Teck Performer Vol.15

木村建太
パンチングでヘビーカバー攻略

Teck Performer

 「パンチング」というテクニックは近年琵琶湖においてトーナメントのウィニングパターンになるなどして実際に「魚の釣れるテクニック」として皆さんに認知されるようになってきていると思います。しかし、「パンチ=穴を開ける」というこのテクニックにおいて最も重要なポイントを軽視して、フローティングマットの密度の薄い部分にルアーを撃ち込んでしまっている釣り人をよく目にします。


 まず理解しなければいけない点は、水面を覆い尽くすようにびっしりと生え揃った浮き芝やカナダモマットの裏側にこそ食わせることのできる魚がいるということです。上からのぞいて水が見えてしまうようなマットでは、光も漏れるし、水上のからの外敵にも見付かりやすい、落ち着けないマットとなってしまうわけです。


 これは人間に例えるとヒョウの降る悪天候に穴だらけのオンボロテントの下で止むのを待つか、もしくはしっかりとしたコンクリートの屋根の下で止むのを待つか、どちらが落ち着いて一服できるかということを考えればすぐに理解できると思います。大雨の日にわざわざ屋根の外の自販機にジュースを買いに行くのって面倒じゃありませんか?? バスも危険を冒してテリトリーの外に落ちてきたエサを拾いに行くのは面倒なはず!! 要するに絶対安全と思ってる所に急にエサが落ちてくるようなもんで、これは食わずにいられないだろうっていうのがパンチングのメカニズムなんです!


■高密度マットをいかに突き破るか


 キモは何かと言うと、目に見えるマットの中で一番密度の濃い所を狙うこと! まわりにくらべて一段高くなっている部分や、波で押し重なった部分などが狙い目です。言ってしまえば水面に被ってるマットが濃い所ほどイイ!! 水面に木の板や発泡スチロールの箱が浮いていたら、それに穴を開けてでもルアーを入れてやりたいって考えるくらいの心構えがリアルパンチャーには必要です!


 使用するウエイトは僕の場合、1〜1.5オンスがメインですが、1オンスで手返しが悪いと感じた場合は迷わず重くします。よく「そんなんで食うの?」って言われますが、まずバスがいる所に通らないことには話にならないし、1.5オンスのフォールスピードなんてベイトフィッシュが本気で逃げ惑うスピードにくらべれば大したことないはず……。場合によっては速い方が見切られずに食わせることができると感じることもあるくらいです。


 1メートル以内の水深のないマットでは、まずボトムまでフリーフォールさせ、ロッドを鋭くあおって5〜10回ポップさせてやります。ジクジクアクションさせてやるよりも鋭く跳ねさせてやる方がルアーを見付けさせやすい上、しっかり食い込んでくれる気がします。また水深のあるマットでは入ったと同時にマットの裏側に引っ掛けてシェイクしてやるのもマットの裏に浮いている魚を誘うのに効果的です。

Spikyホームページへのリンクです


 次にマットをいかに突き破るかということですが、着水音は極力立てないに越したことはないんですが、ほんとに濃いマットでは「パツーン!!」って音を立てるくらいルアーを高い位置からマットに叩き付けないと貫通しないことがほとんどです。このとき従来のソフトマテリアルのクローワームでは着水の衝撃でズレてしまい、すぐにワームを新品に交換しなければいけない上、手返しが極端に悪く、今までストレスを感じながら釣りをしていました。その上、1/4オンス程度のシンカーで繊細なアクションをするようにデザインされたワームを1オンス以上のウエイトと組み合わせたときにオーバーアクションになって時に激しいアクションを嫌うデカバスに警戒心を抱かせてしまうのでは??


