大会」の式典で、外来魚やカワウの異常繁殖などにより、琵琶湖の漁獲量が減っている現状を述べられた上で、「外来魚の中のブルーギルは50年近く前、私が米国より持ち帰り、水産庁の研究所に寄贈したものであり、当初、食用魚としての期待が大きく、養殖が開始されましたが、今、このような結果になったことに心を痛めています」と心情を明かした。
 宮内庁や滋賀県によると、陛下は1960年に米国シカゴ市を訪れた際、市長からブルーギルの寄贈を受け、水産庁の研究所に渡した。県水産試験場は63年から64年にかけ、水産庁の研究所からブルーギルを分与されて飼育。72年まで研究対象にしていた。
 77年発行の季刊誌「淡水魚」では、ブルーギルが滋賀県の養殖池から逃げ出し、琵琶湖に見られるようになったとの話が紹介されている。当時、陛下から話を聞いた筆者は「殿下(当時)は残念に思われている御様子だった」と記しており、陛下は30年前から心配していたとみられる。
 県漁連のパンフレットによると、琵琶湖では1990年にブルーギルが急増し、93年に大繁殖。一方で、固有種ホンモロコの漁獲量は90年代後半から激減した。
 嘉田由紀子知事は11日の記者会見で、ブルーギルについて「(試験場では)二重の網をしていたので、逃げ出したとは考えられない。増えたのが平成に入ってからという時間のズレもある」などと、急増した原因は不明とした。
 その上で「当時は食糧難。タンパク質を増やす、いろんな知恵を生みだそうとしていた」とし、陛下の言葉については「科学者としての天皇陛下の真摯(しんし)な姿勢をお示しくださったものと、大変な感激を持っておうかがいしました」と話した。

■川の水でアオコ抑制 大津で技術研究発表会 07/11/13 京都新聞電子版
 琵琶湖の水質改善や環境保全に向けた技術研究発表会が13日、大津市のコラボしが21であり、川の水を引き込むことによる内湖の浄化実験や、水の流れを利用した外来魚駆除技術の開発など7件の研究成果が報告された。
 財団法人琵琶湖・淀川水質保全機構などが2年ごとに開いている。滋賀県南部振興局の担当者は草津市にある平湖、柳平湖の水質改善実験について報告。水が滞留してアオコの発生が問題になっていたが、近くの川から導水した結果、水の入れ替えが進んでアオコを抑えることができたとした。
 国土交通省琵琶湖河川事務所の外来魚駆除技術は、水の流れに対する在来魚と外来魚の好みの違いを利用。水路のせきを越えるように水を流すと、流れを好むフナはせきを乗り越えるのに対し、ブルーギルは下流にとどまることから、両者のすみ分けに活用できるとした。
 園芸植物や貝殻を利用した水質浄化、ヨシ帯の復元実験、水環境データベースの構築などの発表もあり、訪れた人たちは熱心に聞き入っていた。

■第三回外来魚情報交換会 07/11/13 EICネット
こんにちは、いつもお世話になっております。琵琶湖を戻す会です。
10月28日に行われましたびわ湖外来魚駆除釣り大会&びわ湖湖岸清掃の結果は草津市志那中湖岸緑地で開催した駆除大会では最高となる302名の皆さんにご参加いただきました。(滋賀、大阪、京都、兵庫、奈良、福井、愛知、東京、神奈川、栃木の10都府県から参加)今回はリピーターが56名で、新規参加が96名もいらっしゃいました。
あいにく魚の食いが良くなくて午前中は全くと言っていいほど釣れない状態が続きました。それでも裏の内湖や横の水路ではそこそこ釣れており、また午後からは受付正面湖岸でも釣れ始め、最後には何とか34.8kgを駆除することが出来ました。
参加された皆様、協力して下さった皆様、ありがとうございました。
http://homepage2.nifty.com/mugituku/2007-10-28/2007-10-28b.html
続きまして第三回外来魚情報交換会のお知らせをさせて頂きます。
11月11・12日の両日琵琶湖で開催された「第27回全国豊かな海づくり大会」においての天皇陛下がわざわざお言葉にされるほど、依然琵琶湖をはじめ日本各地の外来魚の勢いは衰えることを知りません。
外来魚駆除に特効薬がない以上、各現場で出来るところから対策を進めるしかなく、それには個々が持つ外来魚の生態や防除の情報を持ち寄り共有することが重要となります。
琵琶湖を戻す会は外来魚の情報交換と相互交流する場として、来年1月27日に今回で3回目となる「第三回『外来魚情報交換会』」を琵琶湖で開催致します。
多くの皆さんに情報を持ち寄っていただき、それらを共有することで日本の水辺から外来魚を排除する動きを少しでも後押し出来ればと願っています。
皆さまの参加を心よりお待ちしております。
◆開催要項◆
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【日    時】2008年1月27日(日)
 (情報交換会) 9:30〜17:00
 (懇 親 会)18:00〜
【会    場】草津市市民交流プラザ(JR南草津駅前)
【参 加 料 金】(情報交換会)500円・(懇親会)4,000円(予定)
【参 加 資 格】なし
【定    員】100名(先着順)
【申 し 込 み】事前申し込みが必要
【問い合わせ先】090-8527-3752(琵琶湖を戻す会 事務局)
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◆募集要項◆
----------------------------------------------------------------※下記の項目を全て記入の上、メールにてお申し込み下さい。
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 参 加 者 名 :
 所属(あれば):
 連 絡 先 :(電 話)
         (メール)
 発   表 :発表する・発表しない
 ※発表いただく場合のテーマ:「                    」
 懇 親 会 :参加する・参加しない
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◆発表者募集は11月30日で締め切らせていただきます。
◆参加者は会場の都合により先着100名で締め切らせていただきます。
◆同時に複数名申し込まれる場合は全員のお名前と代表者の連絡先をお書き下さい。
◆発表時間は一人15分を予定しています。
=>申し込み先: 琵琶湖を戻す会 事務局 masahiko.takada@nifty.ne.jp
琵琶湖を戻す会は農林水産省及び環境省より特定外来生物防除認定を受けています。
http://homepage2.nifty.com/mugituku/prevention/prevention.html

■カワウの狩猟、61年ぶり解禁へ 県「少しでも駆除増やせれば」 07/11/14 Chunichi Web滋賀
 漁業や樹木への影響が懸念されているカワウの狩猟が15日から、1946年以来61年ぶりに解禁される。来年の2月15日までの期間中は、捕獲の申請が必要ないため、県自然環境保全課は「少しでも駆除数を増やせれば」と期待を寄せている。
 同課によると、環境省が本年度からカワウを狩猟鳥獣に加えたことを受けて実施する。今春の調査によると、竹生島や伊崎半島で営巣地を作り、約3万4000羽が生息。樹木の枯死や漁業被害が問題となっている。
 県は対策として1993年度から、鳥獣保護法に基づき、市町や県漁連が知事の許可を受け、銃器で駆除してきた。昨年度は約1万8000羽の実績があった。
 カワウはかつて全国に生息していたが、河川改修や干潟の埋め立ての影響で数が減少。1947年に狩猟鳥獣の指定を外されていた。(勝山友紀)

■水抜きし、有害外来魚を駆除 07/11/14 東日新聞ネット版
 田原市田原町の滝頭自然公園内の滝頭下池(8000平方メートル)で、ブラックバスやブルーギルなどの有害外来魚を駆除するための水抜き作業が行われている。
 水抜き作業は、10月20日から同市と同公園を管理する田原区(藤城正行区長)の職員、NPOなど20人で始まった。池の水がほぼ空となった11日、コイやへラブナなど在来種の保護と、在来種を食べる有害外来魚の駆除作業が行われた。その結果、ブラックバス、ブルーギル合わせて70キロを駆除、在来種であるコイ77匹、ヘラブナ52匹を隣の滝頭上池に移動させた。
 両池は、1933年に農業用ため池として造られ、その後、周辺地を含めた自然公園として整備された。昨年2月に初めて水抜き作業が行われた上池に続き、下池でも行われた。今回の作業で初めて、県のレッドデータブックの絶滅危ぐ種に指定されているマツカサガイの生息も確認された。
 現在、市とNPOが市内約150カ所のため池などで外来魚の生息調査を進めており、調査完了にはあと3年ほどかかるという。