 スパイキーのスタッブクローは手に取ったほとんどの人が「硬っ……」って言ってしまうほどのハードマテリアルを採用しています。これは軽いシンカーでの使用を一切無視して「パンチング専用」っていう思い切った発想からです。何の飾りっ気もないボディーデザインは、マットを通る際に余分なパーツが邪魔してすり抜けが悪くなることで手返しが悪くなると意味がないっていう発想からきたものです。「一般的」って言葉を無視した僕のエゴイズムの塊って奴ですね……。


パンチングのためのリグ


 リグり方ですが、大半の方が浮き止めゴムを使用しておられると思います。いわゆるエビモパッチ撃ちや、沖のカナダモドームを撃つぐらいならこれで十分なんですが、シャローマットを音を立ててパンチする場合、これでは毎キャストシンカーがズレてワームとシンカーの間に芝やトロロモが絡んで手返しが悪くなってしまいます。


 いろいろ試した結果、家庭用のツマヨウジがシンカーを一番ガッチリ固定できることに気付きました。使用後、穴に詰まったツマヨウジはラインを抜いた後、太軸ジグヘッドのフックを折ったもののワイヤーで押し出してやればシンカーは再利用できます。



 フックですが、太軸はもちろんのこと、僕はフックポイントが外向きのもの、もしくはそうでないものをプライヤーでフックポイントを外向きに曲げて使用しています。強引にマットから魚を抜き上げる際、皮を浅くすくってしまうネムリ形状のフックでは身切れを起こしやすいからです。残酷な言い方かもしれませんが、骨までがっちり掛けてやらないとキャッチできないことが多く、僕も最初のうちはよくバラしました。市販のものではバルキースピア(カルティバ)の4/0がスタッブクローとマッチするのでオススメです。


 ラインは個人の好みにもよりますが、僕は琵琶湖ではフロロの25〜30ポンドをよく使います。PEでもいいと思うんですが、以前試した際にカバーに入ってすぐのバイトは同じように取れましたが、アクションする際に「キキィ〜ッ……」って嫌な音が出て特に春先はバイトが減ってしまったような気がします。

スタッブクローのリグり方ムービー(4'10")


ロング&パワフルロッドがオススメ


 1.5オンス以上を使用する際、ロッドはサイドワインダーのDOM DRIVERフリッピングエディションHGC-77XRを使用しています。このロッドはやや低弾性のカーボンを使用している上、レギュラーテーパーなので大きな魚を掛けた際にロッドの弾性で魚の動きを殺してカバーからグイグイ引き離すことができます。最初は重く感じるかもしれませんが、使ってるうちに病み付きになってしまうロッドです!


 1オンス以下のライトパンチでは、感度がよく軽量のSLAP SHOT HGC-76XXを使用しています。いずれにしても7フィート6インチ以上のロッドの方がフッキングが決まりやすいのでオススメです!!


タックルデータ
1.5オンス以上使用時
ロッド デプス・サイドワインダーDOM DRIVERフリッピングエディションHGC-77XR
リール シマノ・スコーピオン1001
ライン フロロ30lb
1オンス以下使用時
ロッド デプス・サイドワインダーSLAP SHOT HGC-76XX
リール シマノ・スコーピオン1001
ライン フロロ25lb



パンチングは岸釣りにも有効


 最後に、パンチングはボートフィッシングだけのものではないということを付け加えさせていただきます。たまにボートで入っていけなかった場所なんかにボートを揚げてから車で岸からパンチしに行くこともあるくらいですから!


 手前のゴチャゴチャしたのが邪魔で釣りにならないなんて言わずに、足元にマットがあればチョイッてパンチしてみてください! デカイの出ますよ〜!!

※注意 ムービーを再生するには最新のFlashプラグインが必要です

解説
木村建太
(きむら・けんた)



1982年京都府生まれ、京都府在住。1999NBCチャプター湖南Jr年間総合優勝、2000NBCチャプター京都年間総合優勝、2002JBトップマスターズシリーズ年間総合5位、2005〜2007年FLWツアーチャンピオンシップ出場という歴戦のキャリアを持つ若手実力派フィッシングガイド。通称・キムケン。ガイドスタイルはトーナメント時のシュアなスタイルとうってかわって独創的かつストロングな釣りを琵琶湖で展開。スパイキーから発売のキムケンプロデュース・DEVOURCONCEPTアイテム群は破壊力バツグン!!

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