■5年以内に国立公園見直し 環境省、自然保護で新戦略 07/11/14 Chunichi Web
 環境省の中央環境審議会は14日、すべての国立・国定公園の指定を5年以内に見直すことなど、約660の行動計画を定めた新しい自然保護行政の指針「第3次生物多様性国家戦略」をまとめ、鴨下一郎環境相に答申した。
 地球温暖化問題への対応や、政府が2010年に名古屋市への誘致を目指している生物多様性条約の締約国会議に向けた貢献を新たに盛り込んだのも特徴。見直しは02年以来5年ぶりで、今月末にも閣議決定する。
 現在計85カ所の国立・国定公園の見直しでは、自然環境や社会状況などの変化を踏まえ、選定基準を再検討する方針を明記。多様な動植物をはぐくむ照葉樹林や里地里山、海域などを積極的に評価し、5年後をめどに再配置を進める。
 漁業と両立する海洋保護の在り方も検討。「ラムサール条約に登録された湿地を10カ所増やす」、「15年までに60羽のトキを野生に復帰させる」など計34の数値目標を設定した。(共同)

■マガモ痛そう!足にルアー針 名古屋の庄内緑地で 07/11/15 Chunichi Web
 名古屋市西区山田町の庄内緑地内のボート池に、右足先端の水かき付近にルアー(疑似餌)の針が刺さったマガモがいる。
 カワセミの写真を撮るために同池に来ていた西区の会社員・新保誠吾さん(37)が発見した。「魚釣りが禁止されているはずの公園内の池で、なぜ釣りするのかわからない。何とか助けてあげられないか」と新保さん。
 庄内緑地を管理している庄内緑地グリーンプラザ管理課長の北本日出夫(61)さんによると、約30羽のマガモの中からそのマガモを特定するのは困難。野鳥のため、捕獲しようとすると飛んで行ってしまうので、現時点では手の打ちようがないと困り果てた様子。
 くちばしでルアーをはずそうとする姿が痛々しいマガモ。自然にルアーが外れるのを待つしかないのか。

■【記者コラム:窓】ため池の覇者 07/11/16 Chunichi Web北陸中日新聞

 加賀市の農業用ため池であった外来魚の駆除を取材して、その繁殖力にびっくりした。バス類やブルーギルが知られているが、圧倒的な数を誇ったのは後者。池の水を抜く際に排水口に仕掛けた網には無数のブルーギルの稚魚がはち切れんばかりに入っていた。
 「外来魚対策のメーンはブルーギルなんです」と駆除の指導にあたった鴨池観察館のレンジャー松本潤慶さんは言う。なぜこんなに増えるのか。手にとってみて理由の一つが分かった。背びれの鋭いトゲで捕食されにくくなっている。天敵の魚が稚魚をのみ込もうとしても口の中でトゲが引っかかり、吐き出されてしまうことがあるという。
 さらに、どん欲で何でも食べ、卵や稚魚を親が守る習性もある。繁殖力の強い人間とどこか似ているような…。そもそも食用にならないかと考えて北米から持ち込んだのは人間だ。(林勝)

■ブラックバスとブルーギルを缶詰に 小浜水産高生が食品化研究 07/11/16 Chunichi Web福井
 小浜市の小浜水産高校の生徒が、琵琶湖などに生息する外来魚のブラックバスとブルーギルの食品化を研究している。研究に取り組んだ生徒たちは、色やにおいに抵抗があった魚を缶詰にまで仕立て上げたことに手応えを感じている。
 小アジなど規格外の魚を食品化する研究をしている食品工業科に、今春、滋賀県で水産関係の仕事をしている卒業生から「肥料にならない琵琶湖の魚を食品にしてほしい」との依頼があり、3年生4人が、ブラックバスとブルーギルの食品化に挑戦した。
 ネックになったのは、骨とヒレの硬さと、淡水魚独特の臭み。生徒らはインターネットなどで対処法を考え、骨は缶詰にすることで軟らかくし、加工前と調理後に魚体を塩水で洗うことで臭みを緩和した。
 兼田佳実さん(17)は「はじめは缶を開けた瞬間、においがきつく、飲み込むのが限界だった」というが、試作に試作を重ね、班長役の清水里美さん(18)は「においもあったし、色も気持ち悪く、さわるのもいやだったが、味わえるようになった」と話した。
 試食した生徒たちによれば、ブルーギルはアユのような川魚の食感があるが、ぱさぱさしている。ブラックバスは弾力のある白身魚で、においが強いという。
 ニンニクや香辛料を効かせたみそ味は、しょうゆ味に比べて味がしみこみにくく、さらなる改良を加えている。完成品は12月の校内発表会で試食する。
 中西冨士夫教諭(56)は「ブラックバスとブルーギルを食べられることを示すのが課題だった。生徒の発想は柔らかい」と評価している。一方で、硬い骨の裁断や、うろこを落とすのに手間がかかるため、商品化は困難だという。(白山泉)

■珍鳥ヘラサギが飛来 湖北地域の琵琶湖岸 07/11/16 京都新聞電子版
 滋賀県湖北地域の琵琶湖岸に、珍鳥のヘラサギ2羽が飛来し、浅瀬でエサをついばんだり、湖岸周辺を気持ちよさそうに飛び回っている。
 ヘラサギはトキ科の渡り鳥で、くちばしがしゃもじのような形をしているのが特徴。中国東北部やモンゴルなどに生息し、日本では少数が九州地方などで越冬するのが確認されている。
 湖北野鳥センター(湖北町今西)によると、これまで同地域には2001年秋以降3回しか姿を見せていない。いずれも1羽だけだったという。
 今年は5日ほど前に飛来。体長約85センチで、1羽は成鳥でくちばしの色が黒っぽく、もう1羽は肌色っぽく若鳥とみられる。

■高島市海津・西浜・知内の水辺景観 湖国2件目の重要文化的景観に 07/11/16 京都新聞電子版
 文化審議会(石澤良昭会長)は16日、「高島市海津・西浜・知内の水辺景観」を重要文化的景観に選定するよう渡海紀三朗文部科学相に答申した。選定されると、滋賀県では「近江八幡の水郷」に次いで2番目、全国で7件になる。伝統漁法と多様な水文化が残り、湖上交通に携わった人々の流通、往来が生み出した水辺景観が評価された。
 答申されたのは、同市マキノ町の海津・西浜・知内地区沿いと一部の内湖、伝統漁法ヤナ漁の保護水面の知内川など計1842ヘクタールで、このうち琵琶湖水域が1758ヘクタールを占めている。海津・西浜地区に1703(元禄16)年、築かれた石積み護岸(全長1163メートル)は全国唯一の湖岸の石積み。洗濯のための「橋板」や「イケ」と呼ばれる水場、海津漁業協同組合旧倉庫などの建物が今も残っている。
 高島市は2005年11月に景観法に基づく景観行政団体になり、07年7月に市海津・西浜・知内地区文化的景観保存活用計画書を作成、重要文化的景観に選定するように申請していた。
 海東英和市長は「今日までの生活や生業が作り出してきた景観が、認められてうれしい。町づくりの起爆剤として活用したい」としている。

■入館650万人を突破 琵琶湖文化館 開館46年で 07/11/18 京都新聞電子版
 大津市打出浜の県立琵琶湖文化館が17日、1961年3月の開館から通算の入館者が650万人を超え、節目の入館者となった親子連れに記念品が贈られた。
 文化館は琵琶湖上に浮かぶ和城様式の博物館。美術品などに加え、淡水魚の水族部門を含む総合博物館として開館したが、96年に水族部門が琵琶湖博物館(草津市)に移管されてからは、仏教美術を中心に国宝を含む5000点を収蔵する歴史博物館となり、県内外の人々に親しまれてきた。
 650万人目となったのは、大津市中央町の会社員林慎一さん(35)と妻晴美さん(31)、長男幸輝ちゃん(1)一家で、宮本忠雄館長から記念品のアルバムや花束などを贈られた。
 晴美さんは「小学校の遠足以来、久々に来ました。もう650万人なんやと思うと歴史を感じますね」と喜び、厳しい県財政の影響で休館などが検討されていることについて、「珍しい形の建物ですし、なんとか残してほしいですね」と話していた。

■養殖ホンモロコ、大人気 草津 道の駅で直売会 07/11/18 京都新聞電子版
 琵琶湖の固有種「ホンモロコ」を養殖する草津ホンモロコ生産組合(滋賀県草津市)が18日、草津市下物町の道の駅草津で初出荷の直売会を開いた。早朝から多くの市民が行列を作ったため、開店時間を1時間半繰り上げるなど大わらわで、急きょ、ホンモロコの鮮魚を追加して販売するほどの大盛況だった。
 同市は昨年から特産品作りと休耕田の活用を目的に、農家に稚魚を提供している。その生産者を含む16人で今年10月に生産組合を発足させたばかりで、約10センチ大に育った鮮魚とあめ煮を販売した。
 人気を呼び午前7時ごろから並んでいた人もいて開店時間を早め同9時から販売した。用意した鮮魚75キロは約1時間で完売し、追加の25キロも約10分で売り切れた。
 大津市から訪れた会社員澤友二さん(48)は約1時間待って鮮魚500グラムを買い、「昔から大好き。小さいころは琵琶湖でいくらでも捕れた」と懐かしそうに持ち帰った。組合員らは「こんなに盛況とは」と対応に追われながらも、「草津の新たな顔にしたい」と手応えに意気込んでいた。

■外来魚駆除へ地引き網、上越 07/11/18 新潟日報ネット版
 上越市大潟区の朝日池で17日、外来魚を駆除して美しい池の姿を取り戻そうと、地引き網漁が復活した。地元の朝日池内水面漁業組合が、環境保護団体の関川水系生態系保全協議会などと協力して開催。大勢の見物人が見守る中、コイや外来種のオオクチバス、ブルーギルを引き上げた。
 同池での地引き網漁は1950年代ごろまで盛んに行われ、秋の風物詩として親しまれたが、次第に姿を消した。
 外来魚が繁殖してしまった池の生態系を、かつての豊かな姿に戻そうと、漁が復活し、今年で3回目。同日は、船で仕掛けた網を60人近い引き手が、陸に引っ張った。
 網の中では、コイや小さなバスが水しぶきをあげてはね回り、「いるいる」と、引き手たちの声に力がこもった。上がった魚を手に取った子どもたちも興奮した様子で、歓声をあげていた。
 この日、引き上げられたコイは大型が目立ち、漁に参加した滋賀県・琵琶湖博物館の中井克樹学芸員は、「稚魚や卵が外来魚に食べられ、コイの“少子高齢化”が進んでいる」と指摘。全国的に小型の在来魚は食べられてしまい、「種の存続が危ぶまれている」と危機感を募らせていた。
 漁に協力した朝日池土地改良区の細谷芳郎理事長は、「生態系に関心を持ってもらい、きれいな朝日池を取り戻したい」と話していた。
 18日には、同協議会が、上越市下荒浜の八千浦交流館で、関川水系の環境保全を考えるイベントを開催。中井さんが、外来生物対策をテーマに講演する。

■木枯らし1号を観測 彦根で最大瞬間風速21メートル 07/11/19 Chunichi Web滋賀
 冬の訪れを告げる木枯らし1号が十八日、県内で観測された。彦根市では午後一時すぎに最大瞬間風速二一メートルの北西の風を観測。彦根地方気象台によると、昨年より十一日遅いという。
 木枯らし1号は、十月後半の「霜降(そうこう)」から十二月下旬の「冬至」までに西高東低の冬型の気圧配置で吹き付ける北寄りの強い風。この日、彦根市では最高気温が一二・七度と平年を二度ほど下回り、冷え込みの厳しい一日となった。
 近畿地方の三カ月予報(十一月から一月)によると、日本海側は平年と同様、曇りや雪または雨の日が多くなる見込み。(大橋聡美)

■地元農家ら飼育のホンモロコ販売 「道の駅草津」で 07/11/19 Chunichi Web滋賀
 草津市で養殖された琵琶湖の固有種・ホンモロコの加工品が十八日、同市下物町の「道の駅草津」で売り出され、鮮魚やあめ煮を買い求める客らでにぎわった。
 ホンモロコは、地元の農家十六人でつくる生産組合が養殖。湖魚を多くの人に味わってもらい、新たな特産品にしようと二〇〇五年度から取り組んでいる。本年度は、農家八人が休耕田で一トンの稚魚を飼育。八カ月かけて一〇センチ程度まで成育させた。
 会場では、午前十時半の販売開始前から客らが行列。用意した鮮魚五十キロは約一時間で売り切れたため、組合員が急きょ、追加して販売した。同市片岡町、無職片岡恭子さん(70)は「夫が好きなので買いに来た。天然物は少ないので、地元の人が育ててくれるのはありがたい」と話していた。
 十二月一、八の両日にも販売する予定。(勝山友紀)

■登山道を再生、観光に生かせ 近江八幡・沖島 ボランティアら汗 07/11/19 京都新聞電子版
 人が入らなくなり荒れてしまった滋賀県近江八幡市沖島の尾山(標高225メートル)を観光資源として活用しようと18日、島外のボランティアと地元住民が登山道の整備をした。
 尾山からは比良山系や琵琶湖が一望できるため、新たな観光スポットにと、2003年に地元住民が振興策「沖島21世紀夢プラン」を策定、同年から毎年島外のボランティアを募り山道を整備している。今年は島外から約20人が参加した。
 ボランティアらは、軍手にかまなどを持ち登山。住民らとともに道沿いに生える雑草や枯れた樹木などを刈った。参加者は時折汗をぬぐいながら、再び美しい風景が取り戻せるよう懸命にかまを動かしていた。
 尾山には、50年ほど前まで燃料となる木の採取や子どもたちが遊ぶために、日常的に人が入っていたが、ガスや石油などの普及に伴い次第に山が荒れていったという。

■比良山系で初冠雪 昨年より6日遅く 07/11/19 京都新聞電子版
 初雪が降った19日朝の滋賀県、京都府。山あいの田畑には数センチの雪が積もり、峠は真冬の装い。大津市柳川2丁目付近では、真っ白に雪化粧した比良山系を背に、小学生らが寒そうに登校していた。
 比良山系は平年より2日早く、昨年より6日遅い初冠雪となった。びわ湖バレイスキー場のある蓬莱山(大津市、標高1174メートル)では約10−15センチの積雪があった。また、伊吹山(米原市、標高1377メートル)は平年より4日遅く、昨年より14日早い初冠雪となり、山頂付近で5センチほど雪が積もった。

■魚つかみ:ため池で、コイやフナ600匹と格闘 07/11/20 毎日jp滋賀
 東近江市下中野町のため池「新溜」で17、18の両日、ため池の水抜きに合わせて自治会や子供会、土地改良組合員ら延べ約50人が魚つかみを行い、コイやフナなど約600匹を捕らえた。
 ため池は広さ約8000平方メートル。日ごろは約1万9000トンの農業用水を貯水しているが、改修後10年の点検で水抜きしたため、魚つかみをした。大人も子どもも水を抜いた池に網やバケツを持って入り、泥んこになってフナなどと格闘した。
 2日間でコイ150匹、フナ450匹のほか、ブルーギルも約200匹も捕らえた。中には体長80センチもあるコイも捕まえ、余りの大きさに子どもたちはびっくり。ブルーギルは、その場で処分し、フナやコイは近くの農業水路に水を張って放流し、来春、ため池に戻すという。【斎藤和夫】

■温暖化の湖沼への影響を調査環境省、来年度から 07/11/20 徳島新聞Web
 環境省は20日、地球温暖化が湖沼の水質に与える影響の調査に来年度から乗り出す方針を固めた。琵琶湖など全国5カ所程度が対象。水中の酸素減少や水質悪化などの指摘を踏まえ、実態を把握する。

■新名神、来年2月に部分開通 草津田上IC−亀山JC 07/11/21 京都新聞電子版
 西日本高速道路と中日本高速道路は21日、新名神高速道路(第二名神)の草津田上インターチェンジ(大津市)−亀山ジャンクション(三重県亀山市)間を、当初予定より1年1カ月早い2008年2月23日に開通すると発表した。用地買収や工事が順調に進んだためで、名古屋−大阪間の所要時間短縮と名神高速道路の渋滞緩和が期待される。
 開通するのは、名古屋−神戸間の総延長174キロのうち、49・7キロ。1993年12月に着工し、4652億円かけて建設してきた。今年4月に仮称だった第二名神高速道路の正式名称を新名神高速道路と決めた。
 同区間の開通で、大津から愛知県豊田市までが、名神高速道路を使う場合に比べ34キロ、約20分短縮でき、名神高速道路の年間渋滞回数も現在より400回少ない約1600回に減る見込み。
 開通と同時に、滋賀県内の信楽インターチェンジと甲賀土山インターチェンジ、甲南パーキングエリアと土山サービスエリアも使用を開始し、甲南インターチェンジは1年前倒しで09年3月の使用開始を目指す。利用促進のため、来年6月末まで同区間を通行する全車両に対し、通行料金を最大半額に割り引く。

■食べて減らせブルーギル、すし・マリネ・ハンバーガー… 07/11/21 Yomiuri On Line
 全国的に大繁殖が問題となっている外来魚ブルーギル。天皇陛下が米国から食用魚として持ち帰ったのが繁殖の発端だったと述べられたことから改めて注目を集めているが、この“湖の厄介者”を「食べて駆除しよう」という試みが少しずつ広がっている。
 「キャッチ&リリース(釣って放す)」ならぬ「キャッチ&イート(釣って食べる)」。なれ鮨(ずし)やマリネなど様々な調理法が考案され、来月にはハンバーガーも登場する。
 「ブルーギルを食べて駆除しよう」と呼びかけているのは滋賀県。県内の琵琶湖には、全国でも最多の1250トン分のブルーギルが生息するとされる。国と県で毎年約2億円かけて駆除しているが、一向に撲滅できない状態に弱り果てたのが発端という。現在は県のホームページなどで空揚げ、チリソースあえ、マリネなどの調理法を紹介している。
 地元特産のフナ鮨と同じ調理法で発酵させたなれ鮨の一種“ブルーギル鮨”を発売しているのは県内の水産物加工業「レイクフード工房」。食べてみると、やや酸味が強いが、脂身が少なく、歯ごたえもある。
 ブルーギル入りハンバーガーも来月3日から福井大学の生協で試験販売される。保科英人准教授らが開発、「環境を破壊する悪者を食べ尽くす」として「エコバーガー」と命名した。
 ブルーギルは天皇陛下が皇太子時代の1960年、シカゴ市長から贈られ、食用になればと持ち帰られた。当初は「プリンスフィッシュ」ともてはやされたが、食用として普及することはなかった。
 シカゴ出身の放送プロデューサー、デーブ・スペクターさんによれば、「アメリカ人にとってはなじみの魚」という。小麦粉をまぶしてバターで焼くムニエルや、レモンやバターで下味を付けたフライなど、レストランでも一般的なメニュー。スペクターさんは「日本人は色々な魚を食べるのに、ブルーギルが受け入れられなかったのは不思議」と、首をかしげる。
 日本人はなぜ、なじめなかったのか。琵琶湖博物館(草津市)の中井克樹主任学芸員は「養殖に不向きなうえ、イメージが悪い」などと理由を挙げる。
 ブルーギルは成魚になるのに4〜5年かかり、ニジマスやコイに比べ成長が遅い。成魚になっても最大30センチと小さいという。さらに独特の生臭さがあり、腐りやすいのも難点。中井さんは「アユやウナギに比べ、味が淡泊すぎるのかも」とも指摘している。(地方部 上地洋実)

■外来魚:県内38の池で確認 鳥取で対策考える会 07/11/21 毎日jp鳥取
 ブルーギルやオオクチバスなど、県内の外来魚が生態系へ与える影響や対策を考える講演会が20日、県立県民文化会館(鳥取市尚徳町)で開かれ、漁業関係者など約40人が聴講した。
 講演会では、湖山池漁協による同池での定置網を使った駆除に適した時期の調査結果などが報告された後、福本一彦・県水産課職員が県内約800のため池などの管理者に対して行ったアンケートに基づく外来魚の生息状況を発表した。福本さんによると、06年12月末の時点で、県内38の池でオオクチバスやブルーギルの生息が確認され、外来魚が生息していない池ではモツゴ、モロコ、フナなどの在来種が多く生息していた。
 講演では、滋賀県立琵琶湖博物館の中井克樹・主任学芸員が駆除を子供も参加できるイベントにするなど、斬新な駆除方法の事例を紹介した。
 質疑応答では、「ため池に外来魚目的の釣り人がやってきて困っている」という農家や「県は真剣に駆除に取り組んでほしい」「外来魚を食用にできないか」という漁業関係者など、活発な意見が飛び交った。【宇多川はるか】

■外来魚流入防止へ調査、上越 07/11/21 新潟日報ネット版
 上越市大潟区の朝日池で県内水面水産試験場(長岡市)がこのほど行った外来魚の調査で、排水口に仕掛けた「やな場」に3日間でブルーギル、オオクチバスなどが約15キロ捕れた。一方で、在来魚は合わせて10匹しか捕れず、外来魚繁殖の深刻さが浮き彫りとなった。
 県内では多くの池に外来魚が広がっている。池の補修などで水を落とす際に外来魚が水と一緒に流出し、河川などにも拡散しているが、対策はあまり取られていない。
 同池では朝日池土地改良区が、毎年この時期に補修管理のために池の水抜きをする。外来種駆除のための地引き網も行っており、同試験場がこれに合わせて調査した。流出防止策のモデルケースにしようと民間団体「関川水系生態系保全協議会」も協力し、幅1メートルほどの排水口に「やな場」を設置した。
 同試験場が調査した結果、今月15日から17日までの3日間で、外来魚は体長5―10センチほどのブルーギルが約500匹、15センチ前後のオオクチバスが約20匹で、計約15キロが捕獲された。在来魚はタモロコ8匹、フナ1匹、ハゼ類1匹だった。
 調査した同試験場の伊藤陽人研究員は「やな場で捕れるのは池の魚のほんの一部。それでもこれほど外来魚が捕れるとは」と驚く。流出防止にやな場の効果が期待されるが、やな場に蓄積するごみや魚をこまめに処分する手間などが課題になるという。
 同協議会事務局の井上信夫さん(新潟市)は「池からの外来魚の垂れ流しは深刻。各地でも拡散問題に目を向けてほしい」と話している。

■外来魚流入防止へ調査、上越 07/11/21 新潟日報ネット版
 上越市大潟区の朝日池で県内水面水産試験場(長岡市)がこのほど行った外来魚の調査で、排水口に仕掛けた「やな場」に3日間でブルーギル、オオクチバスなどが約15キロ捕れた。一方で、在来魚は合わせて10匹しか捕れず、外来魚繁殖の深刻さが浮き彫りとなった。
 県内では多くの池に外来魚が広がっている。池の補修などで水を落とす際に外来魚が水と一緒に流出し、河川などにも拡散しているが、対策はあまり取られていない。
 同池では朝日池土地改良区が、毎年この時期に補修管理のために池の水抜きをする。外来種駆除のための地引き網も行っており、同試験場がこれに合わせて調査した。流出防止策のモデルケースにしようと民間団体「関川水系生態系保全協議会」も協力し、幅1メートルほどの排水口に「やな場」を設置した。
 同試験場が調査した結果、今月15日から17日までの3日間で、外来魚は体長5―10センチほどのブルーギルが約500匹、15センチ前後のオオクチバスが約20匹で、計約15キロが捕獲された。在来魚はタモロコ8匹、フナ1匹、ハゼ類1匹だった。
 調査した同試験場の伊藤陽人研究員は「やな場で捕れるのは池の魚のほんの一部。それでもこれほど外来魚が捕れるとは」と驚く。流出防止にやな場の効果が期待されるが、やな場に蓄積するごみや魚をこまめに処分する手間などが課題になるという。
 同協議会事務局の井上信夫さん(新潟市)は「池からの外来魚の垂れ流しは深刻。各地でも拡散問題に目を向けてほしい」と話している。

■業務上横領:河口湖漁協の元組合長、容疑で書類送検 07/11/22 毎日jp山梨
 富士河口湖町の河口湖漁業協同組合から609万円を横領したとして、富士吉田署は20日、同組合の元組合長の男(67)=同町船津=を業務上横領容疑で甲府地検に書類送検した。
 調べでは、元組合長は04年3〜4月、放流用のブラックバスの成魚約4トンを購入した際に同組合から2回に分けて受け取った609万円を横領した疑い。
 05年3月、同組合の理事らが同署に対し、元組合長や元幹部ら5人がブラックバスの購入を巡り不正な取引を行い数百万円を横領したなどとして、業務上横領などの疑いで告発状を提出。同署が捜査していた。【小林悠太】

■「魚のゆりかご水田」広げよう 草津で市民らシンポ 07/11/23 京都新聞電子版
 ニゴロブナなど琵琶湖の在来魚が遡上(そじょう)して産卵できるよう工夫した「魚のゆりかご水田」の発展を考えるシンポジウムが23日、草津市の琵琶湖博物館で開かれ、農業者やNPOなど関係者が意見交換した。
 2001年から県が推進する「魚のゆりかご水田」は、排水路に魚道を整備して水田を魚の産卵・生育場所にしようとする取り組み。シンポジウムも県が主催し、約140人が参加した。
 パネル討論には実践している農業者と、消費者と生産者をつなぐ活動をしているNPO関係者、県担当課長ら6人が参加した。魚道など遡上の整備技術はほぼ確立し、今後は、本年度で13地域の約60ヘクタールだった水田をさらに拡大していくべき、との方向で意見が一致した。
 なかでも、県が今年「魚のゆりかご水田米」とブランド名を決めたが、ほとんどが一般の米と合わせて出荷されてしまったことが報告され、「生産者と消費者、またJAも含めて、ぜひ来年には販売網をつくってほしい」との要望が出されていた。

■三次の池から大量の外来魚 07/11/23 中國新聞ネット版
 三次市南畑敷町の農業用ため池の宗祐池は、大型のコイやフナを除くと、外来魚のブルーギルやオオクチバスにほぼ占有され、河川への外来魚の供給源になっていることが、水抜き作業を通じて確認された。
 池を管理する同市の南畑敷土地改良区が、不法投棄物の除去のために12日から水抜き。江の川漁協や県内水面漁協連合会などの協力で排水溝に金網を設置し、約2トンの外来魚を捕獲した。コイやフナも約2トン捕れたが、40―80センチ級の大物ばかり。小魚や卵は外来魚に捕食されていると見られる。一方、ブルーギルの稚魚は大量に網にかかった。外来魚は増水時などに、馬洗川に流れ出ているという。

■お〜さむ、京滋で初氷 今冬一番の冷え込み 07/11/24 京都新聞電子版
 京都府と滋賀県は24日朝、今冬一番の冷え込みとなり、京都市と彦根市の気象台で初氷と初霜を観測した。
 京都地方気象台によると、上空に寒気が入り込んだ影響で、同日未明から冷え込みが増した。初氷は昨年より11日、平年より4日早く、京都市内は最低気温が平年より3・7度低い2・0度まで下がり、12月下旬並みの寒さとなった。
 左京区岩倉村松町の畑でもバケツに薄氷が張り、作業する農家の人の息も白くなり、寒さに体を振るわせていた。
 彦根地方気象台でも昨年より11日早く初氷と初霜を観測した。甲賀市信楽町では、1月下旬並みの氷点下3・7度まで気温が下がったほか、米原市、東近江市などでも氷点下を記録し、湖国は今冬一番の冷え込みとなった。

■水位操作で湖魚の卵を保護 琵琶湖河川事務所 07/11/24 Yahoo! News
 琵琶湖の水位を調整する瀬田川洗堰を管轄する国土交通省琵琶湖河川事務所が、フナやコイ類の卵を守ることを視野に入れた試験的な水位操作を行った結果、卵の干上がり率が2〜4%と低い値となったことがわかった。
 この試験は、瀬田川洗堰の操作による水位低下の影響で、琵琶湖のフナやコイの漁獲量の減少していると外部から指摘されたことを受け、環境保全を目的として平成15年から実施している。
 4月から6月までの間、県内の調査地点3カ所を毎日観測し、10万個以上の産卵が確認された場合には、ふ化に供えるため、水位を5日間維持した。その結果、2度あった大量産卵のうち、21万個の産卵があった4月14日の干上がり率は4%、15万個の産卵があった5月27日は2%となったという。
 同事務所では通常、水害対策のため、降雨後には水位を下げている。しかし、フナやコイ類は降雨後に産卵する傾向があるため、卵の干上がりが指摘されていた。今回の試験操作後、2回あった大量産卵ではいずれも47〜59%と干上がり率が上がっており、同事務所では「今後は水害対策と産卵保護の両方がうまくいく方法を検討したい」としている。(産経新聞)

■湖山池で外来魚7割 継続駆除の必要性報告 07/11/24 Net Nihonkai
 鳥取市の湖山池で外来魚のブルーギルとタイリクバラタナゴの二種が魚種全体の70%前後を占めていることが二十日、鳥取市で開かれた外来魚の影響と対策に関する講演会で報告された。人工産卵床による駆除が効果的で、継続的に駆除することが必要とした。
 報告した湖山池漁協の児島良専務によると、調査は二〇〇五年から二年間実施。湖山池の四地点で採捕した全魚種の中で、ブルーギルとタイリクバラタナゴの二種合わせて〇五年に70・4%、〇六年には65・8%を占めた。
 ブルーギルの駆除適期は九月で、産卵しやすい環境をつくり産卵に来た魚を網で捕獲する駆除が効果的とした。
 また、県が各水域の管理者などを対象に行った生息状況アンケートで、オオクチバスの生息地は十九カ所、オオクチバスとブルーギルの両方の生息地は十九カ所あることが分かった。
 講演会は特定外来生物に指定されているブルーギルやオオクチバスなどの外来魚対策に役立てようと県が主催。児島専務のほか、県水産課の福本一彦水産技師が事例報告し、滋賀県立琵琶湖博物館の中井克樹学芸員が講演した。

■冬の使者・氷魚躍る 琵琶湖でえり漁解禁 07/11/24 京都新聞電子版
 アユの稚魚「氷魚(ひうお)」のえり漁がこのほど、琵琶湖で解禁された。氷のように透き通った小さな魚が滋賀県内の主な漁港に水揚げされ、湖に一足早い冬の訪れを告げている。
 氷魚は、今年の秋に川でふ化した稚魚が湖に下り、約4、5センチに成長したもの。シーズン初期は生きたまま養殖業者に引き取られ、加工や釣りの放流用に育てられる。年が明けると食用とされ、さっと湯がいて二杯酢で食べたり、飯に炊き込む「氷魚ご飯」などで賞味される。
 高島市安曇川町にある三和漁協の港では、朝日が高く昇ると氷魚を積んだ漁船が相次いで帰港。養殖業者がざるですくい上げるたび、勢いよくはね回って透明な体をきらめかせていた。氷魚漁は春まで続けられる。

■不法占用の業者らに賠償請求へ 滋賀県、琵琶湖岸の行政代執行で 07/11/26 京都新聞電子版
 滋賀県は26日、琵琶湖岸を不法に占用していた大津市のマリーナ業者「松の浦観光」の役員と元役員計5人を相手取り、事務所などを県が撤去した行政代執行の費用を含む総額1350万円の損害賠償を求めて訴えを起こすことを明らかにした。行政代執行の費用を求めて提訴すれば県としては初となる。12月定例県議会で提訴の議決を求める。
 県によると、同社は1989年ごろから同市荒川の琵琶湖岸で、県の許可を得ずに水上バイクの格納庫や事務所を別の2業者に貸し出していたといい、県が昨年9月に行政代執行で施設などを撤去した。
 県はその後に費用の支払いを求めてきたが、同社は一部しか応じておらず、「差し押さえる資産も会社にない状態」(県河港課)という。そのため県は代執行の費用と、時効にかかっていない過去10年分の湖岸占用料を回収するため、役員ら個人に損害賠償を求めることにした。

■イチモンジタナゴの人工増殖成功 絶滅危機で滋賀の市民団体 07/11/26 京都新聞電子版
 琵琶湖で絶滅の危機にあるタナゴの一種「イチモンジタナゴ」の人工増殖に、滋賀県内の市民団体がこのほど成功した。タナゴ類は2枚貝に卵を産み付ける独特の生態があるため、野外の人工池にタナゴと貝を入れて繁殖に導いた。メンバーは「琵琶湖のシンボル復活につながれば」と喜んでいる。
 県内で在来魚の調査や保護を続けている市民団体「ぼてじゃこトラスト」が、琵琶湖・淀川水質保全機構(大阪市)の協力で今春から、同機構の実験センター(草津市)で増殖を開始。県立琵琶湖博物館から親魚を譲り受け、同センターの人工池で飼育を始めた。
 タナゴの産卵用にドブガイとタテボシガイの2種類を入れ、親魚をオス、メス数匹ずつ放した。タナゴはドブガイを選んで卵を生み、今月16日に確認したところ親魚8匹を入れた池で計143匹まで増えていた。
 共に増殖に取り組んだタナゴ研究者の北島淳也さん(34)は「繊細な魚なのでうまくいくか心配したが、貝の好みなど貴重なデータが得られた」と話す。
 自然界への放流は、地域固有の生態系への影響から是非の論議があるため、ぼてじゃこトラスト顧問の遠藤真樹さん(60)は「専門家のアドバイスを得ながら琵琶湖に放流できるかどうか検討したい」と話している。
イチモンジタナゴとは
 イチモンジタナゴ コイ科、体長約8センチ。体に青緑色の線が1本走ることからこの名がついた。琵琶湖・淀川水系と濃尾平野に分布するが、琵琶湖では環境の変化や外来魚の食害で激減。県の指定希少野生動植物種とされ、捕獲が禁止されている。

■ため池にゼニタナゴ10匹 バス駆除活動実る 栗原・築館 07/11/26 河北新報社Kolnet
 環境省レッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)種に指定されている淡水魚ゼニタナゴが、ラムサール条約登録湿地の伊豆沼・内沼(宮城県栗原、登米市)の上流水域のため池で10匹確認された。周辺では2000年以降、1匹しか確認されておらず、関係者は「貴重な発見だ」と話している。
 確認されたのは、栗原市築館八沢地区のため池。八沢水利組合や環境団体「ナマズのがっこう」などが今月中旬、ブラックバス駆除と生態調査を目的に池干しした際に見つけた。
 オス5匹、メス5匹で体長は5.0―7.5センチ。昨年か今年にふ化したとみられる。
 近くのため池では昨年、外来魚ブラックバスを約900匹ほど駆除。今回の池干しでは、バスは確認されなかった。ナマズのがっこう事務局長の三塚牧夫さん(57)は「ここでは良好な環境が保たれていることが分かった」と話す。
 ゼニタナゴはタナゴ亜科の淡水魚。1970年代までは、関東以北の本州各地に生息していたが、開発による環境悪化やブラックバスなど外来魚の食害で激減。生息地は現在、東北の10カ所程度にすぎない。
 県伊豆沼・内沼環境保全財団によると、伊豆沼や周辺では90年代まで多くのゼニタナゴが生息していたが、ブラックバスの影響で姿を消したという。最近では、06年に沼の集水域で1匹が確認されただけで、絶滅の可能性も指摘されていた。
 同財団は03年から、伊豆沼・内沼で民間団体とともにゼニタナゴ復元プロジェクトを実施。ブラックバス駆除や調査を進めており、「今回の確認はプロジェクトの大きな弾みになる」と話している。

■外来魚のブルーギル ナマズに食べさせる駆除を実験 07/11/27 新毎web
 外来魚のブルーギルを肉食性大型魚のナマズに食べさせる仕掛け「ギルジゴク」の実験を諏訪郡下諏訪町の県水産試験場諏訪支場が9月から同町の諏訪湖で進めている。狭い場所に入るブルーギルの習性を利用して細い円筒状の入り口から金網を張ったおりの中に誘い込み、中に入れておいたナマズに捕食させることで、在来魚を保護しながら選択的にブルーギルを駆除する仕組みだ。
 26日も仕掛けを引き上げ、本年度の投入を終えた。ナマズの胃の内容物などを調べて効果を検証する。
 ブルーギルは、1990年代から全国で爆発的に増加。諏訪湖では1976(昭和51)年に初めて確認された。特産のワカサギやエビ類を食べるため、急増した2004年以降、諏訪湖漁協などが毎年3万−5万匹を刺し網などで捕獲、駆除している。
 ギルジゴクは、独立行政法人水産総合研究センター中央水産研究所内水面研究部上田庁舎(上田市)が開発。幅と高さが各80センチ、奥行き130センチの鉄製で、側面にはブルーギルを引き込むための入り口が4カ所ある。入り口はすぼまっており、いったん入ると出られないようになっている。
 湖沼での実験は今回が初めて。ナマズ1匹を入れた仕掛けと入れない仕掛けを同じ場所に同時に沈め、比較している。9月28日から10月26日までは7日間沈める実験を4回繰り返し、5回目は10月26日から1カ月間沈めた。
 おりの中にはナマズ入り、なしともに各回、ブルーギルのほかにテナガエビなどが入っているのが確認された。ほかの在来魚はほとんどいなかった。4回目までのナマズの解剖では、1回だけ種類不明の魚が腸で確認されたが、胃でブルーギルは確認されず、ナマズの体重は減少していた。
 同支場の川之辺素一技師(35)は「この時期は水温が下がってナマズの食欲は高くない。効果を確かめるには、来年春以降も実験を継続する必要がある」と話している。

■野生生物保護へ目標盛り込む、国家戦略5年ぶり見直し 07/11/27 Yomiuri On Line
 様々な生物が住む自然環境を保護するため、国の具体的な行動目標を定めた「第3次生物多様性国家戦略」が27日、閣議決定された。
 これまで国家戦略になかった行動計画の数値目標を初めて掲げたほか、優先的な保全が必要な地域「生物多様性ホットスポット」を選定するなど、新たな取り組みを盛り込んだのが特徴だ。
 生物多様性国家戦略は、生物多様性条約に基づき1995年、2002年の2度、策定されたが、生物絶滅のペースは衰えていない。今回の見直しは5年ぶりで、各省庁横断で具体的な目標や指標を多く盛り込んだ。
 数値目標としては、<1>湿地を保護するラムサール条約登録湿地(現在33か所)を11年までに10か所増やす<2>絶滅のおそれがあるレッドリストの登録種を約15種追加する<3>減農薬など、より環境に配慮した農業を行う「エコファーマー」認定件数を、現在の約13万から09年度末までに20万に増やす――など約30例を挙げている。
 また、ホットスポット選定にあたっては、自然環境の状態を科学的、社会的な側面から総合的にチェックする「生物多様性総合評価」を世界に先駆けて実施するとした。

■ブルーギル、缶詰で処理…福井・小浜水産高生 琵琶湖外来魚問題に協力 07/11/27 Yomiuri On Line関西発
 県立小浜水産高校(福井県小浜市堀屋敷)の3年生グループが、大繁殖が問題になっている琵琶湖の外来魚ブルーギルの缶詰づくりに取り組んでいる。独特の臭みや骨の硬さを、缶詰にすることで解消。12月に校内発表会で研究成果を披露する。生徒らは「脂身が少なく淡泊だけど、川魚に近い味」と、上々の出来に自信を深めている。
サバ缶の製造法応用…圧力で骨軟らかく
 ブルーギルは北米原産の淡水魚。体長は10〜20センチで、小魚や魚の卵などを食べる。繁殖力が強く、滋賀県水産課によると、琵琶湖には推定で約1250トン生息しており、やはり外来魚であるブラックバスの生息量の3・6倍に上る。同県では漁業関係者らと協力して駆除に乗り出しており、捕獲後は粉砕して飼料に使うことが多いという。
 今年春ごろ、同県内で漁師をしている同高OBから、「漁に影響が出るし、使い道もほとんどない。何とか有効活用する方法はないか」と同高に相談があった。そこで、「雑魚」を研究する食品工業科3年の清水里美さん(18)ら4人が、自由研究の課題として、利用法を検討することになった。
 思いついたのは、缶詰にすること。ブルーギルは身に独特の臭みがあるほか、骨は硬く、機械でも切断しにくい。だが、清水さんらは、同高で実習として取り組んでいるサバの缶詰の製造法を応用すれば、缶に詰める際の圧力で骨が軟らかくなるなど、うまく加工できるのでないかと考えた。
 1匹ずつ包丁で下ごしらえし、臭みを取り除くため、海水で丁寧に洗浄。缶に詰めて蒸したあと、みそやしょうゆで味付けし、圧力をかけて密封すると、予想通り、骨も軟らかくなって食べられるようになった。
 清水さんは「最初は臭くて触るのも嫌だった。臭みを取る調理法で試行錯誤したが、味も含め、まずまずの缶詰ができています」と話していた。

■「生き物への思い」全国発表へ 07/11/27 新潟日報ネット版
 上越市頸城区の明治小学校がこのほど、「県野生生物保護実績発表大会」(県主催)で36校中1位となる金賞を受賞した。12月3日、東京で開かれる全国大会(環境省主催)に本県代表として出場する。発表する児童たちは「生き物への思いを伝えてきたい」と練習に力を入れている。
 同校の近くには、野鳥が多いことで知られる「大池いこいの森」があり、鳥に親しもうと、児童朝会で「鳥の物知りクイズ」などを企画。楽しみながら学んでいる。
 また、総合的な学習の時間では、大池に捨てられた釣り糸やルアーが鳥に及ぼす被害などを探った。ゴミ拾いや外来魚駆除なども行い、美しい環境を守り続けている。
 県大会は書類審査で6校に絞った後、発表を行った。審査した県愛鳥センター紫雲寺さえずりの里(新発田市)は「鳥の種類や生態を認識し、保護にも力を入れ、幅広く活動していた」と評価の理由を説明する。
 同校77人の児童を代表し全国大会で発表するのは、6年の鈴木里佳さん(12)、藤沢玄行君(12)、5年の外ノ池拓弥君(10)、福山加奈さん(11)。昼休みなどを使い、練習してきた。当日は全国から10校が参加し、活動を発表する。リーダーの鈴木さんは「野生生物に優しい環境を作りたい。その気持ちを、全国の人たちに伝えたい」と意気込んでいる。

■琵琶湖研究の3施設、統合・再編へ 行革の一環、嘉田知事が示す 07/11/27 京都新聞電子版
 琵琶湖の環境保全などの研究のため、滋賀県が設立した県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)と琵琶湖博物館(草津市)、県立大環境科学部(彦根市)の3機関について、嘉田由紀子知事は27日の定例会見で、「かなりの研究の蓄積が出ており、組織的に再編の時期に差し掛かっている」と述べ、現在はそれぞれ個別に行っている琵琶湖研究部門を統合・再編する考えを示した。
 県は2010年までの3年間の方向性を示す行政改革方針原案で、県の試験研究機関について「研究課題の大幅な見直しとともに、組織のスリム化や再編整備に取り組む」としている。
 会見で嘉田知事は、「もともと琵琶湖研究の統合化は求められていた」とした上で、「県独自の研究のネットワークと研究者の力を生かせる形での再編を考えたい」と述べた。研究費や人員配置について当事者と話し合う意向も示し、「県の行政部局そのものも人員削減を求められており、研究分野だけが聖域というわけにはいかない」と、人員削減も示唆した。
 研究費については、文部科学省や民間などの研究助成として外部資金を導入することも、統合・再編の大きな要素、としている。
 県環境科学研究センターは研究員37人で、水質など環境監視や低酸素化などの研究を行っており、本年度予算での試験研究費は2億1800万円。琵琶湖博物館は学芸員34人で、地域社会学も含めた幅広い分野で収集保存や研究をしており、研究費は同6100万円。県立大環境科学部は研究者56人がおり、同5400万円の研究費を充てている。

■コンパス:天皇陛下が大津市で… 07/11/22 毎日jp滋賀
 天皇陛下が大津市で開かれた「全国豊かな海づくり大会」で、皇太子時代に米国から持ち帰ったブルーギルが琵琶湖の生態を脅かしていることに触れ、「心痛めています」と述べられた。この事は近江に来て以来、実は私も心痛めていました。
 初任地の静岡時代、伊豆の瞳と言われた一碧(いっぺき)湖を訪れ、四季の話題を書いていました。枕言葉は「皇太子殿下が米国からお持ち帰りのブルーギルがいる」で始まります。話題性を考えての表現でしたが、近江に来て琵琶湖の生態系に悪い影響を与える外来魚と分かった時はショックでした。天皇陛下のお言葉は勇気のいる発言で、ご立派だと思います。それに引き換え、40年前の事とは言え、昔書いた記事をそのままにして、このコラムで告白している自分が恥ずかしい。【斎藤和夫】

■ブラックバス+ブルーギル全面追放だ! 田原の滝頭下池で水抜き 07/11/28 Chunichi Web愛知
 田原市田原町の滝頭自然公園内にある滝頭下池(広さ8000平方メートル)で有害外来魚を駆除する水抜きが行われている。昨春の上池に続き、戦前の完成以来初めての追放作戦だ。
 水抜きは10月20日から実施。ほとんど干上がり、水位は深いところでも約1メートルほどまで下がった。市と公園管理の田原区の職員、NPOメンバーらが魚類を捕獲。これまで体長50−30センチのブラックバスと同20−8センチのブルーギルを合わせて約70キロを駆除した。在来種はコイ77匹とヘラブナ52匹を保護した。
 県のレッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)種「1A」指定の二枚貝「マツカサガイ」(縦8センチ、横幅3センチ)10数個の生息も確認。半世紀ほど前までは県内各地に生息したが、近年は安城市内だけで確認されていた。
 外来魚は10数年前に釣り用としてマニアが放流した。他の魚類を食い尽くし、かつて上下の滝頭池に数多く存在したモロコ、手長エビ、メダカ、オイカワなどは今回、確認されなかった。すべて外来魚の餌になったようだ。
 両池は庄司川上流に1933(昭和8)年に農業用ため池として完成した。下流部の公園化や宅地化が進み、現在は公園の水景観の一つとして親しまれている。田原区の公園管理事務所の高橋広行さん(70)は「ヘドロ内に残る栓1本も抜いて水を完全に干上がらせ、外来魚を全面追放したい」と話している。
 同市内には約150の農業用ため池などがあり、市などが有害魚の実態調査中だが、ため池などの完全な駆除には3年はかかるとみられる。(岡田健三)

■「釣って食べる」 07/11/28 沖縄タイムスネット版
 沖縄では、聞きなれないが、本土でルアーフィッシングといえばブラックバス。北米産の淡水魚で一九二五年に食用にと日本に持ち込まれた。
 ルアーフィッシング人気とともに、いつの間にか全国の湖や池に広がった。だが、食欲旺盛で環境変化に強い外来魚は日本固有の在来魚の生息を脅かす存在になった。中には絶滅した魚もあるほどだ。
 ブラックバス同様に米国から移入されたブルーギルが琵琶湖で大きな問題になっている。滋賀県によると二〇〇七年度当初、琵琶湖に生息する外来魚は約千七百トンと推定、その八割をブルーギルが占めるという。
 この湖の厄介者は、天皇陛下が一九六〇年に米国を訪問した際に、シカゴ市長から贈られたものだという。滋賀県で開催された全国豊かな海づくり大会で「今このような結果になったことに心を痛めています」と述べている。
 その駆除に国と県は年間二億円も費やしている。釣り人にも協力を求め、釣り上げたブルーギルを回収するボックスやいけすを設置するが、効果はあまりないようだ。
 新たな試みとして「キャッチ&イート(釣って食べる)」を呼び掛けている。悪者を食い尽くす作戦だ。外来魚を使用した加工食品が次々と販売され、県のホームページでも料理方法を紹介している。
 スポーツ性やゲーム感覚が高いルアーフィッシングでは釣った魚はリリース(放流)の意識が強い。だが、この魚の場合は「釣ったからには責任を持って食べる」が一番なのだ。(伊禮健)

■貯水池の水を抜き外来魚を一掃/厚木 07/11/29 神奈川新聞カナロコ
 厚木市は多くの外来魚が繁殖している上古沢緑地内の貯水池(同市上古沢)で、水をすべて抜いての一斉捕獲を二十八日から始めた。作業は来月三日まで続け、内部にたまったごみを取り除いて再び水を張り、捕獲した在来魚だけを放流する。
 貯水池は一九九一年に完成し、表面積は約三千平方メートル。コンクリートに覆われ、もともと生き物はいなかったが、愛好家が外来魚を無断で放したとみられ、立ち入り禁止のフェンスを越えて釣りを楽しむ人が増えている。
 市は繁殖した外来魚が下流部に流れ出ることで生態系が破壊される恐れがあるとして、内部清掃を兼ねて初めての一掃作戦を行った。
 二十七日からポンプで水を抜き始めたが、内部の泥が予想以上に多く作業が難航したが、ブルーギルやオオクチバスなど約百匹を駆除した。
 在来種のフナやコイは網ですくって一時別の池に移し、外来魚はすべて焼却処分にする。市の担当職員は「予想以上に外来魚が多かった。自然環境を守るためにも外来魚の放流は絶対にやめてほしい」と話していた。

■ボタンウキクサの繁殖ストップ 県、守山の琵琶湖で除去開始 07/11/29 京都新聞電子版
 滋賀県守山市の琵琶湖の赤野井湾で大発生している外来種の観賞用水草ボタンウキクサの繁殖を食い止めようと、滋賀県は29日、全面的な除去に乗り出した。水草刈り取り船を出動させ、約1週間除去作業を続ける。県がボタンウキクサを除去するのは初めて。
 ボタンウキクサはアフリカ原産の多年草で、特定外来生物に指定されている。赤野井湾では9月に大発生が確認され、「繁殖すれば生態系に影響を与える恐れがある」(県自然環境保全課)として、約6000平方メートルの範囲に群生する個体をすべて取り除くことにした。
 この日は、県所有の水草刈り取り船2隻と民間の1隻が出動。湖面に浮遊する大量のボタンウキクサをすくったり、つかみ上げるなどして、1日で15・8トンを回収した。水草は同市内で乾燥させた後、焼却処分する。
 水草に詳しい県立琵琶湖博物館(草津市)の芳賀裕樹主任学芸員は、ボタンウキクサの旺盛な繁殖力について「1カ月で30倍に増殖するという報告もある。枯れずに越冬する個体が出てくれば来年以降も大発生する可能性があり、除去後も警戒が必要」と話している。

■カワマス20匹、静かな人気者 県立琵琶湖博物館 07/11/30 Chunichi Web滋賀
 草津市下物町の県立琵琶湖博物館に、北アメリカ大陸東部原産の淡水魚「カワマス」二十匹が登場し、来場者を楽しませている。
 カワマスは全長三〇−五〇センチに育つイワナの仲間。約百年前に栃木県で放されたとされ、現在は国内に定着している。在来のイワナを駆逐することから、生態系への影響が指摘され、特定外来生物法で要注意種に指定されている。
 琵琶湖博物館のカワマスはいずれも体長約一五センチ。五月三十日に農林水産省中央水産研究所日光庁舎から譲り受けた。
 博物館の入館料は大人六百円、高校・大学生四百円、小中学生二百五十円。月曜休館。問い合わせは博物館=電077(568)4811=へ。(中村禎一郎)

■”外来魚バーガー”いかが  福井大准教授ら試作 07/11/30 福井新聞ONLINE
 外来種をおいしく食べて駆除―。福井県の福井大の保科英人准教授らが淡水魚ブラックバスとブルーギルを食材にした”外来魚バーガー”を試作し、3日から福井市の同大生協で試験販売する。骨ごとミンチ加工しているためカルシウムも豊富。学生の反応が良ければ商品化する。
 保科准教授は2005年春、県内の約800のため池を対象にブラックバスとブルーギルの生態分布調査を開始。これまで調査した約250カ所のうち、25%以上のため池でブラックバス、ブルーギルいずれかが生息していることが分かった。
 同准教授は「メダカなど在来種を保全するためには外来種は脅威」と指摘。「漁協などが外来種を駆除しようとすると当然費用がかかる。ブラックバスやブルーギルを食品加工して販売すれば利益を漁協に還元でき、駆除支援につながる」として、ハンバーガーの商品化を目指し、教え子とともに今年4月から試作を重ねてきた。
 「エコバーガー」と命名。ブラックバスとブルーギルの魚肉を7割、牛ミンチを3割にし、牛の脂身やタマネギを混ぜ、塩とこしょうで味付け。パンにトマト、レタスを挟み「くせがなく、普通においしい」(同准教授)味に仕上がった。「市販のハンバーガーと変わらない」と一部の学生たちにも好評という。
 教え子の家族が経営する坂井市の食品製造販売会社と協力しエコバーガーを製造、1個150円で限定販売する。試験販売は約2週間。アンケートを集計し、学生の反応を探る。

■県環境審部会が了承 既存事業場も排水規制基準 07/11/30 京都新聞電子版
 琵琶湖沿岸で流されるCOD(科学的酸素要求量)など排水の汚濁負荷量について、滋賀県は29日、既存の事業場と汚水処理施設の計610事業場にも新たに規制基準を設ける案を県環境審議会水環境部会に提示し、了承された。
 昨年3月に湖沼水質保全特別措置法の施行令などが改正されたのに伴う変更。これまでは1日あたり50トン以上を排水する新設と増設の事業場に限られていた。既存の事業場の負荷削減量は最大15%としている。
 また、規制が重複する県公害防止条例は、負荷量基準を廃止し、汚濁負荷の濃度基準のみとする方針。
 年内に嘉田由紀子知事に答申、条例改正などを経て来春の実施を目指している。

■南湖の水質報告、共同研究で成果 安土・試験機関の連絡会議 07/11/30 京都新聞電子版
 琵琶湖や滋賀県の環境にかかわる県立の九つの試験研究機関でつくる連絡会議の会合が29日、滋賀県安土町の県農業技術振興センターであり、共同で取り組んでいる研究の成果を報告し、持続可能な社会に関する発表会を来年2月27日に開催することを確認した。
 連絡会議は、琵琶湖環境科学研究センター(大津市)や琵琶湖博物館(草津市)、森林センター(野洲市)など9機関で構成。互いの連携を図る狙いで1983年に設置され、毎年1度開かれている。
 この日の会議には各機関のトップら20人が出席。砂利採取で掘削された南湖の湖底の穴を調べている共同研究の成果報告では、穴の底付近は低酸素状態で生物の生息を阻害したり、水質悪化につながっているとの結果が示された。
 意見交換では、嘉田由紀子知事が行財政改革の一環として琵琶湖の研究部門を再編統合する考えを示していることについて、「議論して真剣に考えることが必要なのは確かだ」などの声も出た。

■混雑ピーク上りは2、3日 年末年始の高速道渋滞予測 07/11/30 Chunichi Web
 日本道路交通情報センターと高速道路各社は30日、年末年始期間(12月26日−来年1月8日)の渋滞予測を発表した。下りは目立ったピークがなく、上りは1月2日と3日に渋滞が多いとしている。
 予測によると、10キロ以上の渋滞は、上りで2日に32回、3日に33回。下りも2日と3日が多く、いずれも8回の見通し。
 30キロ以上の渋滞は、上りの東名高速道路大和トンネル(神奈川県大和市)付近で2日と5日の夕方に発生。下りは30キロ以上の渋滞はなく、東名高速岡崎インター(愛知県岡崎市)付近で3日夕に25キロの渋滞となるのが最長という。(共同)

■南湖でオオハクチョウ確認 先月下旬、コハクチョウに紛れ飛来 07/11/30 京都新聞電子版
 滋賀県守山市沖の琵琶湖に越冬のため飛来したコハクチョウの群れに混じって、オオハクチョウの幼鳥1羽が30日、確認された。灰色で、コハクチョウの成鳥より1回り大きく、純白の群れの中で存在感を漂わせている。
 11月下旬に群れの中にいる灰色の1羽を市民が見つけ、南湖でコハクチョウを観察している「琵琶湖草津湖岸コハクチョウを愛する会」のメンバーが確認した。同会が2000年から観察を始めて以降、オオハクチョウの飛来は初めてという。
 湖北町立湖北野鳥センターによると、琵琶湖には毎冬、300−500羽のコハクチョウが飛来するが、オオハクチョウは10羽足らずで確認できない年もある。特に南湖に姿を見せるのは極めてまれという。同センターは「南湖に飛来するコハクチョウの群れに紛れ込んでしまったのでは」とみている。

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